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sonicware smpltrekを使ってみた感想

sonicware社のsmpltrekはsp404mk2と比較されたりする事が多いサンプラーですが、実際に使ってみるとだいぶ方向性が違う機材と感じました
SP404シリーズはいわゆる“ポンだし”、サンプルを各パッドに割り当てて鳴らす機材ですが、smpltrekの方は各トラックの録音データの有無がディスプレイに表示され、携帯出来るDAWのように使えます

PCで使用するDAWソフトの様な細かな編集は出来ませんが、予め設定した小節の範囲でMIDIやオーディオの録音が出来て、ボリュームやパンの調整、基本的なエフェクトをかける等が可能なので、ひと昔前の”デジタルMTR”を更に使い易くDAWっぽい操作感にした感じです
ableton liveのセッションビューのクリップの配置に似てます
各クリップはコピペが出来るので、後から配置変更が出来ます。

同時に使えるエフェクト数に限界はありますが、resamplingが可能なので、
”MIDIで打ち込んでエフェクトかけたクリップをオーディオデータに変換”、という使い方も出来ます

インターフェースは標準プラグで各LRに分かれてIN OUT、5ピンMIDIプラグ

画像のMIDIプラグ部分にはWIDI masterというMIDIデータを無線で飛ばせる送受信機が刺さってます。これを使うと無線でキーボード演奏出来たり(場合によってはもう一個WIDI masterが必要)、PCのDAWで操作出来ます。

自分は標準プラグからミニプラグに変換して、他の機材と繋ぐときにアナログシンセのパッチケーブル使ってます
ケーブル細いと取り回しが楽なのでオススメです

usbはMicro-B
外部に電源は供給しないのでUSB端子しかないMIDIキーボードは直刺ししても使えませんが、同じsonicware製品のelz_1は間に変換アダプター入れるとMIDIデータの送受信出来ます(公式確認済み、自身でも試して確認済み)


ツマミは小っちゃいけど、意外と操作しやすい

ツマミは初めて見たときは小っちゃいなーと思いましたが、使ってみると意外と操作しやすいです。
A,B,C,DとVALUEのツマミは押すことでも操作でき、操作ページ毎に機能を割り当てられてます。

一番下のパッドは主に演奏データ入力用
NI社のmaschineに付いてるパッドと感触が似てモチッとしてます。
ベロシティ入力に対応していて、結構機敏に反応してくれます。
ドラム入力時に反応の不満を感じたことは特にないです

キーを入力するときは1オクターブしか幅がないので困りましたが、WIDI masterを使って他のキーボードから入力したり、KORG のnanoKEY Studioなどを使うと携帯性を損なわずに演奏出来ると思います

不満点をあげるとしたら、細か過ぎて使用した事がある人しか伝わらないと思いますがGLOBALトラックが結構使い難い。特定の再生方法でGLOBALトラックだけ音が鳴らない等の仕様は微妙です。

あと、鳴らせる音は基本的に“取り込んだサンプルに音階を付けて鳴らす”という仕様なので、使っているうちにサンプルの数が増えていくのですが、保存していたフォルダ内サンプル数が200超えたぐらいで挙動が重くなりました。
これは想像ですが、instトラックで開いているサンプルが保存されているフォルダ内部のデータをページを切り替える度に読み込んでいるのではないかと思う。試しにフォルダ内のサンプルをPCに移して、smpltrekのSDカードから削除したら非常に軽快に動作する様になりました。
フォルダを分けたり、保存する場所のツリーの位置を工夫して読み込みをスムーズに出来る様工夫が必要かも知れません

読み込みが終わると録音画面で音の切り替えが一瞬で出来るので、上記の不満はトレードオフな部分だと思います。

スイッチ入れたら数秒で作曲に取り掛かれる、というのが何より最大のメリットなので、興味ある方は購入をオススメします。


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