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「大国は、都合の良いときだけ国際法を守る」と「平和は唱えてもやって来ない」に、日本の国防の意義を問われています。『人はなぜ戦争を選ぶのか 最古の戦争史に学ぶ人が戦争に向かう原理』

『人はなぜ戦争を選ぶのか 最古の戦争史に学ぶ人が戦争に向かう原理』は、戦争に突き進む原理原則を教えてくれるビジネス書です。

「たえず自らの力を増大させ、行使することを求めるのが人間や国家の本性なのだということ」「戦争は、我々の決意を試すものである」「過剰な称賛は嫉妬心と猜疑心をかき立てる」など、日本では知られていない戦争の本質を教えてくれます。

特に「幸福とは自由で、自由とは勇気なのだから、戦争の脅威を前に尻込みしてはならない」は、戦争を忌避するあまり、国防を犠牲にしてしまう日本に警告を与える言葉です。

「至高の犠牲とは、守るべきものがある者が、その幸福な生活を懸けて戦うことだ」と、侵略者から守るだけの気概を問われています。

日本が中国やロシア、北朝鮮から戦争を仕掛けられないためにも、平和憲法の価値観を見直す必要があります。

 

「偉大さの代償として不人気を甘受する者のことを、我々は賢人と呼ぶのだ」「利益を生むのは圧政ではなく寛大さ」「貧困は純粋な必要から人間を大胆な行為へと走らせ、権力は尊大さと自惚れによって人間を強欲へと駆り立てる」などを通して、人間心理を中心とし、事例を交えて戦争を解説してくれています。

特に「国家が弱さを見せたとき、戦争は起こる」は、メロス島の対話から導き出された戦争を仕掛けられる原理を示しています。

「国際政治において、国家間が対等というのはフィクションである」と、「対等になりたいなら、軍事力を持つしかない」と断じています。

つまり日本の20万人の防衛力では、10倍以上の規模の中国に対抗することはできないことを教えてくれます。

「なぜメロスが攻め込まれたのかというと、メロスが弱かったからである→猛烈な反撃を受けると思っていたら、アテネだって攻め込めない」と、力を持つことの利点を事例により導くことができます。

日本は、老人にお金を使うのではなく、防衛費にお金と人を使わないと、中国に攻め込まれてしまうかもしれません。

 

オタクの視点から言うと、「正戦論:自らの正義を絶対視し、相手を悪魔化する」が刺さりました。

宗教戦争のような正義の戦争を設定することで、正当化させてしまう仕組みです。

「戦争→生物学的欲求から起こる→正義のために戦うと主張」と、相手を「悪」と断じて、正義を執行する特撮ヒーローのような理論です。

「悪を滅ぼすのは当然だ」という理屈で戦争を仕掛ける、世界の警察官を自認するアメリカの得意とする理屈です。

オタク的には、アニメの戦争には燃えますが、戦争を生み出さない仕組みを作らないと、安心してアニメを観ることができそうにないですね。

 

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