本屋業界から調剤薬局の今後を考える
本屋と調剤薬局。
一見関係なさそうな2つの業種に関して、意外と共通点があるのだと以前のnoteで綴りました。
結論としては公的に価格が定められている点だと述べています。
今回の記事は、書店業界が辿ってきた道を薬局が辿るかもしれないとの視点で展開していこうと思います。
書店業界のこれまで
「紙の本が売れない」
「本屋が減っている」
出版に精通していなくとも肌間隔で多くの方に伝わっていることでしょう。
事実、紙の本の売上も書店数も右肩下がりが続いています。
原因として挙げられるのがインターネットの普及です。
ネットにより情報が簡易的に素早く得られるようになったことで雑誌は影響を受け、Amazonを始めとするネット販売によってリアル書店での売上が侵食されたとも言われています。
加えて電子書籍も紙媒体を扱うリアル書店からすると侮れない存在です。
「金太郎飴書店」
どこも似たような品揃えだと揶揄する表現として使われています。
本を置くだけで売れていた時代はそれでよかったのかもしれませんがネットで気軽に、しかも配送料なしで買えるとなれば何かしらの手立てを打たなくては太刀打ちできません。
定期的に情報発信をしたり、品揃えに特徴を持たせたり、店舗でイベントを開催したりと経営を成り立たせるために様々な工夫をされています。
調剤薬局の今後
2021年、調剤薬局の数は全国で60000軒を突破しました。
軒数の比較としてよく用いられるのがコンビニエンスストアです。
上の記事の筆者が述べられている通り、コンビニより多かったら何なのかと思うところもありますがそこはさておき。
利用する患者さんの視点で薬局とは「医師から処方された薬を受け取るところ」であり、利用する薬局を選んだ理由としては「受診している病院・診療所から近いから」が半数以上を占めています。
患者のための薬局ビジョン実現のための実態調査報告
薬剤師という人のファクターも関わっているものの、どちらかというと病院やクリニック、自宅からの距離が大きな要因です。
保険調剤を行う一般的な薬局だと価格はおおよそ同じで、利用する側からのイメージも統一されている。
どこも似たり寄ったりで、ある意味「金太郎飴」化しているといっても過言ではないと思います。
紙媒体の処方箋。
令和5年1月より電子処方箋たるものが運用開始の予定です。
仮に④本人確認を薬局に足を運ばずとも行えるのであれば、受診をした後に薬局に寄らず、自宅にてオンラインで薬の説明等を受けて配送にて薬を受け取ることも可能になります。
オンラインで診療を受けるなら薬局での対応もおそらく大半がオンラインを希望されるはずでしょう。
オンライン診療やオンライン服薬指導が普及し、オンラインで24時間処方箋を受け付け、おまけに配送料なしで対応してくれる薬局が現れると今存在する薬局への影響も少なくない気がしています。
かつての書店業界にとっての黒船がAmazonだったように、薬局業界にも脅威が訪れるかもしれません。
オンラインとリアル店舗。
薬局と書店の生き残り戦略に通ずるところがあると感じました。
もしかするとこの先、健康イベントを定期的に行う薬局やオリジナル薬袋といった薬局独自のものを打ち出すところが増えるかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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