三行でまさかの結末にならないぼんやりとした平凡な物語
夕方六時半、僕は食卓についた。
目の前には、美味しそうなごはん。
手を合わせて、いただきますをした。
うん、平凡な食事の風景だ。
大好きな白いご飯を一口…もぐ、もぐ。
大好きな黒いおかずを一口…もしゃ、もしゃ。
大好きな漬け物を食べるのも忘れない…ポリ、ポリ。
うん、平凡な食事っていいね。
美味しいご飯があるって、素晴らしい。
美味しくご飯が食べられるって、素晴らしい。
美味しいご飯を食べたくて、頑張っている、僕。
うん、平凡に暮らしてるからね。
毎日おいしいご飯が食べられるのが、幸せなんだ。
毎日おいしいご飯が食べられるから、幸せなんだ。
毎日おいしいご飯が食べられる事が、幸せなんだ。
うん、平凡なご飯が、一番おいしい。
ああ、今日も、良いご飯だった。
ああ、明日も、イイご飯を食べよう。
ああ、ずっと、いいご飯を食べたいな。
うん、平凡ってしみじみいいよね。
ご飯のあとは、後片付け。
ご飯の跡は、きちんと片付けないとね。
ご飯の痕は、残したらだめなんだよね。
うん、平凡でいたいからね。
さあ、片付いたぞ、これで出かけることができる。
さあ、片付けたから、これで仕事に取り掛かれる。
さあ、片付いた事だ、これから僕が動き出せる。
平凡だけど、はしゃぐこともあるんだよ?
ご飯だご飯だ♪ひゃっほう!!
ご飯だご飯だ☆ヒャッホウ!!
ご飯だご飯だ♡ヒャッほぅ!!
ご飯を食べるために頑張る僕♡
ごはん~ごーはんっ♡
ごはん~ごーはんさん♡
ごはん~ごーはんさまさま♡
ごはんを見つけて大喜びの僕♡
平凡じゃない君、ごめんちょ♡
平凡じゃないあなた、許してね♡
平凡じゃないあんただから、逃がさない♡
平凡な僕が狙うのは、類稀な…ごはん♡
よし、今日もうまくいったぞ。
よーし、今日はもうこれくらいでいいかな?
よしよし、今日は白いご飯が二体に漬け物用が三体。
よしよし、よしよし、大漁だ!
さあ、平凡な毎日に戻るとしよう。
さあ、平凡な日常に紛れ込もう。
さあ、平凡なふりをして笑おう。
はっはっはっ…!!!
あっはっはっ…!!!
ぎゃははのは…!!!
平凡な毎日がやってくる。
平凡な毎日を、平凡に過ごす。
平凡な毎日を、平凡に過ごさないとね。
平凡な毎日を、平凡に過ごす人に、気づかれぬよう。
僕の平凡な毎日なんて、三行で事足りるのさ。
夕方に起きて、ご飯を作って、食べる。
ご飯を食べて、ご飯を捕りに行って、笑う。
笑って、人に紛れて、腹が減るのを待つ。
平凡な食料の毎日の方が、複雑怪奇だと思うよ?
平凡な食料は、平凡な一生を送ることはできないんだ。
平凡な食料を、平凡に終わらせない、僕がいる限りね。
オチも何もなくて、ごめんね?
はっはっはっ…!!!
あっはっはっ…!!!
ぎゃははのは…!!!
すぐに食欲モノに走ってしまう自分…