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「白いタコがたくさん」

先日、聞いてもいないのに娘が怖い夢の話をしてくれました。自分から夢の話をするのはいまだかつてないほどレアです。やっぱり状態がよくなってるのかなあ。そんな感じは全然しないけどそうなのかもなあ。それで怖い夢って?

「白いタコがたくさんあって」

「タコって、あの海の中にいる足が八本ある?」

「あれじゃなくて、ブツッとした白いタコが身体中にたくさんあっ

「や〜め〜て〜」

娘の身振りでもはっきり伝わりました。タコと言うよりはイボ、身体中に白いイボが大量にできている夢を見たという話を娘は真剣な顔でしています。

「うわ〜、寒気してきた。マジでやめて〜」

「白いタコが、身体中」

「だから、もう頭に浮かんでるからやめてって。あーでもそれは怖いわー、すごい怖い夢だわー。なんかもうパパ寒気だけじゃなくて身体中痒くなってきたから本当にもうやめて」

珍しく夢の内容を細かく描写してくれそうだったので聞いたほうがよかったのかもですが、トライポフォビアというか集合体恐怖症というか、私は子どもの頃からけっこうひどいのです。意識したのはいつ頃だったかなあ。草でかぶれて自分の肌に出来たブツブツが気持ち悪くて吐きそうになった時が最初に認識した瞬間だったかなあ。身体中に加えて鼻の中が猛烈にかゆくなって居ても立ってもいられなくなって、ひどくなるとそれこそ気を失いそうになるのです。わざわざ名前がついているぐらいなので、そういう方は少なくないはずです。

思い出しても身体がかゆい。かゆくてかゆくてたまらない。

それにしても、以前は夢の話を聞いても「見てない」「(見ても)忘れた」ばかりだったというのに、最近の変化には目を見張ります。それで何かが良くなったというわけではありませんが、何かが変わっているのは間違いありません。きっかけはビタミンDではないかと勝手に思っていますが、最近飲み始めた鉄剤ももしかするとなんらか影響があるのかもしれません。

とか、そんなことを思って日々を過ごしていたら、今日の夕方は久しぶりに部屋で絶叫を繰り返していました。相変わらず叫ぶのは収まらないなあ。合間に部屋から出てきてデーツを狙っています。叫んでもデーツはあげないよ、パパのだから。

「もしかして暑い? 半袖に着替えたら」

娘は薄手の長袖Tシャツを着ていました。暑くても気持ちが落ち着かず叫びだすことがあります。

素直に着替える娘。もしかすると自分でも「暑いのかも」と思ったのでしょうか。

着替えてスッキリ。いい表情です。暑かったのか。

「冷えピタ、貼る?」

「貼って」

熱冷まシートは気休めという話も聞きますが、貼るとなんだか気持ちが落ち着いたり安心したりという効果はあるようです。

「デーツ、一個食べていいよ」

着替えたり冷えピタ貼ったりで頑張ってるわけじゃないけど頑張ったみたいな感じなので頑張ったご褒美ということで。

「なんか今回のデーツ、全体的に小ぶりだよね」

そう思っているのは私だけなのか、娘は特に何も言わずに無の表情でデーツを食べていました。デーツ、美味しいよね。また買ってこないとな。

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高島利行
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