変化は怖い。変わらない自分を愛したい。

「新しくこういうことにチャレンジしてみたい」
「実は前々からこれに興味を持っている」
「自分のこういう部分を変えたい」

人は誰しも、「変わりたい」欲求を持っていると思う。
日常からの脱却、これまでの自分との決別。人生の進化。そう表現するとカッコイイような気もするが、実際、「変わりたい」と思った人のうち、変わるための行動を起こすのは、半数以下、ごく少数の人だけだろう。

このnoteは、茂木岳人さんのnote『「行動しろ」と言われても「行動の仕方」を教えてもらっても行動できない自分のための記事』の感想note。

変わらなかった、あの頃の自分

若い頃――といっても今も大概だと思うけれど、大学に入学してすぐぐらいは、野心に溢れていた。

キャンパスライフを満喫して、キャリアを組み立てて、教職課程の勉強もしっかりして、サークルも参加して、飲み会とか遊びとか楽しみつつも小論文とかもしっかりやっちゃったりして……みたいな、夢を持っていた。多分。

でも実際は、何も変わらなかった。
真面目に授業は受けていたし、空き時間に図書館で勉強することもあったけれど、サークルには入らなかったし、高校生までと同じようなタイプの人付き合いをしていた。
付かず離れず、適度に仲良く。お昼休みにランチする友達には困らないけど、放課後に遊ぶかと言われると微妙、というような。

変わるチャンスはいくらでもあった。入学式の後、はじめて女の子に声をかけた時でも良かった。最初のグループディスカッションの時でも良かった。思い立ったすぐその日から、わたしは変われた。でも、変わらなかった。変われなかったんじゃなくて、変わらないことを選んだ。

ほどほどの人付き合い。女っ気のない恰好。真面目だけどほどほどにゆるい受け答え。
「周りから忌み嫌われることはなく、深く好かれることもない」くらいのキャラクター。

大学在学中、少なくとも学内で会う人に関しては、わたしはそのキャラクターを通していた。そんなキャラじゃないのに。「らしくないな」と思いながらも、自分らしさが分からなくて、惰性で生きていた。

「変わる」は「怖い」

人が変化を恐れるのは怠慢ではなく本能だ、とどこかで聞いた記憶がある。
もともと、変化は大きなリスクを伴うものだった。新しい場所は何が起こるか分からないし、新しい人はその人が善人か悪人か判断しなくてはならなかった。特に命の危険を伴うような時代には、「変わらないこと」が自分・周りの命を守る最大の防御策だった。

そしてその血は、わたしたちに脈々と受け継がれている。
変化・刺激を求めながらも、変わることを恐れ、安定に安心を見出す。それは、わたしたちが怠惰なわけでも、弱いわけでもなく、自分の身を守るためにしていることだ。
だから、仮に「変わろう」と思った時に何も行動を起こさなかったとしても、それは悪いことじゃない。

茂木さんはnoteの中で、このように記している。

何か行動しよう、変化しようとするとき、変化に対する心理的な免疫反応が作動している、その免疫反応の目的(通常は知覚されない裏の目的)に照らせば、とても合理的な「変化しない」という結果を得ている、と理解するのが、本書での「変わりたくても変われない」状況の認識だ。

茂木さんのnoteより

なるほど納得、と思った。

「変化しない」という選択の裏にも、きちんと目的がある。その基準から見れば、変化しないのはとても合理的な判断だ、ということだそうだ。

そして、その目的を解明していくのに役立つのが、「免疫マップ」というものだそう。

【免疫マップの要素】
1.改善目標 
2.阻害行動 
3.裏の目標 
4.強力な固定観念

茂木さんのnoteより

自分が、何を改善したい(=変えたい)と考えているのか。
それが達成できない要因は何か。
その要因の裏には、どんな目標(不安・恐れなど)があるのか。
自分は日頃、どういう固定観念を持っているのか。

その4つを書き進めていくことで、自分がなぜ変わらないのか、変われない裏の目標はなんなのか、といったことが分かってくるらしい。

茂木さんの「実践」を見て

茂木さんはnoteの中で、自分が「変わりたいと思いながらも変われない(=変わらないという選択をし続けている)こと」について免疫マップを利用して「なぜできないのか?」の考察を深めていった。
(具体的な内容は、ぜひ茂木さんのnoteを。)

書いてみて、「強力な固定観念」に書いたものは、気持ちはわかる(自分が思ったことだから当然でもある)が、それ言いすぎだろうと思うものがほとんどだと感じた。

根性ややる気でしか太刀打ちできなさそうに感じていた課題に、ようやく確かな手がかりを見出せた。

茂木さんのnoteより

茂木さんはどうやら、免疫マップを書いてみて、自分の課題を解決するための道筋が見えてきたようだ。

固定観念や裏の目標は、普段は隠れてしまっている。それを見えるようにするためには、まずは自分が見えるところ、例えば感じている不安や起こせない行動といった部分から、少しずつ深堀りしていくのが良いんだと思う。

実際、大学生の時も、さまざまな不安や固定観念を持っていた。

突然キャラを変えるのはダサい。
男受けを気にしてるとか、そういうふうに見られたくない。
自分が変化することによって今の関係性が崩れるのが怖い。
真面目に取り組むのはダサい。あいつ真面目だよね、って批難されるのが怖い。

それらは当時、わたしの行動を強く縛っていたけれど、いざ見えるようになると「いやいや、気にしすぎでしょ」と感じるものもたくさんある。「あの人たちだったら受け入れてくれただろうな」というものも。

見えないものは、大きく見える。なんだかとても強大で、とても太刀打ちできないもののように思えてくる。
でも、実際に見えてくると、意外と小さなことや偏った思想であることに気付く。
それに気付ければ、あとは一歩、踏み出すだけだ。スモールステップでね。

茂木さんのnoteを読みながら、「そういえばわたしも、ツイートする内容は少々遠慮がちになっているかも」と感じた。
一度腰を据えて、「免疫マップ」を書いてみるのも面白いかもしれない。

takaren advent note 34日目

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たかれん
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