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大家さんという呪い

大家業というのは、ある意味「呪い」みたいなものがあるんですよ。どういうことかというと、突発的な支出への恐怖と、次の物件を買いたくなる気持ちが強くなりすぎて、お金を減らすことに対して極端に慎重になってしまうんです。この二つの感覚は、気をつけないと逆に不幸になる要因でもあるんですよね。

どんなに家賃収入が増えても、部屋数が増えれば出費の機会も増えます。普通に考えれば、支出が増えても、それ以上のスピードで家賃収入が増えれば問題ないはずです。でも、やっぱり大きな支出に対する恐怖が常につきまとう。特に娯楽品や贅沢品、大きな旅行などでガツンとお金が減ると、「次の物件を買うための種銭が減ってしまう…」という感覚がどうしても拭えないんです。

例えば、スーパーで紅マドンナが500円で売っていたとします。普通なら「家賃収入もあるし、これくらい買えばいいじゃん」と思うかもしれない。でも、いざ目の前にすると、ものすごく悩むんですよね。「500円あったら、他のことに回せるんじゃないか…」とか考えちゃう。これはもう完全に呪いみたいなものなんです。

本来は、家族との幸せのために不動産を買ったはずなのに、「贅沢は敵だ!」みたいなマインドが抜けなくなる。どれだけ資産が増えても、使えるお金のキャパシティが広がらない。もちろん、「成長するまではコップに水をためて、溢れた分だけを飲む」という考え方は大事。でも、たまにはそのコップに注がれた水をごくごく飲みたいわけですよね。でもそれをやると、途端に罪悪感に襲われる。この感覚が本当に厄介なんです。

最近、息子の学費として結構大きな金額を払うことになりました。これは前から分かっていたことだけど、実際に支払うとなると、やっぱりキツい。海外留学で年間200万〜300万かかる。奨学金をもらっても、それなりの出費が発生する。「教育費は子供の未来への投資だ」とは言えるけど、リターンが約束されているわけじゃない。だから、どうしてもヘジテイトしちゃう。
そのために稼いでる、まであるんだけど何だかもう。

物件を買わなくていい状況なら、ボーナスも気持ちよくパッと使えたりするんじゃないかと思うんですよね。でも今は、そうもいかない。
悩んでしまう。勿体ないと思ってしまう。

この呪い、なかなか手強いです。



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