「単身赴任には労働に対するケアやワークライフバランスへの配慮がなく、人権侵害」に、日本がフィンランドと比べて30年以上遅れていることを示しています。『フィンランドはなぜ「世界一幸せな国」になったのか』
『フィンランドはなぜ「世界一幸せな国」になったのか』は、日本の欠点をフィンランドの立場から指摘するビジネス書です。
「子どもの生き方を尊重して子どもへの干渉はとても少ない」「生涯学び続けるという考えが強く、学生と社会人の二分化はない」「現在の勤勉さ:労働時間の長さ×/デジタル化によって効率化して働く〇」など、世界標準のフィンランドと、最低基準の日本との違いを如実に表しています。
特に「労働が労働に対するケアとセットになっている」は、「労働時間バンク」を利用することで、日本で常態化されているサービス残業を撲滅しています。
「自分が働いた時間数→労働時間バンクに記録→超過労働を年間±100時間内に抑える」と、超過労働を管理することで正しい労働環境にしています。
「超過労働→有給休暇に変換できる→溜まった時間に使用期限はない」と、フィンランドと比べて、日本は36協定という制度疲労を起こしているシステムに依存し続けています。
政治家も、最低賃金を上げたいなら、まずは適正な労働時間の管理から始めたらいかがでしょうか。
「日本の死後離婚:夫の死後も、夫の親や親族から介護を求められることを避けるため」「日本のあいさつ運動:1人で決まっていないことを言い、考えることを閉ざすもの」「日本の出産:麻酔は使わず、呼吸法が主流という現状→60年代のフィンランド」などを通して、日本のダメダメさを浮き彫りにして、自らを変えるために必要な考え方を教えてくれます。
特に「諸外国と比べ、日本の子どもは自己肯定感や自尊心、幸福感が低い→ウェルビーイング不足」は、日本の教育の根本的な姿勢が「自信のない子ども」を生み出している原因であることを示しています。
「そもそもウェルビーイングへの配慮がなく、否定的な決めつけから出発する教育がそうした結果を生んでいる」と、「〇〇してはダメ」「〇〇しなきゃダメじゃない」と否定から入るコミュニケーションの取り方が自尊心の欠落を生み出しています。
子どもを幸福にしたいなら、日本の価値観を変える必要があるでしょう。