お母さんに感謝を
「肝っ玉母さん」とは、何となく記憶にある言葉だ。1968年から数年間放映されたドラマのようだが、77年生まれの僕にはもちろんなじみがない。「女のカン」という言葉もたまに耳にするが、これについて深く語ろうとすると、やましいことがない僕でもなんだかほこりが出そうな気がしてしまうのでやめておく。
「主婦の仕事(家事全般)を給与換算すると幾らくらいになるのか」という話題の記事を読んだことがある。仕事の内容や働いている時間を考えると、年収にして400万円から500万円程度、記事によっては1000万円を超えるとするものもあった。独り身の僕にそれを語る資格はないのかもしれないが、それだけ主婦の仕事は大変なのだろう。
今や共働きも当たり前の時代。昼ドラを見ながら横になり、ぼりぼりとせんべいを食べるような主婦像は、もはやひと昔ふた昔前のイメージだろう。
通塾の送迎をするのは、いつもお母さんだ。兄弟で通っている場合、夕方に小学生の弟や妹を送迎し、夜には中学生の兄や姉を送迎する…なんて日もあるかもしれない。
土日にはスポ少の練習や大会のための送迎をし、三者面談をしましょうと言えばそんな中でも都合を付けて来てくれる。子どもの体調が悪ければ、病院へ連れていくだろう。ましてや石巻なら、中学校の総会などに参加されるお母さんも多いように思える。それが、一般的な主婦業をこなし、更に仕事をしながらだとすれば、相当に忙しいであろうことは想像に難くない。
子どもが、生まれてから最初に「理不尽だ」と感じる存在は、親であるという。時に中学生や高校生にとって、母からの「勉強しなさい」が理不尽に感じることはあるだろうし、かく言う自分にとってもそうであった。
しかしそれは、愛であり祈りでしかない。もう少し若い時に、それを知っておきたかったと、僕は思う。
石巻かほく 2020年3月8日(日)号 つつじ野 より
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