光と色 ~眼の仕組み~
はじめに
この章では色彩検定3級の「光と色」の章から「眼の仕組み」についてまとめていきます。眼について触れますので少し難しく感じるかもしれませんが、中学生の時に習ったことなども出てくるので懐かしいなと思いながら読んで頂ければ幸いです。
眼の仕組み
私たちは視覚によって、色を知ることができます。その色の情報の分析には、眼球の果たす役割が大きくなります。
眼球に入る光は最初に角膜で屈折し、次に虹彩が瞳孔の大きさを変えて光の量を調節します。さらに水晶体が光を屈折させて網膜に像が結ばれます。その際に、毛様体の基部にある毛様体筋が水晶体の厚みを調節して網膜に焦点を合わせる微調整が行われます。
網膜に達した光は、視細胞(錐体細胞と杆体細胞)がそれを感じ取り、神経信号に変換します。変換された信号は神経節細胞へ伝えられ、視神経を通じて脳へと送られます。
各名称の説明
角膜 ... 光を眼球内部へと屈折させて網膜で像を結ぶはたらき。
虹彩 ... 同行を広げたり狭めたりすることで、光の量を調節する。
瞳孔 ... 瞳のこと。明るい時は小さく、暗い時は大きくなる。
水晶体 ... 眼に入った光を屈折させて焦点を合わせる。
網膜 ... 像を結ぶ部分。
毛様体 ... 基部にある毛様体筋によって毛様小帯の緊張を調節し、水晶体の厚みを調節する。
脈絡膜 ... 強膜(白目)と網膜の間にあり、眼球全体に栄養分を供給する。
硝子体 ... 眼球内部の大部分を占めるゼリー状の物体。
網膜とは
網膜はさまざまな細胞からなるいくつかの層で構成されてます。脈絡膜側が色素上皮層、中間に視細胞の層、硝子体側の層に神経節細胞があります。そして、視細胞と神経節細胞を結ぶ双極細胞、視細胞同士を結ぶ水平細胞、神経節細胞同士を結ぶアマクリン細胞があります。これらの細胞が網膜で受け取った光の情報を処理します。
視細胞の種類
視細胞には大きく分けて錐体細胞と杆体細胞があります。
錐体細胞は明るいところではたらき、短波長の光(青)を主に感じるS錐体、中波長の光(緑)を主に感じるM錐体、長波長の光(赤)を主に感じるL錐体の3種類があり、それらを組み合わせて、色を識別します。しかし、錐体細胞は比較的低感度のため、十分な光がないと神経信号を出すことができません。錐体細胞は杆体細胞よりも個数が少なく、黄斑に集中しています。また、黄斑の中心部である中心窩には錐体細胞しか存在しません。中心窩は網膜の中でも解像度が高く、物を凝視するときにこの部分を使います。
これに対し、杆体細胞は暗いところではたらきます。杆体細胞は1種類しかなく、明暗の感覚を識別し、非常に高感度でわずかな光でも神経信号を出します。錐体細胞よりも個数が多く、網膜全体に広く分布していますが、黄斑には存在しません。
おわりに
この章では眼の仕組みについてまとめました。眼がしっかりと機能しているおかげで、わたしたちは美しい景色が見れるんだと思うと、楽しみながら学べる気がします。2級では視覚についてもう少し詳しく学べるので楽しみです。
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