❨500❩1973.1.13.土.曇/ジャングルの街でのダンスパーティー/アウメイリン:ブラジル(Almeirim:Brazil)
昨夜2時頃、エンジンがイカれて、ジャングルに横付けになった。何んてついてないのか!
気にしたところで仕方ないと思い、そのまま眠ったが、今朝になっても修理は全然出来ていないらしかった。奴らの事だから、いつになることやら。
午後1時頃になって、これがホントの「助け船」が上って来た。
何んと三艘つなぎで出発。時速10km位の速度で進む。
ブヨ蚊がいてーーここのは普通のブヨ蚊より更に小さく、その癖、強力に刺すので、船の上をあちこちしながら、刺されまいと苦心するーーじっとしておれず、全くイヤな思いをした。
夜7時、小さな町ALMEIRIMに着く。
修理がいつになるか分からないので、他の船を聞いてみたが、なし。
やむを得ず、パン・ビスコイト・ジュース・ドーセを11コントで買い、またイヤな船(Sao Paulo)に帰る。
夜、乗客の高校生4人と、ダンス・パーティに出かける。
俺を珍しそうに皆んなが見る。
こんな所に、よくもこんな沢山の若い連中が居るものだと思える程、集まっていた。
それに、なんといってもダンスがウマイ。
フェスタの音楽が流れ出すと、全くのキチガイ騒ぎになる。じっとしておれない程の雰囲気になって来る。ビールを飲み飲み、飛んだり跳ねたりして踊る。
俺の方も、座っていても浮き足立って来る。おかしい程だった。
遂に最後は、その仲間に入っていった。
しかし俺は、ダンスは苦手だナ。
最初、アンジェリーナと踊り始めるまで、馬鹿げた事だが、踊ろうか踊るまいか?踊れるか、踊れないか?などという間に悩まされた。実際、勇気が要った。
4回踊った。サンバもあった。
誘った女の子が、とても俺と踊るのを恥ずかしがっている様だった。
ダンスの上手下手は別として、両ひざ、両尻に皮のつぎ当てをした変なずぼん(?)を履き、サングラスをかけ(別に気取るつもりではなかった)、シャツのスソを前で結び、バッシュを履いた、ザンギリ頭の目の形がちょっと違った男、という事で、自然とそうなったのだろう。
男達は、次々に女の子を変えて踊る。
手を差し出されると、女性は、相手が黒でも白でもモレイノ(混血)でも、立って行く。
もう一つ俺の注意を引いたのは、50歳前後のオッサンでも、若い連中と全然差なく、一緒になって踊る。
日本の俺の町で言えば、盆踊りの様なもんか。
今夜は、三本近いビールを飲んだ。
ホンノ少ししか酔えなかったが・・・・・