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「日本の刑事司法は中世」に、日本のヤバさと、既得権益に沈んでいく日本を幻視できるところが救いのない現実です。『国破れて著作権法あり 誰がWinnyと日本の未来を葬ったのか』

『国破れて著作権法あり 誰がWinnyと日本の未来を葬ったのか』は、刑事司法が日本の稼ぐ力を奪った現実を教えてくれるビジネス書です。

「米著作権法には利用目的が公正であれば、著作権者の許諾なしの利用を認めるフェアユース規定がある」「欧米はボロWinny開発者を億万長者にしたのに対し、日本は本物のWinny開発者を潰したわけである」「いろいろと新しいものが出てくるのに、まず悪い面だけを見て、それを止めることが日本では多い」など、せっかく技術で日本が世界を席巻できたのに、すべてを棒に振ってしまった日本のダメさ加減がわかります。

特に「捜査側(原文ママ)が作文した調書であっても署名をした瞬間、刑事訴訟上は自分が喋ったものと同じに扱われる」は、「日本の刑事司法は中世」と呼ばれる密室の取調室で強制的に有罪に仕向けようとする警察の謀略です。

「捜査側にしてみれば、被疑者を有罪にするための証拠である調書に被疑者に有利なことを書くわけがない」と、いくら潔白を説明しても取調室の中では無意味なのです。

だからこそ、欧米のように取調室内での弁護士の立ち合いを認める法改正をする必要があります。

これ以上、日本の膨大なえん罪を生み出さないためにも、日本は中世から脱出し、日本の刑事手続を国際水準に合わせる必要があるでしょう。

 

「日本の停滞の元凶:複製を前提とするインターネットで、複製禁止の原則を貫き通そうとしている著作権法にある」「開発者の逮捕、起訴が技術開発に与えた萎縮効果は抜群だった」「強すぎる保護が創作者の便益をかえって失わせた」などを通して、著作権法がイノベーションを阻害し、30年の停滞を招いた元凶だったことが学べます。

特に「刑事裁判官にこの国のイノベーションの最先端のことを判断させるのは絶対無理」は、「新しいビジネスモデルを考えるよりも古いビジネスモデルを死守するのに躍起になっていて、そのために著作権法が使われている」のように、既得権益を守る側に裁判所が立っている現状を示しています。

この現状を打ち破るには、この本で挙げられている提言を実行することです。

「アミカスブリーフ」「審議会の委員を中立委員のみに絞る」「取調べに弁護士の立会いを義務づける」「日本版フェアユースを導入する」の4つの提言です。

もしこの4つを日本が速やかに実行できれば、日本の停滞を解除することができるのかもしれません。

まぁ、現状では無理でしょうけど…。

 

オタクの視点から言うと、「日本のテレビ業界は相手をどうやって政治的につぶすしか考えていない」に刺さりました。

日本は基本的に一度手に入れた既得権益を守るだけに注力してしまうからです。

オタクにとって大事な同人誌も、著作権法が邪魔をして、世界一のコミックマーケットを生み出しているのに、市場規模が世界に負けているのが現実です。

テレビも同様に、オタクが好きなアニメですら、つまらない作品ばかりになって、オタク自身がアニメを視聴する時間をどんどん減らしているのです。

だからクールジャパンが失速しているのでしょうね。

 

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