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夫婦で住宅ローンを組むメリット・デメリット【ペアローン・連帯債務・連帯保証】
どうも、モゲ澤です! 近年は年収が上がらない一方で、不動産価格は大きく上昇していますよね・・・。ゆえに、「物件価格が年収の何倍か」を意味する「年収倍率」は上昇傾向にあります。
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全国では、2012年には新築マンションで6.5倍、中古マンションでは4.6倍でしたが、2021年には新築で8.9倍、中古でも6.5倍に上昇しています。特に東京の新築マンションは14.7倍と手に届かないような状況です(2023年の年収倍率はもっと高いかと思います)。
これを受けて夫婦2人で住宅ローンを組むことを検討する方が増えている印象を受けます。
夫婦2人で住宅ローンを組んだときの2つのリスク
ではまず、夫婦2人で住宅ローンを組む際に最も重要なことから説明していきます。それは「2人で住宅ローンを返すときのリスク」です。
1つ目は夫婦共働きではなくなること。例えば育児や介護が生じたときに、妻が仕事をやめ、収入が夫だけになってしまう場合があります。実際このパターンは結構多く、共働きでなくなった場合でもちゃんと返済を続けられるかを事前に確かめておくことが非常に大事です。
2つ目は離婚した場合。離婚したとしても、住宅ローン返済をどちらか一方に寄せることは簡単にはできません。銀行としては「あなたたちは二馬力だからお金を貸したのですよ。一馬力は認めません。」となる訳です。ゆえに、1人がローン返済を延滞した場合、もう1人が(離婚しているにも関わらず!)肩代わりする必要が生じるなどのリスクもあります。
つまり、夫婦でローンを組むなら、長期間にわたって夫婦で返済し続ける覚悟があり、腹をくくれるかがとても重要なのです。
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不安があるなら、返済に余裕を持たせた予算に減らすか、単独返済にしてリスクヘッジをしたほうが良いと私は思います。
税控除を2人分得られるのはペアローンと連帯債務
2人でローンを組むと、「住宅ローン控除のメリットが2人分取れる」という大きなメリットがあります。夫婦で住宅ローンを組む際には次の3パターンの組み方があるため、その特徴と一緒に説明していきますね。
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「ペアローン」「連帯債務」は債務者が2人で、配偶者の年収は審査に100%加味されます(夫婦とも債務者なので、これは当然です)。ですので借入額を大きく伸ばすことができます。また物件の所有権は夫婦共同です。ただローンの本数は異なり、ペアローンは夫婦それぞれでローンを組み、連帯債務は1本のローンを2人で返すことになります。なお、ローンの本数は印紙代の違い程度であり、1本か2本かで大きな差は無いと考えてよいかと思います。
「連帯保証」は大きく異なり、債務者は1人です(もう1人は「サポーター」のようなものだと思ってください)。配偶者の年収が審査に加味される程度は銀行によって50~100%と異なり、ローンの本数は1本です。物件の所有権は主債務者の単独になります。
税控除は債務者の数と対応しているため、ペアローンと連帯債務は夫婦2人とも税控除があり、連帯保証の場合は主債務者のみです。
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ですので、夫婦で税控除を取るためにはペアローンまたは連帯債務で住宅ローンを組みましょう。
ただし、税控除は所得税・住民税からの控除です。配偶者の年収がゼロになると所得税・住民税がゼロになり、税控除もゼロになってしまいます(これには要注意!)。つまり、2人分の税控除を狙うなら夫婦ともに働き続けることが前提です。
団信の保障範囲は要確認!
債務形態に加え、団信も大きく異なります。
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ペアローンはそれぞれでローンを組んでいるので、亡くなった方のローンはチャラになり、自分のローンをそのまま返すことになります。
連帯債務の場合は銀行によって異なります。団信で保障される金額が、夫と妻で10:0とできる銀行(つまりどちらか一方だけに団信保障がつく)と、8:2など按分比率を自由に変えられる銀行があります。片方が亡くなった場合は、団信でカバーされなかった部分のみを残されたほうが返していくことになります。
連帯保証では、夫が亡くなった場合はローンがチャラになります。妻が亡くなった場合は夫が返済を続けることになります(なお、夫が主債務者として説明しましたが、妻が主債務者の場合は逆になります)。
ペアローンや連帯債務で妻にも保障を按分した場合は、夫が亡くなった場合に妻にもローンが残る点は注意点です。夫が亡くなった場合に、妻にローンが残っても返済を続けられるかどうかを確認しておく必要があります。
ローンの按分の考え方は3Stepで
2人で住宅ローンを組む際は、夫と妻で半々にするのか、それとも7:3のようにどちらかに多く寄せるのか、按分を決める必要があります。これも夫が死亡したときに、妻が返済し続けられるかを考えて判断するのが重要です!
そのため次のような考え方で進めるとよいでしょう。
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基本的には高年収で長期間働く側(メインで返済する主債務者)にできるだけローンを寄せることから始めましょう。
ただし、寄せすぎると配偶者の税控除が満額取れないなど、メリットが削られる場合があるため、Step2ではその調整を行います。
その上で、Step3で主債務者が死亡したときでも家計が回るかを最終チェックしましょう。不安要素がある場合は、ローン借入額を調整する以外に、主債務者が団信以外の死亡保険に入ることも一手です。
どのパターンで組むかは税控除・所有権・団信の3点で検討
上記を踏まえ、夫婦2人でローンを組む場合にはどのパターンで組むのがオススメかをまとめてみました。繰り返しになりますが、税控除・所有権・団信の3点から考えましょう。
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2人分の税控除を取り、所有権も双方が持ちたい、そして主債務者が死亡した場合に配偶者にローンが残ったとしても返済していけると考えるなら「ペアローン」または「連帯債務(団信比率は8:2などの按分)」でいいでしょう。
一方、2人分の税控除を取り、所有権も双方が持ちたいが、主債務者が死亡したときには住宅ローンをチャラにしたいという場合には「連帯債務(団信比率は10:0)」を選ぶのが適切です。ただし、そうできる銀行は限られます(ぜひ、銀行に問い合わせてみて下さい)。
配偶者はあくまでもサポーター的な立ち位置で、税控除なし、物件の所有権は単独、配偶者死亡時の団信保障は不要と考えるのであれば「連帯保証」を選ぶのでよいと思います。
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