見出し画像

緩やかに閉じる。

日本ファシリテーション協会九州支部定例会が基山フューチャーラボで開催されるということでお邪魔してきました。

ここにくるのはコロナ以来かな。
いつ聴いても代表の鷲尾さんのゆるさに心がほぐれます。

2015年、消滅可能指定都市として指定れた佐賀県基山町。
2024年、その指定から脱却。

前の記事でも書いたようにそもそも「消滅可能都市」なんてワード、役人が作った定量評価だけで推測ったどうでもといいなんの根拠のないワードという持論はあります。(厳密にいうと民間の有識者グループ「人口戦略会議」という役人が作った組織)
まぁそれはさておき。

基山町が脱却となった、その核となったは基山フューチャーラボだと思っています。
ではなぜ、それが可能だったのか。

この10年の戦略をお伺いしました。
「戦略は持ってなかった。今も持ってない」
「鷲尾さんのつぶやきを僕たちが拾っていただけ」

これは衝撃でした。
「戦略は持たない。成り行きに任せる」

そのゆるさは「学びをやめない」というブラさず活動を続けていくという太く、強いパーパスの元に成立していました。
パーパスに真っ直ぐに10年近く活動を続け、今やその存在はまちのアイコンとなり、必要不可欠な”場”となっている基山フューチャーラボ。

そして、その話の中でなぜ法人格を持たないのかとの質問に
「緩やかに閉じる」「敷居をちょっと高くする」
というワードでお答えになりました。

これにも驚きました。

人を呼び込んで関係人口を増やす。
そのためにできるだけ場をオープンにし、誰でもこれる”場”を創る。
これはその地域を活性化させる王道。

しかし、基山フューチャラボはそうではありませんでした。

「法人格をあえて持たない理由にゆるく閉じていたいとの想いがある。自由に活動したいし、そこは何者にも左右されたくない。」
「継続性も担保したいので、マネタイズは補助金など取らずに自分たちでどうにかする。それによりオープンにする必要性が生じない」
「活動の仲間になる場合は、鷲尾さんの面接が必須。お断りすることも多くある」

主婦に酒屋の店主に元酒造メーカーの発酵研究者。
専門家ではない”ただの飲み友だち”の3人。
それでもまちを再構築する、その担い手として十分すぎる役割を果たしている基山フューチャーラボ。

おらがまちへ若い子に移住してもらって、そしてその感性でまちのリ・ブランディングを!
専門家に来てもらって伴走してもらって、まちを活性化させる!
なんていうのが社会の通説。

みんな僕より先輩のご年齢。
失礼ながら言わせてもらいますが、おばさん、おじさんでも、素人でもまちをリ・ブランディングできる。
そんな基山の事例はもしかしたら全国の地方の皆さんに勇気を与え、ヒントを与えているのではと感じました。
だから全国からこの”場”に足を運び、この3人と話をして、何かしらのヒントをもらって、また自分たちのまちに帰っていく。
そんな現象が10年近くも続いているんだろうなって思いました。

専門家や若い感性でデザインするまちでなく、そこに暮らし営んでいる人たちが「ゆるく閉じながら」まちをデザインしていく。

これって理想ですよね。
全国こんなまちが増えたら僕のような仕事は無くなっていくんだろうけど、絶対そっちの方がいいと思っています。

今日もちょっと喋りすぎました。
なのでこの辺で。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?