中村崇士

オランダの Groningen (グローニンゲン)市に暮らしている、日本出身の男性です。最近久しぶりに時間にゆとりができたので、好きなことを書いてみたいと思います。久しぶりに日本語を使うのでちょっとドキドキしています。この町から出ることさえない人の非常にローカルな話だけど。

中村崇士

オランダの Groningen (グローニンゲン)市に暮らしている、日本出身の男性です。最近久しぶりに時間にゆとりができたので、好きなことを書いてみたいと思います。久しぶりに日本語を使うのでちょっとドキドキしています。この町から出ることさえない人の非常にローカルな話だけど。

最近の記事

あの人の意見

オッサンになってくると楽になることも多いですね。特に試練をくぐってきた人の話なんかは、自分のことさえ他人事のように見えてる(客観的にみえてる)のかもしれないねーっという、引き込む力がありますよね。昨日、荒川洋治の最新詩集『北山十八間戸(Kitayama Juhachikenko)』なんか読んだんだけど、日本語にはそもそもしかし、井筒俊彦ばりの隠喩の世界が広がっていて、それがむしろニュアンス・ニュアンスの綱渡りをしているように見えます。パリっとしていない! 完全に翻訳不可能。僕

    • 耳の終活

      脳梗塞の後遺症のために、父の耳は聞こえません。昔は父の最も好きだったベートーヴェンの交響曲第七番を大きなステレオ装置の前で指揮してくれたこともある、ユーモアたっぷりの父なのですが、耳が聞こえなくなってからは用心深くなり、心も硬直してしまったように見えます。かつて同じ音楽を聴いていた経験、例えば、母が弾いてくれるピアノの発表会の曲などを、僕たちは心に共有していて、僕は今も聞こえるまま、父のほうは聞こえないまま生きています。それって、面白いことだなと思います。あたかも耳にも寿命が