中間報告とは自分との闘い

仕事を行うとき、基本的には上司や部下、お客様とコミュニケーションを行う事が多い。社内である場合は、上司からタスクが割り振られ、それをこなして、報告をする。社外である場合、業務という形で何らかの成果物を提出する又は回答を行う。

日本社会には、ビジネスに留まらず、報連相という言葉があり、新卒社員として会社に入社する際は良く耳にする言葉であるかもしれない。意味は理解して、重要であるということは分かるが、上司やお客様から、報連相に関する部分で指摘されるケースは多いのではないだろうか。

私は、これは人の心理状況が影響していると考える。人は、無意識に自分をよく見せようとする心理が働く。例えば、社内でタスクをこなす場面においても上司の評価を高めるために、なるべく良い状態で資料を提出したいという心理が働く。一方、上司としては部下一人に成果物を任せているわけではなく、必ず上司のレビューが入り、最終的にお客さんに提出するという流れをイメージしている。経験の浅い部下は全体像を意識できていない事もあるため、このような流れを理解しないまま、自分自身の世界に入り込んでいている事が多い。

このような状況に陥りがちな人間は、報告を自分を守るための行動であると、自分自身の考え方を大きくシフトする必要がある。

更に、これが社内のコミュニケ‐ションになり、極論、自分自身が個人事業主としてお客様に何らかの成果物を提出している場面においても、似たような事が言える。報告(この場合は中間報告)とは、お客さんと自分の考えをすり合わせするツールであり、この報告作業を重ねる事でお客さんの期待を裏切らないサービス提供の実現につながる。

自分が常により良いサービスを提供したいという思いによって、成果物に試行錯誤を加える行動はお客様のフィードバック無しでは最終的に意味のなさない行動になってしまいかねない事に私たちは注意しなければならない。逆に言えば、お客様の思いや要望を上手く理解する事ができれば、最小限のエネルギーで効率的にサービス提供をする事が可能になる。これは、コミュニケーションがない場合では、努力したにもかかわらず、満足してもらえないという結果を招く可能性を少なくとも抱えているという点で非常にリスキーであるということだ。

このような事が分かっていても、人間は報告を怠る本能ともいえる心理的な癖を持っている生き物である。私たちには、常に本質に向き合い自分を抑制した行動をする事が求められる。

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