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❨505❩1973.1.18.木.晴/出会った多くの人がこの濁った河の水を平気で飲んでいる/アマゾン川:Brazil

天気もよく、今までの船旅(アマゾンの)では、最高の一日だった。
朝:カフェ・コン・レチェ、昼:アロース・フェジョン・マカロン、肉シュー、ファリーニャ、そしてドーセ。
夜は、アロース・フェジョン・マカロン(ミートソース)、ビーフシチュー(いい肉だった)と、メシもそれらしいものが出た。

朝と午後、少しずつ補強をする。
本を読む他は、あく事も知らずに河ばかり見ている。
大木が流れて来たり、ペイシ・ボーイ(イルカ)が姿を見せたりする以外は、広い広い水と平行に伸びるジャングルばかり。
河というのに水平線が見られるのは、これまでの所、初めてである。

今、横で黒人の女の子が、俺の字を書くところをじっと珍しそうに見ている。神妙な顔つきである。


この旅で驚く事は、色々出会った中で多くの連中が、この濁った河の水を平気で飲んでいる事である。
コップに取って見ると、薄茶色に濁り、少しゴミさえ混じっている。
俺は、トマ・バニョと歯磨き以外、手にしないが、その時でさえ気持ち悪い程である。

所々に見られるインヂオの家でも、勿論この河の水が全ての生活の源であろう。
しかしそれでいて、あれ程に健康一ー実際にはどうか?ーーを保っているのは、何よりと云う他ない。

今夜も、いつもよりかなり余分にペンが 進んだ。考える事はいつも雑念ばかりで、心に留まる事は、ごくわずかである。

今日、考えたのは、俺のこれからの仕事についての事である。真剣だった。

そうだ、昨夜は夢に、面白い顔ぶれが出た。
山田のケン坊が体操をやっていたり、豆腐屋のスミ・タカ・おばさん・おじさん、そして山さんのヒーちゃん。
どれも自転車ーーそうだヤマちゃん(滝本君)も出て来たーーと体操の事に関するものばかり。

夜、町に上陸。
三人の女の子と知り合い、自転車で町を回る。

夕暮れ時のアマゾンは
最高の眺めで気分良し

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