で、結局、AIって何ができるの?
みなさん、こんにちは。Laboro.AIの和田と申します。こちらでは、今何かと注目を集めているAI(人工知能)について、AI開発企業に所属している立場から、みなさんにできるだけわかりやすく、その中身や今起きていること、これからの可能性などをご紹介してまいりたいと思っています。
さて早速ですが、冒頭の質問、「で、結局、AIって何ができるの?」ですが、みなさんはAI(人工知能)と聞くとどんなイメージをお持ちでしょうか。ロボット、ALEXA、AI投資、自動運転、なんとなく未来的なもの…。
実は、私のような開発側の立場からすると、世間一般で言われるAI(人工知能)という言葉には、わかりやすくイメージできる例が並ぶ一方で、少なからず誤解が含まれしまっていることを正直な印象として持っています。
" AI "は、英語で" Artificial Intelligence(人工的に作った知識)"、まさに人の脳内に蓄積された知識そのものを指すような言葉ですが、一方で「AIというネーミングが悪い(過大な妄想をもたせてしまうので)」という議論も生まれるくらいに誤解を招きやすい言葉でもあります。
では、AIの正体は何かというと、シンプルに申し上ると、実は「計算式」でしかありません。
例えば、カメラを使って人の顔を認識する機能がスマートフォンにも搭載されています。これは、シンプルに申し上げると「人の目や鼻はこういう形をしていて、こういう位置に配置されている」といった特徴を、コンピューター上で把握できるように計算式に変換&表現したプログラムが搭載されています。
私たちAI開発企業が提供しているものはロボットでもAIスピーカーでもなく、コンピューターを動かすための計算プログラムでしかありません。いわゆる「AIロボット」はこうした計算プログラムが搭載されたロボットのことですが、「AI」と呼ばれる部分は、部品で言えば、小さな半導体チップの中に登録された計算プログラムのみで、人間の脳のようにロボットの動きをつかさどるプログラムのみを指しています。ロボットそのものは当然ながら機械メーカーが作るのが通常です。
(余談ですが、私が「AI開発の企業に勤めています」と申し上げると、何人かの方は「ロボットを作っているんですか?」とワクワクした表情で聞かれます。ですが「いえ、ロボットは作っていません」とお答えすると、期待を裏切られたかのようにかなりガッカリされてしまいます。)
さて、前置きが長くなりましたが、冒頭の質問、「で、結局、AIで何ができるの?」です。お伝えの通りAIが計算プログラムとなると、ご想像の通り、その可能性は無限大にあり、この問いに正確にお答えするのは至難の技です。
ですが、私たちの会社では、AIでできることをわかりやすくお伝えするため、大きく2つのできることをご紹介しています。それは、「認識」と「予測」です。
まず「認識」ですが、これは人の五感に変わるようなものと思っていただけたらと思います。目で人の顔や文字を認識する、鼻で匂いを認識する、耳で音楽を認識する、手で物の感触を認識するといったように、あるものの存在を見つけ出すことができます。
そしてもう一つの「予測」は、人の推測力に変わるものと思ってください。過去の傾向から将来を予測することで、例えば、過去の売上から今後の売れ行きを予測する、退職率を予測する、犯罪が起きやすい地域を予測するなどがその例です。
実際には「認識」と「予測」は合わせて行われることがほとんどです。例えば顔認証カメラを使った企業の入退館システムだとすれば、まず人の顔を認識し、次にこの顔は〇〇事業部のAさんだろうという予測をするということになります。あえて認識と予測とを分けているのは、これらは全く異なる計算プログラムで、技術としては別の分野の知見が必要だからです。
さて、かなり簡単でしたが、今回はAIの正体と、できることとして「認識」と「予測」という考え方についてご紹介しました。
上の図を見ていただくと、「認識」と「予測」それぞれの周辺にさらに色々とできることが書いてあります。次回はこの部分、AIによってできることをもう少し深掘りしていきたいと思います。
---ここから下は、私が務めるLaboro.AIのご紹介です----------
(株)Laboro.AIについて
オーダーメイドのAIソリューション「カスタムAI」の開発・提供を事業とする、AIスタートアップ企業です。アカデミア(学術分野)で研究される最先端のAI・機械学習技術のビジネスへの実用化をミッションに、業界に隔たりなく、様々な企業のコアビジネスの改革を支援しており、その専門性から支持を得る国内有数のAIスペシャリスト集団です。
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*本文掲載の画像はflickrから引用しています。
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