自分の利益しか考えないあの人は、実は資本主義のエリートだった！？あなたの側にいるホモ・エコノミクスとの付き合い方
「他人の福祉は無視して、
自分の利益満足を最大限にするべく
合理的に行動するのが人間」
（ホモ・エコノミクス）
新古典派経済学においては、
私たち人間はこう定義されます。
さらに、この定義に衝動性が加われば
「サイコパス」となりえます。
ずいぶんな言い方ですよね。
でも、こうしたホモ・エコノミクスは
あなたの側に必ずいることが分かりました。
1. 東京区民を対象にした経済ゲーム
2014年、一橋大学の山岸俊男教授らの
研究チームは興味深い研究を発表しました。
研究チームは、東京の比較的
富裕層が住む区の住民を対象に
合計2年間をかけた社会実験を行いました。
446名の区民の協力のもと
2つのゲームに参加してもらいます。
1）「独裁者ゲーム」
ペアになり、「分配者」役と「受け手」役に
分かれます。「分配者」は実験者から一定の
報酬を預かり、それを「受け手」役と分配します。
分配の割合は「分配者」の自由であり、
「受け手」はどんな分け前でも拒否できません。
もし分配者がホモ・エコノミクスならば、
遠慮なく独り占めするはずです。
2）「囚人のジレンマゲーム」
有名な囚人のジレンマゲームをアレンジ
したものです。
ペアになり、お互い一定の報酬がわたされ
相手に財産をすべて譲るか（譲渡）、
それとも自分の財産を保持するか（裏切り）を
9回に渡り決定します。
もしホモ・エコノミクスならば、
相手がこちらに財産を譲ってくれた場合も
自分の財産は保持し続けるはずです。
さて、実際に何名の参加者が
ホモ・エコノミクスに該当したでしょうか？
2. 自己愛と他者軽視のエリート「ホモ・エコノミクス」
結果は次のようなものでした。
やはり、見ず知らず人同士で組んだ場合で
完全に自分の利益のことのみを
追求する人々は存在したのです。
アンケートからは、彼らのこんな特性が
伺えました。
「油断ならない奴」「鼻持ちならない奴」と
思われるかもしれません。
他方、こんな事実も分かりました。
全体では7％のホモ・エコノミクス層ですが
IQスコアが115以上の人の層（42名）で絞ると
そのうちの【21％】を占めていたのです！
恐るべき優秀さですね。
研究チームは次のように述べています。
学歴社会、資本主義競争社会においては
他者を気にせず、ひたすら自己の能力を
発揮する彼らは、紛れもないエリートなのです。
3. 「目標」の共有がお付き合いのポイント
いかがでしたか？
本実験は遠い異国ではなく
東京の一般市民を対象に
行われたものです。
つまり、私たちの職場やご近所
いやもっと近い関係に
「ホモ・エコノミクス」は
存在しているのです。
そう考えれば、思い当たる顔が
浮かぶかもしれません。
もちろん、そうした特性は異常ではなく
むしろ最も資本主義らしい人間像なのです。
だからこそ、彼らの姿勢を非難したり
説得してかかるのも誤りです。
お付き合いをする際は、あくまで
お互いの仕事や活動で目指すべき
【目標】にフォーカスしましょう。
そんな時、彼らはとても強力な味方に
なってくれるはずです。
本日もお読みいただき
ありがとうございます。
目に見える行動や発言の裏には
必ず目に見えない意図や感情が
あります。あらゆる気になる行動は
何かを主張しているのです。
それを知るにはカウンセリングの技術が
最もお役に立てます。
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