1−17 日本が財政破綻しない理由③
前回までの記事で、
・自国通貨で運用されていること
・十分な供給能力があること
を説明しました。
今回の記事は3つ目になります。
それは、ズバリ
変動為替相場制であるという点です。
変動為替相場制とは、
当該国間の経済状況によって、
その国の通貨の価値が変動する制度です。
レバノンの説明のところでは、
固定為替相場性が出てきましたよね?
輸入するものが多い分、
値段が変わると困るから
固定すると便利〜!
ただ、
固定を維持するために
外貨が必要になる。
というような流れでした。
では、
日本の変動為替相場制について
みていきたいと思います。
よくニュースなどでも、
『1ドル=120円が
3円上がり123円に・・・』
と聞くことありますよね。
日本は、
十分に供給能力を有しているために
変動為替相場制を採用できます。
といっても、
日本も昔は固定為替相場制でした。
変動為替相場制に移行したのは、
1973年なので、
約50年前ですね。
私もまだ生まれていませんが、
歴史の授業で出てきた
ニクソンショックが契機となった
為替相場の大きな変化でした。
ここで、
少しニクソンショックについて、
確認したいと思います。
アメリカは当時
金本位制を採用していました。
金本位制とは、
貨幣を持って行けば、
金と交換してもらえる。
つまりは、
貨幣の担保に金がある。
というわけですね。
国内に保有する金(ゴールド)の量に応じて、
政府が発行できる
貨幣の量が制限されるというものです。
アメリカは当時、
世界の金の7割を保有していて、
ドルが基軸通貨として
機能していたことが理由です。
ただ、1955年から
20年間続いたベトナム戦争時に、
武器などの購入のための
戦費として多くのドルが
外国へ流れました。
その結果、
外に流れたドルは、
アメリカの金を購入するために使われ、
結果として、
アメリカ国内の金が外国へ流れていくことになります。
その流れが続き、
ドルと金の流出が続いて、
アメリカの外にあるドルが、
国内の金の量を上回る寸前になりました。
金本位制ですから、
通貨の裏付ける金が不足することになれば、
ドル自身の信頼が揺らぎます。
信頼がされなくなると、
価値は暴落方向へ進みます。
この流れは止めたい!
となったアメリカは
国内外に向けて、
いくつか経済対策を行いました。
その1つが、
ドルと金の交換を停止する
ということでした。
これがニクソンショックと言われています。
これにより、
世界中の多くの国が、
変動相場制に移行しました。
当時は、金の担保もあり、
1ドル=360円と決まっていたのですが、
その金の根拠がなくなったため、
変動相場制に移らざるを得なくなったわけです。
少しややこしいですが、
この点が非常に重要です。
再度確認になりますが、
固定為替相場制であれば、
自国通貨の価値を一定にするために、
外国の国債を発行する必要があります。
自国通貨を運用していても、
外国の国債を発行していれば、
税金などで返済する必要があります。
実際に、
レバノン以外でも、
ロシアなども最近の侵攻により
国債銀行間通信協会から排除されたことで、
ドル建ての国債が債務不履行となりました。
よく、
日本は過去の他国のように
財政破綻すると言われたりしますが、
情報を整理すると、
立場、状況の違いより
『本当に?』
となる人も増えてくるかもしれませんね。
次回もお楽しみに!
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