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【マクロビ事始め】序
これから7回に分けて、マクロビオティックについて書いていきます。
私は今から30年程前に、このマクロビの世界を知りました。そして縁があり、その業界で働くことになりました。
30年前というと、まだ一般的にマクロビという言葉は浸透していなく、実践している人は「玄米正食」と呼んでいました。この呼称は、マクロビの創始者である桜沢如一氏が提唱していたものです。
当時は、日本にマクロビの食材を扱う店が数えるほどしかありませんでした。西荻窪の長本兄弟社(ホビット村)、荻窪のグルッペ、ナチュラルハウス、配達では大地を守る会があるくらいと記憶しています。
私は、荻窪グルッペで働きました。店頭での無農薬野菜の販売から、2トン車を改造したトラックで団地周りをする「引き売り」や、配達などをやっていました。
当時は、桜沢如一、久司道夫、東城百合子などの先駆者たちの著作を読むことがスタートで、マクロビの目指すものは世界平和であることを学び、その根本は「食」にありという思想を本気で実践していました。そういう思想に共感する人が集まり、無農薬野菜の販売をしていたと言えばいいでしょうか。
毎日、玄米菜食のまかないが出るので、健康そのものでした。それでも、雨や雪の日に、トラックから野菜を詰めた段ボールを団地の駐車場に並べ、拡声器で呼びかけても誰も来てくれない日などは、カッパから流れるのが雨だか涙かわからない日もありました。
最近のマクロビブームを見ていると、少々違和感を感じます。
レシピ本もカラーでおいしそうですが、そもそも食材や調味料が日本のものではないものが見受けられます。マクロビは発祥の地である日本よりも、アメリカやヨーロッパですっかり根付いてしまっているので、レシピも欧米に倣っているのかもしれません。
マクロビの原点は日本です。マクロビでも、いまだ欧米にあこがれを抱いているようなら恥ずかしいことです。
カッコよくなり、オシャレになって一般的に普及したのは本当に喜ばしいですが、一方で、表面的なファッションではないだろうかと心配しています。ファッションは流行なので、ブームが下火になった時に、誰もマクロビのことを考えなくなるのではないかと。
それではもったいない。せっかくここまで市民権を得てきたのですから、もう一度、マクロビの原点を見直し、あなたの価値観を変えるかもしれないマクロビのお話しをしたくなりました。
これから私の経験談を中心に書いていきます。30年前の話は古いかもしれませんが、マクロビの原点は何も変わっていません。
ご興味があれば、ぜひご一読をお願いします。