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生命



ナメクジの視点

描く人、芸術家であるミヤタタカシの鉛筆によるナメクジのスケッチ
描く人、芸術家であるミヤタタカシの鉛筆によるナメクジのスケッチ

朝家を出ると足元にいたナメクジ。遠くの星からやってきた使者のようにも見える。 ナメクジを描いた時にふと思い出したことがある。それは、手塚治虫の描いた「火の鳥」に出てきた未来の地球の話。確か、ナメクジのような軟体動物が、人類が滅亡した遠い未来に進化して知的生命体になるという内容だったと思う。子供の頃に読んだものなので間違っているかもしれない。それでもそれを初めて読んだときは、人類の滅亡に対して恐ろしさを感じたけれど、今ならそこに恐ろしさを超えて美を感じることができるようになった。どの生命体にも進化する生命力が宿っていて、たまたまそのタイミングで都合が良かったから進化しただけとも言える。 滅亡といえば、スティーブン・スピルバーグが監督をしたAIという映画も似たような内容の話があった。人類が滅亡した後に、地球外の知的生命体なのか地球内かは覚えていないのだが、その知的生命体が、AIを搭載した一体のアンドロイドで海底で見つけるというくだりがあった。その時に、海の水に覆われた地球の姿がとても美しく、懐かしさを感じるものだったことを思い出した。海に覆われた地球を想像したら、人類が滅亡したことがどうでもいい程の美しさだろうと思う。 人類が滅亡したと言っても、肉体的に消滅しただけで、精神はどうなったかはわからないし、どこか宇宙の中を漂っているかもしれない。そう思えば滅亡も一つの循環の一部で、怖くはなくその美を形作る手助けをしているのだ。

2023.03.24 ナメクジの視点 Sketch 182mm×257mm pencile, paper

光の背骨

描く人、芸術家であるミヤタタカシが描く光の背骨

街の中の光と、その中で見つけた光の背骨 毎日何ども同じ道を歩いたり、気に入っている河原や山に何ども通うのだけど、毎回同じ場所だけれど、毎回違うものに目がいき新しい発見がある。多分自分はどこに住んでいても、自分が気になるものを探すので、発見するものは違ったとしても似たようなイメージを発見するんだろうと思う。トタンやガレージ、金属板に移った車のライトの光が途端に生物の背骨のように見えたり、鳥の羽に見えたりと、日々変化していく。トタンだけに。何かを発見したらまた新たな発見がある。日々変化しているのは世界も私も同じなのだと感じる。

2023 光の背骨 Sketch 257mm×364mm pencile, colored pencils, paper

鳥の質感

描く人、芸術家であるミヤタタカシの鉛筆による鳥のスケッチ
描く人、芸術家であるミヤタタカシの鉛筆による鳥のスケッチ
描く人、芸術家であるミヤタタカシの鉛筆による鳥のスケッチ
芸術家、絵本作家であるミヤタタカシの鉛筆による鳥のスケッチ
芸術家、絵本作家であるミヤタタカシの鉛筆による鳥のスケッチ

海に向かって飛び立つもの。
川に向かって飛び立つもの。
優雅に空を舞うもの。
そして様々な手触りの羽。

近所の川に毎日のように散歩に出かける。子供の保育園への送り迎えで通る時にも、橋の上から川にいる鳥たちを眺めるために立ち止まって一緒に観察する。寝ているカワウは無防備で、カモは用心深く、アオサギは近所のおばあさんから餌をもらいにくるほどに人間に近いところで生活をしている。風に舞う羽や、優雅に飛んでいる鳥を見るのは気持ちがいい。

2023 鳥の質感 Sketch 257mm×364mm pencile, paper


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