(中国)「独身の日」の物流を支える 大量の速達配送品が高速鉄道に“乗って”やってくる
2022.11.3 荔枝新闻
今まさに、「独身の日」のネットショッピングによる物流量がピークを迎えている。消費者の購入した商品を迅速に配達するため、宅配業者が配送効率を上げるほか、鉄道方面も各地を網目状に走る高速鉄道の強みを発揮している。さまざまな輸送手段を総合的に運用することで、安全で効率的かつ迅速な鉄道配送サービスを提供しているのだ。では、記者が今日(11月3日)、南京南駅で行った取材の様子を見ていこう。
午前8時28分、南京南駅に間もなくやってくるのは、杭州東駅から北京南へ向かうG172号列車だ。列車には一般の客が乗車しているだけでなく、速達配送品が載せられている。
この列車は南京南駅に5分間停車し、その間に「中鉄快運」のスタッフが梱包された配送品を手早く車内に積んでいく。記者が注目したのは、配送品を積むための車両は、国営鉄道会社が「独身の日」期間のみ貨物を乗せる車両として臨時的に設定している車両であるという点だ。道中の南京を含む高速鉄道の14駅に配達し、その後は現地の配送ネットワークを利用して各地方に配達される。
「中鉄快運」上海支社南京南駅営業部の董世虎・党支部書記は、「私たち上海局は、旅客を乗せた高速鉄道を1日平均220本走らせており、そのうち24本は予備車です。『列車一本あたりの輸送量は少なく、かつ列車本数は多く、そして規則的』という、高速鉄道のスピーディーな運輸サービスを基本的には実現しています。現在は、配達時間設定のある商品や大量商品の当日配送・翌日配送システムを徐々に構築しつつあります。」と話す。
集計によれば、今年長江デルタ地域で「高速鉄道スピード配達」業務を開始した高速鉄道駅は17駅に上る。運航路線も253路線に増え、全国120以上の大中都市につながっている。その中でも南京南駅は現在、毎日の速達発送量が千件に上り、1万件近い普通配送品も発送している。
「商品によってそれぞれ梱包の仕方を変えます。例えば、低温配達する食品や薬品などは温度管理の必要性が高いため、当社の専用低温ボックスを用意しています。これも鉄道(運輸)の大きな特色で、気密性が求められる物や割れ物には高速鉄道専用ボックスを用意し、荷物が押しつぶされて変形するのを防いでいます。」
鉄道会社は列車の新型コロナ対策指針に基づき、輸送の前後には予防的に貨物や周辺環境の消毒を行う。高速鉄道で運ばれる荷物は、入庫・セキュリティーチェック・積み下ろし管理・新型コロナ対策の消毒作業などを一体化して管理し、貨物や周囲の安全を確保している。また同時に、乗客の乗降に支障をきたさないための配慮も要求される。
今日の翻訳メモ
运力资源・・・経済用語。物流企業の運輸能力(配送車両の数など)。
长三角・・・「长江三角洲地区」の略。長江デルタ。