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うんこスパークと「チッ、うっせーな、反省してまーす」

日曜にカードの有効期限切れで支払いが滞りオンライン広告の掲載が止められてしまう重大なインシデントが発生していました。完全に私自身のミスです。ここ十数年にないほどへこみました。過去に仕事ではなく個人のアカウントで似たような状況は体験しています。その時は最終的にアカウントが閉じられる事態に至りました。なので日曜の朝・昼・夕・夜と回復を試みて余計なチャレンジを繰り返したのが失敗でした。そのせいでより傷が深くなってしまったのです。月曜は数年ぶりに某ランキングに復帰という嬉しい出来事もあったのですがそれよりなにより広告アカウントの停止で心ここにあらずというか。先方のサポートともやり取りしたもののしばらく様子を見てくれということに。そうなんだよなあ、こういう事態だと本社がどうこうだからしばらく待ってくれになるんだよな。火曜も水曜も待ったものの進展なし。なので昨日水曜の夜に再度連絡。またも待機。とはいえ少し進展したのでは的な感じです。そして待つことしばし。小一時間ほど前にようやく復旧を確認。よかった。今週はこれで頭がいっぱいだったので本当によかった。

そんなことで頭がいっぱいなのに、本日の夜のそろそろ薬の時間というタイミングで娘が慌てて部屋から飛び出してきました。トイレへダッシュ。そんなに慌てる前に行きなよトイレ。と思ったら大きな音を立ててトイレの扉を閉めて便座の蓋を乱暴に開けた直後に激しい音が。そして匂いも。

「ズボンにうんこついた」

淡々とした娘の声。

「えー、だからいつもパンツ脱いでしっかり座ってから出しなって言ってるじゃん。座ってる途中で出さないでよ」

今回は座ってる途中どころかパンツを脱いでいる最中にうんこがスパークしたようです。

「ナプキンにうんこついた。来て。見て」

「えー、なんで見せるの。自慢?」

鼻が曲がりそうな匂いに耐えながらトイレに近づくと娘はパンツ型のナプキンを手に絶望的な表情をしていました。

あ、そうか、パンツ型のナプキンだから簡単に脱げないのか。じゃなくてさ、パンツ型のナプキンだってしっかり脱いでからうんこしてくれよ、頼むよ。

「ナプキン、捨てて」

「ちょっと待ってて、袋とか持ってくるから」

ポリ袋を重ねて三枚用意しました。それにそーっとパンツ型ナプキンを入れてもらいます。ああ、ダメだ、結局、私の手にもうんこがついちゃったじゃない。もうしょうがない。

袋はしっかりしばります。さらにもう一枚重ねました。とりあえず手も洗います。

トイレの中は大変なことになっています。便座だけでなくトイレマットにも落ちています。それだけでなく噴出した分が便器の外にも垂れています。最悪だ。しかもそこにうんこまみれのパジャマとパンツも転がってるし。とりあえずパジャマとパンツは洗面所に移動だ。あとで手洗いだ。

「もうさ、しっかり流してトイレットペーパーでお尻拭いて」

「わあった」

「そしたらそのままそこで動かないでね」

「わあった」

今日は既に娘も私も風呂に入っており、洗濯機も回し始めています。

「あのさ、足の裏拭いたらお風呂に行ってお尻洗っといで。もう一回お風呂に入ってもいいよ」

「わあった」

「うわっ、なんで足の裏にもこんなにうんこ付いてるの。あ、そうか、トイレマットに落ちたの踏んでるんだ。待ってしっかり拭くから。はい拭いた。お風呂行っといで。あ、パジャマの上にもうんこ付いてる。洗濯機に入れないで」

「んあ」

娘がシャワーでおしりを洗っている間にトイレを掃除します。こんなにスパークしたの久しぶりだなあ。拭いても拭いてもきれいにならない。便器の外に飛び散るってどういう状況だよ。

娘は風呂場でさっぱり。無言で部屋に戻っていきました。

トイレの掃除は終わりません。絶望。でもなんだか楽しい気持ちも湧いてきます。面白いなあ人生。これが毎日だったら耐えられないかもしれないけど、たまにだったらまあまあなんとか耐えられるよな。

トイレの掃除を終えたらパジャマとパンツとトイレマットの手洗いです。パジャマとパンツはうんこの痕跡も残らないほどしっかり手洗いしてから止めておいた洗濯機へ。全部一緒に洗ってしまえ。

生理の血が垂れていたので土日に洗おうと思っていたトイレマットもうんこを落として手洗いです。血を落とすのに酸素系漂白剤を使わないといけません。となると手袋も必要です。面倒ですが、手袋なしで酸素系漂白剤はさすがにいけません。最初はうんこを取るのに流しっぱなしで。うんこが取れたら改めて溜めたお湯に酸素系漂白剤を入れてじゃぶじゃぶ洗います。かなり真剣に洗ってからすすぎへ。その間も手袋はしたまま無心で洗い続けます。最後に軽く絞ってから風呂場に干しました。

なんとなく達成感。

娘はもう寝るつもりのようでしたが、夜のクスリがまだです。

「クスリ、飲んで」

「んあ」

「あのさあ、ちょっとはうんこ飛ばしてすまなかったとか思ってる?」

何も言わない娘の表情はまるで「チッ、うっせーな、反省してまーす」と語っているようでした。反省してねえじゃねえか。

まあでもパンツ型ナプキンは履くのも脱ぐのも大変みたいだからしょうがなかったのかも。でもさあ、それならそれで「もう出る!」みたいなギリギリでトイレに駆け込むんじゃなくて少し余裕を見てトイレに行くようにしておくれよ。

私のそんな話を聞いているうちに娘の表情がようやくしんみりした感じに変わった、ということはなく、クスリを飲んだら「おやすみなさい」でした。

ま、いいけどね。

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高島利行
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