「内省の時間を減らす/ネガティブにフォーカス/ノーと言う習慣/感情を押し殺す/コーチを解雇/自己啓発書を捨てる/過去を思う」など、自己啓発を真っ向から否定しているところが斬新的です。『地に足をつけて生きろ! 加速文化の重圧に対抗する7つの方法』
『地に足をつけて生きろ! 加速文化の重圧に対抗する7つの方法』は、昨今のビジネス書で言われ続けている自己啓発要素を否定したビジネス書です。
「自分らしく:何の本質的価値もない/自分が関わる人々に対する義務を果たすことに価値がある」「人生におけるあらゆるものは借り物だ」「いつもイエスと答えるのは卑屈な人間観の表れである」など、ポジティブよりもネガティブを重視した逆転の価値観を学べます。
特に「怒り:自意識の廃棄物/我慢すべきもの/一刻も早く捨て去りたいもの」は、怒りを抑えることの効能を教えてくれます。
「怒り:大人になって恥の感覚を身につけてからでないと発達しない」とあるように、大人になっても怒りをまき散らす人は幼稚と断じています。
ストア派の考え方では、「怒りを抑えることで心の平穏を保ち、バランスを崩すような嫌な記憶を減らす」ことができるとしています。
つまり、怒りを抑える技術は、大人のたしなみと言えるでしょう。
怒鳴り散らす上司を持っていた、かつての前山のようなサラリーマンは、逆に上司を「幼稚園児」と笑ってあげましょう。
「本音を追求する本物崇拝は私たちを幼稚化させる」「コーチングの危険性は、立ち止まっていることが許されないということである」「自分が何者かは他者との約束や義務によって決まるのである」などを通して、今の価値観とは違う価値観を知ることができます。
特に「小説を読めば、もっと複雑で多神教的な世界観が提示される」は、自己啓発書を読むよりも、小説を読む方が自分の成長を助けてくれることを示しています。
「小説:人生を忠実に表現/人生:複雑で出鱈目で混沌としていて多面的なもの」とあるように、小説を読めば破天荒なキャラクターたちの人生を追体験することで、人生をコントロールできないことが学べるからです。
地に足をつけたいサラリーマンは、ビジネス書だけでなく、小説も読み進めてみましょう。