低家賃物件の経費率問題
まっちゃんのラテラジオテキスト版です。
築古で低家賃帯のアパート運営に関する話をしたいと思います。特に、僕が一棟目で実際にやらかした失敗例を紹介します。
初めての退去が出たときの話です。当時、満室で購入したアパートでしたが、一室退去が出て、原状回復が必要になりました。退去立ち会いに行ったら、管理会社さんから委託されたリフォーム業者さんが対応していました。業者さんは退去立ち会いの経験が豊富そうだったので、特に心配せずに進めていました。入居者さんとの立ち会いが終わった後、業者さんと原状回復の内容について話し合ったのですが、ここで問題が起きました。
当時、右も左もわからない初心者だった僕は、どれくらい部屋を直せばいいのか全く分かりませんでした。業者さんの提案に従い、クロスを全面張り替えたり、細かいところまで修繕するという見積もりを受け入れてしまいました。その結果、リフォーム費用が約25~26万円にもなったんです。
家賃が3万円程度の単身向けアパートですから、リフォーム費用は家賃の約8~9か月分に相当します。これってほぼ1年分の収益を持っていかれる計算なんですよね。当時は「リフォームってこんなにお金がかかるものなんだ」と、深く考えずに納得してしまいましたが、今振り返るとこれは完全にやらかしでした。
リフォーム費用というのは、家賃が高い物件でも低い物件でも、それほど大きく変わるものではありません。例えばリフォーム費用が20万だとして、家賃が6万円の物件なら、リフォーム費用は家賃の3か月分程度で済みます。しかし、家賃3万円の物件では同じ金額を回収するのにだいたい7か月かかるわけです。これが低家賃物件の難しいところで、固定費用に対する経費率がどうしても高くなるんですよね。
だからこそ、低家賃の物件ではリフォーム費用を抑える工夫が必要だと痛感しました。例えば、必要最低限の掃除だけで済ませたり、クロスの張り替えも目立つ部分だけに絞るといった対応です。また、そもそも退去を防ぐことが一番重要です。長く住んでもらえる工夫を考えるべきですが、単身向けの狭い部屋だとどうしても回転が早くなりがちです。その場合、入居者選びで部屋を汚さない人を見極める必要があるのかもしれませんが、正直なところ僕にはそのスキルはありません。
結論として、築古の単身向け低家賃アパートは、リフォーム費用が経営を圧迫する可能性が高いです。できるだけ安く購入する事に加えて、リフォームの規模や方法を慎重に考え、収益とのバランスを取ることが本当に重要だと改めて思いました。