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❨826❩1973.12.3.月.晴/Oh! Marakeshi/マラケシュ:モロッコ

昼前、洗濯。
昨日とは違ったマーケットの中を歩く。1km以上も続いていた。
シーノア(中国人)という声がよくかかる。「チノ」と呼ばれる程、頭には来ない。

カスバを奥の方までいってみた。
子供がよく目につく。所々、ばあさんじいさんが道端にうずくまっている姿が見られた。女も男も、めずらしそうに俺の顔を眺めながら通る。

チリーで会った、二人の男性に二年ぶりに再会。驚いた。世界は狭い。


Oh! Marakeshi!

何んと云おうか? 別世界と云おうか...
面白い所で、俺は来てよかったと思う。
アフリカにも様々な所があり、様々な人種が住んでいるのだ。ここはアラブ系と云おうか一ー

街が二つに分かれてある。
一つは近代的な建物ばかりで、ヨーロッパ風になっており、一方は、周囲を高い城壁で囲み、その中に人が住んでいる。
メジナ(マーケット)は、その門の出入口のすぐ前にある。

カスバとは、この旧市街地をいうらしい。
カスバの中にも、ドッサリ店がある。1km程、グニャグニャした細い道に沿ってあった。

道は、実にややこしい。坂もある。
真暗で洞穴のような、ゾッとするような所があったり、所々、老人が道端にうずくまっていたり、何んとなく気味の悪い所が多い。

ジュラバ (民族衣装)を作っている、小さな工場の中へ入らせてもらった。
古めかしい機械を使い、手でカタンカタン織っていた。
安かったが、重ばるし重いので買わなかった。

釜を作る所、皮を加工する所、皿や盆に精密 なデザインをする所、どれも、手と粗末な道具だけで仕事していた。

一日雨の降った日は、道が川となった。

残念なのは、方々からの観光客が多いせいか、 子供から金に対して敏感で、何を聞いても金・金・金につながる。

カスバを一人歩くと、「シーノア」「シーノア」一中国人一と、よく声がかかる。
空手の事をよく聞かれる。中国映画が多いせいだろう。

ほんとうに面白い所だ。
また来たくなるかも知れん。

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