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自分の為だけにサッカーをしていた僕が、憧れの人に出会って『応援される選手』を志した話。

12月15日。
福岡で開催される朴一圭選手(以下パギさん)のファンミーティングに参加した。
朝練が終わってすぐ、筑波から博多へ向かった。
憧れの人に会うために。
『応援される』とは何かを知るために。


ただひたすら、自分の為だけに。

実は、このファンミーティングに参加する前から、
僕は自分の中である矛盾を抱えていた。

『俺、自分の為だけにサッカーしてんのに、
応援してくれる人を見てやりがいを感じてないか?』


前回あげた記事の通り、
僕は中学と高校で挫折して、自信をなくした。
そして、自信をなくしたのは
サッカーの実力だけじゃなかった。

僕は周りの目を気にして、自分自身に対して劣等感を感じてさらに自信をなくしていった。
(詳しくは僕の記事、『誰の為、何の為。』を見てください🙇‍♂️)

あの時期はサッカーの実力以前に、
僕は僕という人間を常に否定的な目で見ていた。

そこから脱却出来たのは高3の春に筑波大学蹴球部の練習に参加した時だ。

(ここから先は多分noteで何回も話した事だけど、)
当時TOPチームの練習に参加する事が出来て、レベルが高くて凄く楽しくて、何が何でもここに入りたいと思った。

周りの事とか、どうでもよくなって、自分が筑波でサッカーするには何をしたらいいかばかり考えるようになって、
いつの間にか自分の為だけに行動するようになった。
そしたら、案外上手くいくようになった。

全国大会も決まった。
リーグ戦では、僕が出ていた時のベルマーレU-18は全チーム内で最小失点だった。
全国大会で、複数の大学から、
さらに全国も制覇したことのある強豪校から
オファーを貰えた(筑波に行く為に断った)。

...


なんだ。
周りの目を気にせず、
自分の為だけに行動すれば、
こんなに上手く行くんだ。


そのスタンスは、受験勉強でも変えなかった。
筑波に入っても、変えるつもりはなかった。

応援される選手になれないよ。

筑波大学蹴球部は、思っていたのと違った。

僕が思っているよりも、
『組織の為』『仲間の為』『応援してくれる人の為』
重視してるクラブだった。
だから正直、蹴球部のフレッシュマンコースは、
凄いストレスだった。

...

いや違う。
ストレスなんかじゃなくて、
本当は怖かった。
中学や高校の時みたいに、
また自分の為以外の動機で行動して、
周りの人たちに目を向けて、
上手くいかなくなるのが、
辛くなるのが、怖かった。

だから僕は、フレッシュマンコースの『それ』を、
拒絶した。

フレッシュマンコースが終わってもそれを曲げる事なく、自分自身のためだけに行動した。

当時はnoteをあげていく中でも、「自分の今の考えは間違ってないんだ」と自分に言い聞かせるように、「自分の為だけに行動する事が正しいんだ」という趣旨の内容を発信していた。(誰の為、何の為。とか、体育祭の話とか。)

いつからか、
周りの人にこう言われるようになった。
「そんなんじゃ、応援される選手になれないよ。」

そういえば僕は大学に入るまで、「応援される」事が
ほぼなかった。

Jリーグの下部組織は選手も少ないし、
高校サッカーほど注目もされてないから、
誤解を恐れず言うと、応援されないのが日常だった。

だから当時はむしろ
「そう思うなら応援しなくていいよ。」
と思ってた。
誰かのために行動して、周りから応援される選手になって、プロになれないなら、自分自身の為だけに行動して、周りにいる人全員に嫌われてでもプロになれた方がマシだなんて思ってた。

でも、何でかわかんないけど、
蹴球部の部員はそんな僕の事を応援してくれた。

「龍が出るなら試合見に行くわ。」と言ってくれた人もいた。

Iリーグを優勝出来た時も、沢山の部員と観てくださった皆様が喜んでくれた。

僕は『それ』に、物凄いやりがいを感じてしまった。

応援してくれた人が喜んでくれてるのって、
自分を、自分のチームを好きでいてくれている人と、
ポジティブな感情を分かち合う事って、
こんな幸せな事なんだ。って思ってしまった。


僕は、優勝が決まって喜んでいる観客席を見て、
自然と笑顔になっていた。

その表情を撮ってくれた写真が、我ながらあまりにも
自然でいい笑顔をしていたから、
SNS系のアイコンは全部これになった。

でも、これでいいのかわからなかった。
『応援してくれる人=周り』に目を向けて行動して
またあの頃の自分に戻らないか不安になった。
かといって、もう今のモチベーションが
自分の為だけじゃないのも事実だった。

...自分が憧れている選手の
ファンミーテイングに行けば、
その答えが見えてくるんじゃないか、と思った。
ファンミーティングを開けるってことは、
そのくらいファンが多いという訳で、
そんなパギさんがどういう心構えでサッカーしてるのかがわかれば、僕は今後どういう心構えでサッカーに向き合えばいいのかがわかる気がした。

...そんな事を考えながら、
僕はパギさんのファンミーティングに参加した。

苦しくはなかったです。

ファンミーティングが始まった。
まずトークショーの初めに、
MCの人がこんな質問をした。
「今シーズンを振り返って、いかがでしたか?」
2024シーズンにパギさんが所属していた
サガン鳥栖は、J1最下位に終わったので、
おそらくすごく苦しく、辛いシーズンだったんじゃないかなと思った。

でもパギさんの答えは少し意外だった。
「すごく悔しいシーズンでした。応援してくれている皆さんから力をもらえたので、苦しくはなかったです。でも皆さんの期待に応えることはできなかった。それが悔しかったです。」

応援されるって、
そんなパワーもらえるもんなのかな。

頭の中で色々と考えが巡った。


その後様々なイベントを終えて、

ファンミーティングの最後に、パギさんが横浜Fマリノスに移籍するという事で、「パギさんサガン鳥栖に4年間いてくれてありがとう」的なムービーが流れた。

そのムービーを見終わった時、
僕以外のほとんどの人が泣いていた。
パギさんも泣いていた。

いくらその選手が好きでも、自分のファンに感謝していても、
その人(その人たち)に対して泣けるほど想いを
懸けている人を、僕は今まで見たことがなかった。

場違いかもしれないけど、
僕はそんなパギさんとそのファンの方々の関係性が、
凄く暖かくて、素敵な関係性だなと思った。

思い出した、あの日のこと。

そんな暖かいファンの関係性を見ていて、
受験勉強やサッカー漬けの毎日で忘れていた、
あの日の出来事を思い出した。


大学に入って、こう聞かれることが増えた。

「龍はなんでプロサッカー選手になりたいの?」

…返答に困った。
僕は小4から高3までずっとベルマーレの下部組織にいたから、ベルマーレのトップチーム(プロ)を目指すことは僕にとって当たり前のことだった。
理由なんてなかった。
小学校を卒業したら中学校に入る、
中学を卒業したら高校、大学、、、
みたいな感じで、
強化特待生を卒団したらジュニアユース(U-15)、
そこを卒団したらユース(U-18)
そしてトップ(プロ)…
そんな当たり前の気持ちでプロを目指していた。
当時その思いが本気であったかは別として。

でもそんな当たり前の気持ちが、願望が、
明確に『目標』に変わった日があった。

クラブユース本戦(全国大会)が決まって、
ベルマーレのトップチーム(プロ)の試合が始まる前に、僕らベルマーレU-18の選手達が、スタジアムの前に出てきて、激励をもらった時があった。

高校の友達がその試合を観に行っていて、
写真を撮ってくれた

その時、湘南ベルマーレのファンの皆様が、
僕らに向かって、
「頑張れよー!!!」って、
「トップに上がってこいよー!!!」って、
何人もの人が、応援席のフェンスに身を乗り出して、
暖かく、アツい言葉をかけてくれた。

それが凄く嬉しかった。
「自分のプレーで、この人たちを喜ばせてみたいな。」
心からそう思った。
そこで初めて、「当たり前のことだから」じゃなくて、
明確な理由をもって、
プロサッカー選手になりたいと思えた。

なんだよ。
めちゃくちゃ大事なこと忘れてんじゃん。
俺、応援されたことあったじゃん。
その光景を見てプロを志したじゃん。


...


俺、やっぱり、応援される選手になりたい。
応援してくれる人の為にも頑張りたい。

僕のnoteを見て貰えばわかる通り、
謙遜でもなんでもなく、
僕はそこまで出来た人間じゃない。
ここには書けないほど沢山失敗してきたし、
迷惑もかけたし、やるべき事やらなかったし、
時には人を傷つけてしまう事もあった。

...と言う話を蹴球部の同期にしたら、
こう返ってきた。

「そういう奴が頑張ってるからこそ、
力をもらえるんやないか!」

もし、本当にそうだとしたら、
その上で僕のことを応援してくれるのだとしたら、
僕はそんな人達のためにも全力で頑張るし、
応援されるに相応しい人間になろう。
そう思った。

応援されるには、まず知ってもらう事から。

ところで、僕は今、
いきなりInstagramを精力的に動かし始めて、
体育専門学群の同級生のInstagramを手当たり次第フォローしている。

なぜか。理由は簡単で、
体育専門学群の同級生のみんなに
僕の存在を知ってもらいたいからだ。

僕がどういう人間で、
何を考えていて、
何が好きなのか。
それを知ってもらわないと、
まず応援されないだろうと思ったからだ。

体育科学シンポジウムの授業で、
僕はインフルエンサーの活動に興味がある
と言ったのは、
応援される選手になりたいからだ。
(それ以外にも理由はあるけど割愛します。)

だけどいきなりYoutubeやTikTokをやるのは違うなと思った。

不特定多数に応援される以前に、
身近にいる人たち=同級生の体育専門学群生に
応援されないと、本当の意味で
『応援される選手』になれないのではないか。

もっと尖った、我儘な言い方をすると、
数分数秒の動画の、
自分自身の断片的な表面上の部分を見せるだけで
すぐ自分のことを好きになってくれるファンより、
自分の良いところ、悪いところ、
過去と現在の失敗と成功。
できるだけ全てさらけ出したうえで、
それでも応援してくれる人に、
僕は応援されたいと思った。

だから僕は、不特定多数ではなく、
授業も住んでいる地域も一緒で、
自分がどういう人間か知ってもらいやすい
同級生の体育専門学群生
(を中心とした僕の身近にいる人)に、

YoutubeやTikTokなどの拡散力がある媒体ではなく、拡散力は劣るかもしれないけど、その分自分の気持ちをストレートに伝えやすく、観てくれる人もその思いをそのまま受け取りやすい媒体であるnoteを使って、これからも発信し続けようと思う。

繰り返しになるけど、
僕のことを知ったうえで、
僕のことを応援してくれるのだとしたら、
僕はそんな人達のためにも全力で頑張るし、
応援されるに相応しい人間になります。

もしよければ応援よろしくお願いします🙇‍♂️


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