高校英語を5ヶ月でマスターした後は、ひたすら全文和訳-高島メソッド【第4回】
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「高島メソッド」は「中学英語」の次に「高校英語」を次の5か月でマスターする
「高島メソッド」のその後の展開をお話ししましょう。
最初の6か月で「中学3年間の英文法」を使いこなせるようになったら、次の5か月では「高校3年間の英文法」を同じように学び、使いこなせるようにしていきます。ここでまた、次のような質問をしてくる人がいます。
「中学英語が6か月なのに、高校英語はもっと短い5か月なのはどういう訳ですか?」
もっともな質問です。
しかし、文法事項に限って考えると、全体を10とすると、中学全範囲で、すでに7割まで到達しているのです。高校英語はまさにその延長線上にあり、分量的には残りの3割といったところです。
結局、「高島メソッド」に従えば、中学高校の全文法範囲を1年足らずの11か月で見渡すことができるのです。
文法分野に限って考えてみると、中1の時に高校範囲まで終わらせてしまうので大きな余裕をもって、来るべき入試に挑む準備ができることをご理解頂けることと思います。
「文法的に正しく英文を書くこと」の次は「文法的に正しく英文を読むこと」
最初の11か月で高校範囲の文法までの勉強がひと通りすむと「高島メソッド」は次に「読解」に取り組むことになります。
「読解」の教材は「英検3級レベル」からスタートします。
「英検3級」は「中学範囲」の文法から出題されるので「高校範囲」の文法まで終えている「高島メソッド」学習者は、余裕をもって英検3級の英文に取り組むことができます。
その具体的な方法は「英検3級」の英文を1文1文、辞書を使いながら正確に和訳していくというものです。「英検3級」レベルの英文に3か月ほど取り組んだ後には「英検準2級」レベルの文章に移行していきます。
ちなみに、英検の英文を教材に使うのは、英検の英文はクセがなく、凖2級以上は大学受験の読解の基礎固めに大変よい教材だからです。
ここで、何人かが次のような質問をしてきます。
「和訳を作るのは良くないと思います。ネイティブみたいに、英語を英語のまま理解する方がいいんじゃないですか?」
「今の入試問題は長文化の傾向が進んでいるので、1文1文和訳するより速読や多読をする方が効果が上がるんじゃないですか?」
はい、もちろん、色々な意見があることはよく存じております。しかし「高島メソッド」は、あえて愚直に!「英文の全文和訳」に取り組んでいきます。
愚直に「英文の全文和訳」に取り組む理由
まず、第一の、そして最大の理由は「英文を和訳することで、生徒がどのくらい理解できているかを、講師も生徒自身も正確に知ることができる」ということです。
英文を読んで「何となく分かる」と思っても、その英文を和訳してもらうと「実は何も分かっていない」ということがわかることがしばしばあります。
和訳をしてもらえば、生徒が英文を正しく理解出来ているかどうかは一目瞭然でわかるものなのです。
「和訳する勉強は英語力を伸ばすのに良くない」という意見は、将来の大学受験をする予定のある生徒にとっては、致命的と言えるほど大きな間違いです。
それは、今なお、東大、京大を始めとする難関大学のほとんど全てが下線部和訳問題を出題していることを見れば、はっきりとお分かり頂けるでしょう。
京大に至っては数十年間、英語の入試問題は英文和訳と和文英訳(英作)だけしか出していません!
多数のノーベル賞受賞者を輩出する京都大学が「和訳と英訳しか出さない」のは「英語力は和訳と英訳を見れば分かる」と考えているからなのです。
ちなみに「でも私立では出さないとこもありますよね」と反論する人には「慶應の医学部や文学部の問題を見てください」と申し上げましょう。
それらは完全に和訳、英訳がメインの国立型の入試問題です。また、早稲田や慶應を始めとする「大学院」の入試問題も全て和訳、英訳がメインの出題です。
これは大学教授が「英語の学力を見るには、和訳、英訳こそ大事」と考えていることの動かぬ証拠です。
次回は、学校の英語学習の問題点と英検学習の功罪について書きたいと思います。