ビートメイキングの方法論
機材を買い揃えてDAWも買って、プラグインも揃えて使い方も覚えたのに、”ワンループは作れるけれど、一曲作る事が出来ない”っていう人は結構います。かつての私がそうでした。
ネットの世界にはDTMの講師を名乗る人が沢山います
どうやって作っていくかを知りたくて作曲方法を書いた記事を読んでみたりしますが、ほとんどの場合楽典を説明したり、『難しいと思うから出来ないんだ!まずは一曲作ってみよう!他の人の真似をしよう!』みたいな、なんの意味も無いような説明で終始したりします。
”難しいと思うから出来ないんだ”みたいな心構えだけ教えて、
<ここから先は有料です>
なんて事書かないんで、ちょっと長くなりますがこの記事を最後まで読んで実践してもらえたら最低でも”ワンループしか作れない”状況からは脱出出来ます
知識の要らないビートメイキング方法
bpm 120
起承転結を意識して8小節を4つ作ります
音色はピアノだけで大丈夫です
特徴的な音色や音程が上下するものは避けて下さい
音楽理論を殆ど知らなくて大丈夫です。メジャー、マイナースケールの構成音(ドレミファソラシドの並び)が分かればOK。譜面かけなくてもメジャーとマイナーが聞き分けられればOK
ドラムはハイハット、キック、スネアだけ、ベース抜きで起承転結を意識して4種類の性格の違うループを”同じスケール内の音”で作る事に集中してください。
ドラムでループ作るときは典型的なもので
4小節単位で完成されたループサンプルがあれば、それを使用してもいいです
HIPHOPのビートを作っていて、鍵盤を全く演奏出来ない場合は、既存の楽曲か、コード進行を感じられるある程度長いループを”響が変わったタイミング”でサンプラー(もしくはサンプラー的な使い方が出来るプラグイン)でチョップして自由に叩いてみてください
重要なのは起承転結の4種類のループを作る事です
始まりーー流れを受けて発展ーー変化を加えてーー終わりに向かう
既存曲を鍵盤やギターで演奏出来るけれど、理論は分からない、コードの理解は無い、という場合は5度(俗にいうパワーコード)で”コード進行っぽい流れ”を作るだけで良いです
ドラムはワンループのサンプルを再生してるだけでもOK
基本は、この4つの性格のループを繋げて、メロディーを足すだけです。
音を足すのに不協和音や無駄な重なりを避けて複雑にしていく過程で効率をよくするのに”皆が平均的に持っている感覚に名称を付けたもの”が音楽理論です。
メロディーを乗せてみる
4つの性格の違うループが作れた後は、それを再生しながらメロディーを演奏してみます
メジャーかマイナーかキーが分かれば、手探りでいいのでキーを探します。
この時、絶対音感なんてなくて大丈夫です
”再生しながら鍵盤を押して、<なんだか響が気持ち悪い>音を除外していく”と、”自分が作った進行の音と矛盾しない、何だか響の良い音”が見つかります。その音を並べて、メジャーかマイナーか分かれば必然的に何キーかわかります
後はその”何だかんだ響の良い音”だけを使って納得いくまで組み合わせてみて下さい。
この時、スピードを意識する必要はありません。どこかの天才演奏家みたいに高速で音を並べる必要はないです。1小節に1音でも良いので”響の良い音”と感じる音を重ねて下さい
”音を抜く”事を覚える
ドラムループに進行を作ってメロディーまで乗せたところまで出来ると
全てを通しで聴いた時に
”何だかこのあたりで音がゴチャついてるな”と感じる部分が出てきます
(全く問題なければそれはそれでOK)
ゴチャついてる、何だか重なり過ぎてるな、と思ったら
ドラム、コード、メロディー、どれかを消してみて下さい
場合によっては4小節、8小節、と長い単位で消しても良いです
雰囲気を変えたい時にドラムを8小節単位で消すか、単純化すると効果的です
自分の中の正解を聴き分けるのが大事
上記の順に組み立てて行くとある程度形になります
各工程のポイントで大事なのは
”始まった感じがする、ちょっと流れが変わった、エンディングを迎えた”
”何だか合わない、濁った感じがする、ゴチャッとしてる”
”しっくりくる、スムーズな感じがする、スッキリした”
と、音の組み合わせに自分の感想を持つ事
何度か作曲した上で理論を勉強すると、面白い様にこの”貴方なりに身につけた音に対する感覚”が理論に当てはまってます。
誰かが作ったルールに音を当てはめるのが作曲ではないと私は思います。
貴方がどうしたいかを最優先にして音を組み立てて下さい
それが作曲です。
この流れで作曲することに慣れたら、後は複雑化させて行くだけです
起承転結を起承承転結、起承転結起結、起承転転結と、組み合わせを変えたり、途中で転調させてみたり、進行を複雑に変化させたり工夫して
自分なりの正解を創り出して下さい。