頓服決まった、か？

頓服って古い言葉なのかなあ、そう言われてみると会社では通じませんでした。決まった時間に飲むのではなく、状態に応じて飲むということなので、ある程度こちらにも判断する責任が生まれてきます。頭痛や歯痛、傷の痛みなどであれば「痛みがひどい時」で済みますが、娘のような病気の場合はなかなか難しいです。「妄想がひどい時」とか言われても本人にも家族にも判断できません。暴れている時とか興奮している時ならわかります。

以前から頓服用に処方していただいている薬があります。定期的に飲んでいる薬とは別の薬を処方してもらうこともありますが、いつも飲んでいる薬を不穏なタイミングで増やせるよう少し余分に用意してもらうとか、そういうことのほうが多いです。

しかし、先ほども触れた通り、どういうタイミングで飲んでもらうかはなかなか難しいです。睡眠薬もそういう飲み方に近いです。あれは「よく眠れない日が続いたら」とか「本人がよく眠れないと意識しているのであれば」みたいなタイミングなのでわかりやすいです。最近は滅多に飲んでもらっていません。

ここ数日、時間を問わず絶叫が続いていました。暴れるまではいかないので様子見です。昨日はけっこうひどかったので、そろそろ睡眠薬にするか、それともいつもの薬を頓服で少し足してもらうかと考えていました。睡眠薬は効かないと余計に暴れたりすることもあるので本当に使いどころが難しいです。なので、昨夜はとりあえず薬を足しました。

効いているのかいないのか、娘はなかなか眠りません。独り言の喋りもノンストップです。頓服で飲んでもらう薬は２種類あります。今日のは失敗だったのかもなあ。それでも叫んでないからいいか。

夜中に何度か布団を運ばれました。畳んでしまえとか言うけどさあ、夜中の３時だよ、明日になったら畳んでしまうよ。それでいいよね。

朝の５時ぐらいですかね、娘の絶叫で目が覚めました。心臓に悪いわ～。家の中だと確実に聞こえるのです。たまりません。

２回、叫びました。「死ねえええ」と言っているのですが、「ゲエエエエエエエエ」みたいに聞こえます。のどから血が出そう。

そのあとは静かになりました。

私が寝過ごしていると娘がやってきました。

「クスリ」

「あ、もうそんな時間？　ああ、はいはい。今すぐに用意するからね～」

昨日も今日も私はダルさと頭痛と関節痛で正直ちょっとキツイです。それでも起きて薬を用意します。ああ、でも昨日の夜の頓服は効果なかったなあ。どうすっかなあ。このタイミングだと命の母ホワイトってことでもねえだろうし、そうだなあ、久しぶりにもうひとつの薬でも足してみるか。

頓服の薬、ひとつの効果を「怒りパワーを鎮める」だとすると、今日足そうかと考えているもうひとつの効果は「妄想を抑える」です。こっちは頓服でもそんなに「効きましたああ」みたいなことないんだけどなあ。でも飲んでもらうか。

娘はやや不穏な面持ちです。独り言もひどいし。本当に、どうにかして落ち着いてくんねえかなあ。頼むよ。

娘に薬を飲んでもらった後、とりあえず私は二度寝です。頭痛い。薬飲んでおけばよかった、と思いながらすぐに寝ました。

しばらく寝ても頭痛もダルさも消えません。本当にツライ。熱を測ります。ないんだよなあ、熱は。

趣味と実益のＷｅｂサイト運営で毎日手作業で実施している諸々を完了してからまた寝ました。ずっと放置しているＷｅｂサイトの不具合、この土日も手を付けられないだろうなあ。

しばし熟睡。

起床。

娘は部屋で喋っています。放置で。出てきました。なんか食いたいの？　へーそうなんだ。

もはや娘の食事を用意する気力もありません。買い置きのカップ麺をテーブルに並べます。これとこれとこれとこれは安いの、これだけ高いの。娘は高いのを選びました。

「高いのって言っても２００円代だけどね」

私がそう言うと娘は笑っていました。

お、調子いいのか？

カップ麺の食後にドリップコーヒー。ラーメンコーヒーセットだとかなんとか私が適当なことを喋ります。娘に聞かせているつもりもないです。うわ言みたいなもんか。娘の妄想独り言と変わんねえな。

娘にカップ麺を食べさせたあと、買ってあった水餃子を鍋で温めて食べました。そろそろ危ない白菜を全部突っ込みました。食べるのもダルくて面倒くさい。ああ、でも水餃子は微妙に食べやすくてよかったかも。

そのあともまたしばらく寝ました。

起きてからダラダラ。本当にダラダラ。何もやる気が起きません。熱はやっぱりありません。これで熱でもあれば薬を飲むのに。いや、これでも飲んだほうがいいな、薬。風邪薬にしておくか。

薬、あまり効きません。ダルい、ダルすぎる。

娘が起きてきてなんだか家の中をウロウロしています。なんか飲み物を飲みたいようです。自分でやってくれよ。無理か。

「パパ、かわいそう」

思わずそんなことを口走ります。そのあと、（元）妻がよく自分自身のことを「ママかわいそう」と言っていたのを思い出しました。ということを娘に話しました。

娘、笑ってるよ。

ていうかさあ、ダルかったりなんだりでツライ時でも娘がなんの容赦もないからママは「ママかわいそう」って言ってたんだよな。わかるよ、その気持ち、オレも今「パパかわいそう」って本気で思うよ。そして娘はひどいやつだよ。

でも、笑ってるな。

頓服の薬、聞いた？

結局、今日の娘は日中叫ぶこともなく、食べたかったり飲みたかったりのアピールもあり、独り言も少なく、言葉は少ないながらも私と会話もあり、風呂にも入り。つまり、昨日よりも明らかに調子がよかったのです。

もしかして、頓服の薬、効いた？

そういうこと？

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