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変動金利の利用者必見! 金利上昇時の備えはいくらあれば安心?

どうも、モゲ澤です! 最近はマイナス金利解除時期の見通しが報道されるなど、金利上昇に関する世の中の関心が急速に高まってきています。

私も以前からお伝えしている通り、マイナス金利は異常事態なのでいつかは終わります。ただ、マイナス金利が解除されたとしても、固定金利よりも変動金利のほうが有利であると、これまでもお伝えしてきました(こちらのnoteなど)。

ですが、トータルで変動金利のほうがお得だからといって、金利上昇への備えをしなくていいわけではありません。このようなご質問もいただいています。

金利が上がるとどれくらい返済額が上がる?

そこで今回は、金利上昇時に返済額がどれくらい増えるのかと、それに対してどう備えるかについてわかりやすく説明していきます。

過去の金利上昇ではどれくらい上がった?

金利の動きは経済の状況と関連しています。まずは日経平均株価の過去の推移をみてみましょう!

日経平均株価の推移

オレンジ色=好景気、青色=不景気の時期ですが、交互に来ていることがわかりますね。一般的に、好景気のときには景気過熱を防ぐために金利は上昇傾向になり、不景気のときは景気を刺激するために金利が下がります

短期プライムレート(短プラ)は日銀の政策金利と連動し、また短プラをベースに住宅ローンの基準金利が決められます。短プラは過去30年間でこのように推移してきました。

短期プライムレートは過去30年間で2回上昇

短プラは2回上昇した時期があり、2001年頃に約7ヶ月間にわたり0.125%の金利上昇が、また2006年から27ヶ月間にわたり0.5%金利上昇しました。1回目と2回目の金利上昇の間隔は5年、そして2回目からは15年間金利が上がっていません。

この2回の利上げを踏まえると、日本では利上げしている期間は18ヶ月程度、そして約10年のサイクルで利上げがきています。

あわせて注目される米国の政策金利についても調べてみました。

米国の政策金利の動き

日本よりも上下への動きが大きいですね。また、過去20年間で高金利が12年間、低金利が8年間ありました。金利が高いイメージがある米国でもずっと高いわけではなく、3分の1は低金利なのです。低金利時代は0.25%とほぼゼロ金利であり、米国でもこのようなサイクルがあると知っておいていただければと思います。

日米を比べると、米国のほうが利上げサイクルは短く、利上げの期間も長いです。そして利上げ幅は10倍もの差があります。

利上げの日米比較

ここに日米の経済成長力の差が表れています。利上げは景気の過熱に対するブレーキなので、経済成長力が低い日本は利上げの頻度も幅も小さいという宿命があるのです。

現実的かつコンサバなケースでのシミュレーション!

以上を踏まえて金利シミュレーションの前提を定めていきましょう。よく、借りた直後に金利が急上昇し、そのまま35年間上がりっぱなし・・・のようなシミュレーションもありますが、これだと景気サイクルをガン無視してしまっています・・・。そのような非現実的な前提ではなく、景気サイクルを踏まえた現実的な金利シミュレーションを実施したいと思います。

非現実的なシミュレーションの例

現実的な範囲で悲観的に考えた場合がこちら。これまでの日本よりも利上げサイクルが短く、利上げ期間が長く、そして利上げ幅は大きくしています。(個人によってリスクシナリオの前提の置き方は異なると思います。これ以降は、このような前提を置いた場合にどうなるか、という視点でご覧いただければと思います。)

今回検討するリスクシナリオ

2050年の世界GDPランキングは、日本が8位まで順位を落としていくのに対して、米国はトップ3を維持すると予想されています(1位と2位は人口の多い中国とインドです)。経済成長力の差を考えれば日本では米国ほどの利上げはないと思います。

このシナリオをグラフにすると金利の推移はこのようになります(低金利の期間は金利0.5%としました)。

今回のシミュレーションの金利推移

10年ごとに◯万円を備えておくことが大切!

それでは早速、元本3,500万円を借りた場合をシミュレーションしてみましょう(計算がややこしくなるため、今回は5年125%ルールを考えずに検討します)。

2024年から借りた場合の景気サイクルは具体的に次のようになります。

低金利と高金利が交互にくるシミュレーション

その場合、変動金利の毎月返済額は次のようになります。

各サイクルでの毎月返済額

低金利の時代は9~10万円、高金利の時代は11万円前後になります。最初のサイクルでは、低金利→高金利となると毎月2.7万円返済額がアップします。

これを高金利期間の3年分を合計すると約100万円。サイクルは10年ごとに来ますから、10年ごとに100万円の支出増への備えが必要となります。この原資の準備のために重要なのは、今からしっかり投資をしておくこと。以前からお伝えしていますが、変動金利と投資はセットです! 10年あれば運用がプラスになる可能性は高く、投資で将来の金利上昇に備えるのが非常に大切です。

なお、最初から固定金利で借りた場合も気になる方がいると思いますので、変動金利と固定金利で支払う金利総額を試算してみました。

固定金利の金利はリスクシナリオの2倍

リスクシナリオでは、変動金利で金利上昇しなかった場合よりも約300万円金利が多くかかります(10年間ごとに約100万円分かかるとお伝えしましたが、それが35年間では3回くるため)。

一方、固定金利の場合は金利総額が1,264万円となります。これはリスクシナリオの2倍であり、以前からお伝えしているように、固定金利を選ぶのは現実的には良い選択肢ではないと私は考えています。(繰り返しになりますが、リスクシナリオの置き方が異なると、もちろん結果も異なります。)

以上、変動金利が上昇した場合にどれくらいの備えが必要なのかを解説してきました。投資で金利上昇に備えていく具体的な方法は、以前のnoteもあわせて読んでみてくださいね!

今後も金利情報やお得な住宅ローン情報を発信していきますので、ぜひフォローやスキ!をいただけると嬉しいです♪

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