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柿の産地でオリーブ栽培|南深清水FF倶楽部

オリーブ栽培をされている南深清水FF倶楽部さんが、伊賀から視察の受け入れをされると聞きつけ、取材に行ってきました。

オリーブ園での視察の様子

耕作放棄地の再生

100年続く県内最大の柿産地である高島市今津町南深清水地域。
地域の高齢化と共に耕作放棄地が増える中、地域課題に取り組むべく南深清水FF倶楽部が発足しました。初期メンバーは10名、長期間耕作放棄地になっていた柿畑を整備し、新たな試みとしてオリーブ栽培に着手しました。
柿の産地である南深清水地域ですが、実はあまり知られていない現状があります。
「オリーブ栽培を通して、南深清水は柿の産地であることも知ってもらいたい」そんな想いもあり、秋には柿祭りを開催しています。柿とオリーブ、両方楽しめるイベントです。

2024年7月現在、代表を務める桂田さんは元銀行マン。
柿農家の長男として生まれながらも、農業とは関わらず生きてきた桂田さんですが、定年と共に回ってきた区長職に就く中で地域の現状と向き合うことに。区の長老から「育ててもらったこの地域に恩返しせよ」との一言でスイッチが入ったそうです。

南深水FF倶楽部の皆さん。桂田さんは右からお二人目

南深水FF倶楽部のメンバーは皆さんそれぞれ他の仕事をしながら、活動をされています。梅雨のこの時期は特に草刈りが大変で、オリーブ栽培は虫対策として下草の草刈りが欠かせない。オリーブを中から食う虫の存在にいち早く気付くため、常に木の下は草を刈って見通しよくしておく必要がある。目をくばり手をかけるからこそ、虫の被害を抑えながら、薬を使わず自然な生育が可能になっています。

剪定する枝をレクチャーする川端さん。

当日は京都からイタリアソムリエ協会認定のオリーブオイルソムリエである川端さんが来園し、オリーブ栽培について実際のオリーブの木を前に解説されました。
オリーブ栽培については、専門知識の豊富な川端さんに教えてもらいながら栽培を続けているそうです。(お顔が隠れた写真でごめんなさい。)

7月初めのオリーブの実。まだ実りだした赤ちゃん

なぜ南深清水でオリーブなのか

柿産地の南深清水であっても、栽培農家も半減し耕作放棄地が増える一方、そんな地区の活性化に取り組み始めた南深清水FF倶楽部が農地再生に試行錯誤していた頃、たまたま紙面で「オリーブ栽培、全国各地に広がる」という記事を見つけます。

小豆島以外でも広がるオリーブ栽培は、石川や富山といった雪国の名もありました。実は雪深い地域でもある高島市、高島でもオリーブ栽培は可能なのかを確かめるため、富山へ、京都宮津へ視察に向かいました。そこで宮津で先行してオリーブ栽培に取り組まれていた川端さんとのご縁に繋がります。

集会所にて映像とスライドでお話。設立当初のお話も。

オリーブの可能性

オリーブ栽培の可能性を模索する中で、南深清水の地区でも栽培に適していることがわかりました。耕作放棄地を有効活用でき、高齢者や女性でも栽培が可能であること、耐性があり有機栽培で環境にやさしい農業が可能であること、実や葉など利用できる部位が多く、加工品への応用も広がるなど、たくさんの可能性が見えてきました。そこで、オリーブ栽培へ着手します。

植樹して2年目のオリーブの木
7年目のオリーブの木

南深清水のオリーブで、学生と商品作り

栽培を始めて数年後、2021年にはオリーブ茶を製造・販売へ。オリーブ茶のパッケージは龍谷大学の学生がデザインし、この日の視察受け入れ時でも振る舞われました。癖のない味で飲みやすく、オリーブオイルとは全く別の風味のオリーブ茶は、普段知っているオリーブとは違う新しい一面です。
また、2023年には県下初の搾油を行いました。

南深水のオリーブの葉を使ったオリーブ茶

ご縁を繋ぎに行く活動力

南深清水FF倶楽部では、立命館大学と龍谷大学の学生と一緒に商品作りや秋の柿祭りを開催しています。学生とのご縁は「しがのふるさと支え合いプロジェクト」。農山村の活性化や新たな価値の創造を目的に、地域と起業・大学・NPOなどと協働活動を行うプロジェクトです。このプロジェクトへの参加も、自ら足を運びご縁を繋ぎに赴きました。その行動力が現在の多様なご縁へ繋がっています。

南深清水FF倶楽部のInstagramも開設し、日々の情報発信をされています。若い世代と関わることで新しい発想や刺激をもらえると楽しそうにお話しされる桂田さん、SNSの運用も「わからない」を「わからないまま」にせず、新しい事にも自から「その気」を持って取り組む姿勢に、人とご縁が集まるもの納得でした。

この日訪問されていた視察の方々も、さまざまな地域課題と向き合う中で、活力のある地域を訪問する勉強会の一環として、オリーブ栽培の可能性を探るため、実際に現地を見に来られました。暑い中畑まで足を運び、質問を通して地域の課題解決への糸口を得ようと行動される姿に、新しいご縁とこれから先の広がりが感じられました。

それぞれの地域で共通する課題は多くあります。
いますぐ解決することは難しくても、可能性を探して行動することの大切さを実感する取材となりました。

ーお知らせー
第7回柿まつりは2024年11月17日(日)です。
ぜひお越しくださいね!

取材:来見

南深清水FF倶楽部 インスタグラム
https://www.instagram.com/fukashimizu_olive
南深清水FF倶楽部 HP
https://sites.google.com/view/minamifukashimizu

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