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人生を変えた絶景とは
2022年度丸山晩霞記念館企画展「山と画家の出会い 人生を変えた絶景」をようやく観にいくことができました。山岳画のパイオニアと言われる丸山晩霞に加え、武井 清、千葉 潔、故上田 太郎、春原 直人の5名による、約50点の作品が並ぶ山岳絵画展。
槍ヶ岳や穂高連峰、白馬岳に乗鞍岳など、今も多くの人々が憧れて止まない北アルプスを中心に、美しく荘厳な山たちが圧巻のスケールで描かれています。
彼らは実際に3,000m級の山に登り、自らの目に収めた光景を描いているからこそ、神々しい山を目の当たりにした画家の感動や鼓動までもが伝わってくるような感覚を覚えました。それに、同じ山を対象としているのに異なるタッチの絵画が並んでいるのも面白みが深く、どんなことを感じながら山を眺めていたのだろうかと、画家に想いを馳せるのもまた鑑賞の醍醐味のひとつでした。
きっと多くのひとが一生のなかで、「人生を変えた絶景」に出会っているのではないでしょうか。「この感情はどうやったら人に伝わるだろうか」、簡単には言葉に表せない(いや、表したくない)ほど心を揺さぶられた光景を、実は誰もが自分のなかに持っているのではないかと思っています。
この山岳絵画展に訪れると、それぞれが日頃しまい込んでいる「人生を変えた絶景」が、強烈に蘇ってくるはずです。”絶景”に突き動かされた自分の姿や場面をありありと思い出すんです。
山と画家の出会いの場面を鑑賞しながら、自らの”絶景”との出会いについても記憶を辿っていただける企画展になっていると思いました。
必見の価値ありです。