本当は教えたくなかった、解雇でなく、自主的に辞めていただく方法
コロナ禍で、自主的にやめていただく方法
人事担当者は、何らかの理由で辞めさせたい社員に頭を悩ませることがあります。
しかし、解雇の条件が厳しいことはご存じだと思います。
過去のさまざまな裁判でも、解雇無効の判決がくだされていることから、
解雇については労働者保護の観点が強く働いています。
結論を言うと、解雇でなく、自主的にやめてもらいましょう。
なぜなら、クビにすると、スタッフが労働基準監督署にいくリスクがあるためです。
例えば、クビにされたスタッフは「不当解雇だ!」と言い始めます。
少し前なら、こういった事例が少なかったのですが、今ではネット検索すれば、なんでも調べられます。
「不当解雇」と検索すると、関連キーワードで「裁判、損害賠償、慰謝料」などでてきます。
スタッフは、インターネットで調べてから労働基準監督署に行きます。そして訴えるための手続きをすすめます。
こうなってからでは、遅いのです。
なので、自主的に辞めてもらうのです。
実際に、自主的にやめてもらう方法とは、
配置転換、退職勧奨、出向の三つの掲示をします。
1番のナイーブなポイントですので、
話し合いでは、「やめてほしくない」アピールをすることが大切です。
スタッフは、会話を録音している可能性があるからです。
具体的には、こんな感じで話を進めます。
実は、今回、会社の業績が芳しくないんだ
そこで、会社として、できる限りの方法を考えて
3つの選択肢を用意させていただいた
1.配置転換、2出向、3転籍
社内で、配置転換先があればよいのですが、
なければ、2転籍、3出向です。
産業雇用安定センターなど公的機関が
出向先や転籍先を探してくれます。
出向、転籍は、業務命令なので、本人は、拒むことはできません。
あくまで雇用維持を考えてのことなんです、と
誠意として、訴えかけます。
それは、ちょっと、、という話になると、
自主的に退職していただくしかありません。
他に方法がないんです。
新しい会社で頑張ってほしいと精一杯お伝えください。
そして、人事として、最後に 退職の手続きの際は、餞別を用意しておく
1万円でもよいと思います。
ヤバイ空気になると、餞別を差し出してください。
精一杯会社として、あなたのための最善をつくしたのだけど、
申し訳なかったという気持ちを込めて
お渡しください。
これは、行動経済学の
おとり効果の活用法です。
ポイントは、
選択肢の中から、自分で選ぶため、文句は言いづらい(実際には誘導している)
人間は、与えられた条件以外はあまり考えなくなります。
与えられた条件について文句を言う人は
多いが、他の条件があると指摘してくる人は、不思議と少ない。
また、掲示する選択肢は2つまたは3つまでが良いとされています。選択肢が多いと逆に決められなくなります。
最後に
スタッフをクビにすると、恨まれます。
この「恨まれる」ってことは、かなりキケン。
感情的になった人は、何をするかわかりません。 理性をなくした人間はコワイです。
プライドが高く、感情的な人ほどキケンです。 法的に訴えてくることも多くあります。
今の時代、スマホでカンタンに「会社を訴える方法」など調べることができます。
うまくいけばスタッフにお金が入ってくる。
スタッフは、訴えることにリスクもありません。 わたしは、労働基準監督署を通して元スタッフに訴えられたことがあります。 お金も支払いました。
1番つらいのは、精神的にヤられたところです。お酒と睡眠導入剤をいっしょに飲まないと寝れない。体が重たい。ぼーっとする。最悪な時期でした。
こんな風には、なってほしくないです。
スタッフをクビにせず、自主的にやめてもらう方向で!
できれば、そうならないよう、
「一隅を照らす」
最善を尽くしたいです。
心からそう思います。