ディープインパクト【素敵な建築確認申請書】番外編・建築基準法改正
(2898文字)
こんばんは。
今日は、建築基準法の改正の話です。
かなり専門的な話になりますが、建築確認の業務をされる方にとってはとても大切なのでこちらに記しておきますね。
もうご存知の方もいらっしゃると思いますが、先日4月22日に閣議決定がされた建築基準法改正。
これには衝撃が走りました。
「特例」の変更です。
私がこの仕事を始めた頃、20年前からすでに「いつかはこの特例制度は廃止される」言われていたのですが、今回とうとう決まりました。
法律の施行は、公布後3年以内と決まっていますので、遅くとも3年以内には施行されます。まだいつから施行されるか分かっておりません。
しかも今回公表されたものは、建築基準法だけで、建築基準法の施行令などはまだ分かっておりません。なので、概要しかお伝えできませんが、最低限これは抑えていてほしいという場所に絞ってお伝えしますね。
それでは、まず今回の改正の重要事項について。
①法6条(確認)→厳しい
②法6条の4(確認の特例)→厳しい
③法28条(採光の緩和)→緩和です
④法7条の6(使用制限)→厳しい
⑤法20条(構造耐力)→ルート1の拡大
⑥建築士法第3条(一級建築士の業務範囲)→二級建築士の業務の拡大)
ちょっと多いですがどれも大切なことなので列記しました。
一つずつ解説します。
①法6条(確認)→厳しい
②法6条の4(確認の特例)→厳しい
今まで「四号」建築物と言っていたものが大きく変わります。
参考までに書きますと
この「四号」のおかげで設計者の負担はかなり軽減されていたのです。
なぜ「四号」が良いかというと、法6条の4に「確認の特例」というものがあって、「四号」建築物を「建築士」さんが「設計」をすると、建築確認申請を提出する時に免除される図面がたくさんあるからなんです。
免除されるといいましても、図面をかかなくても良いという意味ではないので最終的には同じなのですが、まだ契約もしていないうちに確認申請が必要な場合もあります。そういった時にそこまでの図面をかくのは厳しいってのが現状だと思います。
今までは木造2階建ての場合、延べ面積500㎡までは「四号」建築物でしたが、これからは「(新)二号」建築物となります。そして「特例」からも除外されます。
「一号:別表1の特殊建築物で100㎡を超えるもの」は、変わっておりません。
ところが、今まで「二号(木造)」「三号(木造以外)」だったものがなくなり、今後は
「(新)二号:2以上の階数か延べ面積200㎡を超えるもの」となりました。
木造、木造以外に関わらず、
階数が2以上 又は
面積が200㎡を超えると
「(新)二号」になります。
そして、今まで「四号」だったものは「(新)三号」となります。
そして特例を受けることができるのは「(新)三号」です。
つまり、木造であっても、2階建てや平家だったとしても200㎡を超える建物は、住宅を含めどんな建物でも、建築確認を申請する時には
採光、換気(排煙)検討図
設備図
地盤調査
構造図
などが必要になってきます。
そしておそらく審査日数も「7日」→「35日」
それに伴い、審査側も審査人数が足らなくなりますので、人員を増やす必要があると思われます。
1年間に「特例」のある物件と「特例」ない物件それぞれに審査件数に応じて必要最低人数が省令に決められております。間違いなく私の勤めている会社では人員が足りなくなります^^;
ここまでが今回の改正の一番の肝となる部分です。
③法28条(採光の緩和)→緩和です
これはまだ施行令が出ていないので詳細は書けませんが、保育所や小学校など、照明の明るさによって緩和されます。住宅でもきっと同等に「1/7」→「1/10」になるではないかと思われます。
④法7条の6(使用制限)→厳しい
これはあんまり関係ない方には不要な話ですが、今までの「四号」建築物では使用制限というものがありませんでした。具体的にいうと完了検査が終わっていなくても建物を使っても良かったのです。例えば荷物を先に入れるとか、人が住んでいた状態で完了検査を受けるとか。
ところが今後は「(新)三号」だけが今まで通り、使用制限はかかってきません。なので、住宅だからといっても2階建てになると「二号」になりますので完了間前に入居することはできません。どうしても入居する場合は「仮使用」が必要となります。気をつけてくださいね。
⑤法20条(構造耐力)→ルート1の拡大、構造計算物件増加
今までは「木造で高さが13m、軒高が9mを超える建物」は許容応力度等計算(通称「ルート2」)が必要でしたが、
今後は
「木造で階数が3以下で最高高さ16m以下であれば許容応力度計算(通称「ルート1」)で良いことになります。
ちなみに木造の場合、今後は
地階を除く階数が3以上 又は
延べ面積300㎡を超えるもの
は構造計算の添付が必要になりますので、特に注意です。
⑥建築士法第3条(一級建築士の業務範囲)→二級建築士の業務の拡大)
これも建築基準法の改正にあわせて変更されたものと思われます。
一級建築士でなければならない設計、監理
木造の場合は
高さ16mを超えるもの 又は
地階を除く階数が4以上のもの
となります。
つまり、二級建築士の方は、
高さ16m以下 又は
階数が3以下
まで、設計、管理ができるようになりました。
以上が現在分かっている特に重要と思われる箇所です。
最後にまとめておきます。
①法6条(確認)
②法6条の4(確認の特例)
「階数が1」か「延べ面積200㎡以下」であれば引き続き「特例」。
それ以外は、「特例」なし。
③法28条(採光の緩和)
住宅でも照明器具の照度によっては「1/7」から「1/10」が可能
④法7条の6(使用制限)
「特例」物件以外は、完了検査前に使用することはできない。
⑤法20条(構造耐力)
木造で階数が3以下、高さ16m以下であれば許容応力度計算(通称「ルート1」)でOK
ただし、木造で階数が3以上、延べ面積300㎡以上は構造計算書の添付が必要
⑥建築士法第3条
二級建築士ができる設計、監理は木造の場合
高さ16m以下 又は
階数が3以下
まで可能
賛否はあるかと思いますが、クレームは国土交通省までよろしくお願いします^^;
これからの施行日に注目です。
最後までお付き合いありがとうございました。
知ってました?
私は建築確認をメインにnoteを書いております。
決して、「毎日歌っている人」ではありません^^;
いや、むしろ逆?
私は毎日歌っています。
決して、「建築確認をメインにnoteを書いて人」ではありません^^;
と思われないように建築確認の記事を書きました^^;
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