シリコンシーラントと Si ケイ素 シリコーン
うちにはこの手のものは何でもある・・・わけではないが、普通の家では使わない道具が色々とある。
台風が来るとな・・・予想では関東直撃(実際はかなり逸れたけれど)。前々から心配になっていたベランダのひび割れと小さな穴。ひび割れは防水塗料を塗ればかなり対応できるような気がするのだが、発見してしまったのは立ち上がり部分の穴。
普通の雨ならその穴まで雨が行くことはまずない。集中豪雨で時々警報が鳴るのは 80mm/h の豪雨の時。これは1時間に8cm貯まる水の量という意味。1時間降り続いて、排水が詰まっていていたらベランダに8cmの水が溜まってしまうという事。集中豪雨だとほんの10分位なのであまり心配していなかったが、台風となるとそれが2時間-5時間続くかもしれない。
ベランダの排水は詰まってないので穴まで行く確率は低いのだが、上からの雨だけではなくて風があると海の波みたいに堤防に海水がぶちあたるようにもなる。ニュースを見てると総雨量200何ミリなんていう所もある・・・
我が家の中に雨水が入るのは嬉しくない。前置きが長くなったが、このシリコンシーラントを使って穴を塞ぐ事にする。ホームセンターではこの手の注入装置(灰色の機械)は実は安く(数百円)で売っている。大工さんがこんなのを使ってるのを見たことがある人もいるでしょう。
再度脱線するが、シリコンというと科学的な私にとっては Si 原子番号14 シリコン 珪素 金属のシリコンの事だ。私は半導体業界で働いたこともあるので、シリコンインゴット、シリコンウエハーというのは馴染みがある。地球上で酸素の次に大量に存在している物質だ。岩とか砂とかの主成分ね。ちなみに、珪石はSiO2で、酸素とケイ素の化合物なので地球はほどんどこれで出来てるのね・・・
それに対してシリコンゴムとかこのシリコンシーラントというのもある。みんなが使っているイアホンのイアーピースもシリコンを使っているのもあるし、パッキンでも活躍。
長年疑問に思っていたのだが、このシリコンたちは同じ事を示しているのか、それともたまたま同じ名前になっているのだろうか? どうみても硬さが違うのでちがう物質のような気もする。
調べると、シリコン と シリコーン があるらしい。シリコンは金属で、シリコーンの方がゴムの方である。シリコーンゴムというのが正しい名前のようだが短縮してシリコンゴムになってようだ。
更に調べると、シリコンはシンプルな金属なのだが、シリコーンは化学式は色々とあって書けないぐらい色々と含まれているが、原子のSIもかなりの割合で含まれている。
シリコン Silicon
シリコーン Silicone 最後にe がつく
そんなわけで、穴を塞いでペンキを塗ってベランダの補強は完成した!!
これは業者に頼んだ部分で穴をかっちりと塞いでくれている。
そして私はサラリーマン時代、シリコンインゴット世界最大手の信越化学工業の担当でもあったのでこの手はすこしだけ詳しい。当時は6インチウエハーが主流で8インチもそろそろ、10インチも実験レベルでは完成してる位の時代だった。単結晶シリコンというのはあの太い柱全部が一つの元素・・・想像を絶するような技術なのね。