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「敵は家康」読了者限定読書会レポート (2)
前回の続きです。
本作では、あちこちに当時の地勢や自然についての描写を入れております。もちろん、自分の目で見たわけではない、単なる想像の風景なのですが。
物語、特に序盤は、有名人物や当時の権力者を軸にせず、一般の平民、もしくは最下層民の目線を通して展開していくので、彼らが見た風景をそのまま描写することが、読者にリアリティを感じてもらうために必須だと思い、ここは初心者なりに意識して、とても頑張った部分です。
で、その風景について、さぞや詳細に現地調査をして書いたのだろうねえ、とお褒めいただくことなどもあったのですが。
・・・申し訳ありません!
実は一切、していないのです(←こら
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これらの美しい森林風景は・・・都心も都心、渋谷区・明治神宮内の風景です!ちなみに言うと武蔵野の自然林ではなく、明治時代、意図的・人工的に造林されたものです(笑
当時、初台の自宅から、表参道にある取引先に日参しており、ちょうどその通り道(最短距離)がこのルートでした。すなわち、作中の自然描写は、この道を通っているときに眺めた風景を、脳内に写し取りながら原稿に再現したものなのです。
なんか、すいません。
その表参道の取引先というのが、誰でも名前を知っている、全女子垂涎の某有名おしゃれブランドです。フェイクの森林を通りながら作中の自然描写を考え、おしゃれブランドでおしゃれなソーシャルメディア等のマーケティング関連作業を行い、一人残らず完璧におしゃれな優しい従業員さんたちに別れを告げ、そしてまたフェイクの、しかしとても美しく心休まる森林内を通りつつ、次なる血みどろの人殺し展開を考えながら、ニヤニヤしつつ会社に戻るのです・・・なんかシュールです。
ちなみに、作中に登場する桶狭間の予定戦場も、プレゼンテーションに小さく写っている、横倒しの樹があるあたりの広場を眺めながら描いたものです。都内在住在勤の方などは、たぶん、一度は通ったことがある場所ではないかと思います。次に通ることがあったら、ぜひ本作のラストシーンを思い返してみてください!
(ややネタバレにつき自粛)
もちろん、現地に行ったことがない訳ではありません。昔、丸根砦の下を友人の車で通ったこともあったのですが、そのときは、まさか自分がその物語を書くことになるなどと夢にも思わず、ロクに見もしないでスルーしておりました。さらにいうと、現地周辺は昭和時代以降、完全に宅地化されており、あたりを歩いても、当時の雰囲気を味わうことは意外に困難です(砦や城などは、場所によっては痕がかなりよく残っているのですが)。
現地調査は大切ですが、それが全てではなく、要は自分のイメージ内、脳内でどれだけ確信を持てるか、どれだけ精度高く情景を構築できるかが描写のキイなのかな、と思う次第です。
![](https://assets.st-note.com/img/1675845924048-9yGlh90wZG.jpg?width=1200)
前記のおしゃれブランドに行く日以外は、もっぱら職住(超)接近状態の初台周辺が、当時の私の活動エリアです。執筆そのものは、ほぼすべてこのエリア内で行いました。
仕事が19時くらいに終わり、19時半には家に戻り、少し寝て、22時くらいに近所のファミレスCOCO'Sへと出かけます。そして晩飯を食べ、23時くらいから執筆、毎日一章ぶん(平均8千文字程度)を完成させて「小説家になろう」に投稿、深夜1時のラストオーダーのあと店を出て、「カササギ」(「なろう」のアクセス集計システム)を眺めながら、そこに出てくる僅か数十のアクセス履歴にニンマリしながら夜明け前まで夜道をほっつく・・・これが私の典型的な執筆&生活スタイルでした。
なんとなく不審者みがありますね(笑
この懐かしいCOCO'Sも、現在はありません。その後、コロナ禍のさなかに閉店し、現在はセブン・イレブンになっています。書籍発売のとき、いろいろ親切にしてくれた店員さんにお礼を言いに行きたかったのですが、残念です。
今回は、こうした環境で書きました、ということで読者の皆様に作品周辺情報のご提供です・・・まあ、かなり要らん内容だったかも(笑
また後日、続きます。