❨284❩1972.6.11 日 雨 パラグアイ到着(アスンシオン)・アルゼンチンの想い出(Formosa:Argentine→Asunción:Paraguay)
頭に来たぜ!ここのポリ、10本の指の指紋に写真まで撮り、因人並に、色々と調べたやがった。
なんのつもりか分からないが、全く、たかが一夜の泊まりで・・・どこか狂っているんだ。
町から30km位の所で、レジステンシアで会った車の家族に再会。ダンナと奥さん、それに三つの男の子。
実に感じの良い夫婦で、結局Clorindaまで乗せてもらう事になった。
エルナルドは金髪で色白、ジェスチャータップリのかわい子だったナ。
車を降り、15km走り、国境 ラ・プラタ川に出た。
ラ・プラタ川は小雨にけむり、静かに流れていた。
バルサ(渡し舟)で約7~8分、パラグアイに着いた。
入国手続きが少し面倒 だったが、3ドル取られてO.K。ちょっときびしい思い。
ここの国境も、両替やパン・コーヒーを売る子供が目立つ。みすぼらしいが、決して油断出来ない。
この国の人間の顔は、一部東洋的な感じの人がいる。
11km、くねくね曲がった上り下りの狭い道を行くと、主都アスンシオンに入った。
これが主都かと思う程小さく、工場とか近代的な建物は、ない。
周囲は川の他、ジャングルである。
夜、町に入った。
変速機がまたいかれた。
あちこちの警察を回ってみたが、全部断わられてしまった。
町中で知り合った若い奴に、ホテルを探してもらい、9時半頃やっと1ドルちょっとのペンシオンを見つけた。
相部屋だが、しょうがネェ。ここのホテルは、実に高い。2~3ドルが普通。
合衆国よりどこの国より高い。
夜、奴とバーに行った。ちょっと高かった。が、たまにはこんなこともいいだろう。甘いかな?
~~~~~アルゼンチンの想い出~~~~~
一ヶ月でこの国を見るには短すぎた。
この国も生活が安定しているかの様で、裏をのぞくと随分みじめな生活も多くあった。
大草原と農園・牛・ 馬・羊、そして、そこに働く農夫(牧夫)ーガウチョーと、あのブエノス・アイレスの繁華街と、オシャレな人達、その姿がーーどこの国でもある訳だがーー特に対照的に、俺の脳裏に残っている。
一般に人々は、陰気臭く思えた。
南と北、気候の差もあるだろうが、人の気質も大分違い、北の人間は情があった。
多くの人に関心を持たれ、親切も受けたが、どこか好きになれない国だった。
警察にはよく世話になったが、一部を除いていつも何か、モヤみたいなものが心にあった。
しかし、どこへ行ってもひどく扱われたり、馬鹿にされたりしなかった事は、幸いであったし、多くの人達に関心を持たれた事は、一日本人として嬉しかった。
地平線に沈む夕日をバックに、黙々と草を食む牛や羊の姿が美れいだった。
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