少子化の原因は、未婚率上昇と晩婚化です
少子化で一つだけ留意して欲しいのは、女性に少子化の責任を押し付けないことです。『少子化 女“性”たちの言葉なき主張』を読んで、女性の辿ってきた道がかなり困難であったことがわかりました。外から「成果がない」と否定しても、実際は80年かけて少しずつ変わっているのです。
少子化の原因は何でしょう。それは、女性が「お嫁さん」よりも「働くこと」を選んだ結果です。「不況→短卒一般職採用の減少→女性の四大進学率上昇→女性総合職採用の増加→勤続の長期化→年収・地位の向上」と、社会が女性に求めることが変化したからです。
少子化の原因は、「未婚率上昇」と「晩婚化」です。意外にも、「今でも既婚女性は、1974年とそんなに変わらない程度に子どもを産んでいる」ようです。出生率の低下は、単に一人の女性が結婚して子どもを産む数が減ったのではなく、そもそも結婚しない人が増え、結婚できても結婚が遅くなり、結果的に結婚しても子どもを作らない夫婦が増えたからです。
なぜ晩婚化が悪化したのでしょう。それは、お見合いから恋愛結婚に移行したからです。お見合いなら、結婚までの期間はほとんどありません。しかし、恋愛結婚の場合は、交際期間の時間だけ、お見合いより晩婚化が進むのです。さらに、女性の地位が上昇していけばいくほど、「自分以下の男性が増える」ことで、結婚相手の候補者も減ってしまうのです。
少子化を防ぐには、結婚率の上昇と晩婚化阻止が必須です。しかし、幸福度的に言えば、結婚するメリットは結婚してから2年程度しかなく、離婚すればショックから独身よりも不幸に陥ってしまいます。もしかしたら、少子化を受け入れて、静かな衰退を許容すれば、幸せな生活を送れるのかもしれませんね。
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