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ライドシェア政策へのパブコメ 子育て世帯の目線から #162

グダグダ度合いで総ツッコミを入れたくなる、ライドシェア政策へのパブコメをしました。

1ミリも進まなかった議論が前に進んだことは、良いと思うのですが、改めて「たたき台」を読むと、全然、ライドシェアサービスになっていないツッコミどころ満載の政策になっていて転げ落ちます。

木下斉さんのnoteでも、このおかしな制度に対して、それぞれの視点からパブリックコメントを入れていこうと書いておられます。

私自身も、アメリカでUberを利用して利便性を感じておりますし、日本の子育てにおいて既存のタクシーの不便さを痛烈に感じてきました。

ですので、以下の通り、パブリックコメントを送りました。現状は、タクシー業者優遇の政策になっていますので、しっかりと多様な国民が声をあげていかないと、良い社会に変わっていきません。

現役世代の皆さん、声をあげていきましょう


はじめに

「あくまでもたたき台」である、案に対して、意見を申し述べます。

子育て世帯の移動をより活発にしていき、さらに、日本の次世代の大きな成長機会である、インバウンド消費をより活性化していく、国土交通政策の大局的な見地から、たたき台の案に反対し、政策の再考を強く要請する次第です。

ライドシェアサービスを普及させるために、タクシー業界の既得権益を乗り越えて、広く多様な事業者が参入することが必要であると考えます。

そのために、具体的に、
(1)タクシー業界の監督下による参入という前提を変えて、自由参入を促進する、
(2)産後の女性、就労者の副業としての参入支援政策の展開
(3)子育て世帯の移動が安心して行えるように、性犯罪履歴のあるドライバーの登録規制

という視点から、たたき台には反対し、改善提案を述べたいと思います。

以下にて、筆者の立場、たたき台に対する疑問と改善要望、政策要望5つの視点について記載いたします。

■筆者の立場

30代男性。3歳の双子、1歳半の子どもの、3人を子育てしております。
過去に海外でUberを利用した経験もあり、その利便性を高く評価しております。
アメリカでの家族旅行をカスタマイズして儀父母の旅の満足度を高めることができました。
仕事においても、空港からホテルの移動などで利用しております。

■「たたき台」への疑問と改善要望

タクシー会社の管理監督のもとで行うという点が、規制緩和の視点から問題であると考えます。

資本主義社会においては、あくまでも「選ぶのはお客様(国民側)」であるという原則を徹底することを求めます。

市場への自由な参入を促すことで、需要と供給をバランスし、新規参入を促し、多様なサービス市場を形成することが重要です。

政府の役割は特定産業の保護ではなく、市場メカニズムの適切な働きを阻害する要因の排除にあると考えます。

一般自動車のドライバーがライドシェアに参入することで、移動手段の利便性が高まり、タクシー不足の緩和、インバウンド観光客による消費の活性化が促進されます。

さらに、多様なドライバーが参入することで、福祉車両、子育て世帯に特化した旅行支援車両、保育園、幼稚園への送迎の効率化など、「公共の福祉」に資する活性化が期待できます。

その際、既存のタクシー業界はプロのドライバーであるという点に付加価値を持たせて、高価格サービスを展開するなど、ライドシェアのドライバーは異なる差別化を行い、競争していくいことが健全な発展につながると考えます。

■子育て世代の目線からの政策への要望

上記の大原則を踏まえたうえで、子育て世代、女性、障害のある方など、マイノリティの方への配慮が重要であると考えます。

また、現実的に、会社員の通勤経路での副業によるドライバー参入を促すには、労災認定の緩和、損害保険の加入など、市場参入を促すための政策支援は重要であると考えます。

双子育児の目線から感じた移動の困難さ

東京23区の都営バスでは、双子用ベビーカーの乗車ができるようになりましたが、多摩地域では双子用ベビーカーを乗せてバスに乗ることはできません。

タクシーを利用しようとすると、通常のセダンタイプでは、荷台に乗らないケースもあり、ミニバンタイプなど、ジャンボタクシーを選んで利用する必要があります。しかし、ジャンボタクシーは全体に占める割合が少なく利用が困難です。

また、乗車しても、高齢の男性ドライバーに遭遇する割合がたかく、子育てに関する話題でコミュニケーションが盛り上がることはありません。

一般の自動車のライドシェア参入を促すことで、以下のような移動支援と移動中のコミュニケーションの創出が可能であると考えます。具体的に以下の5つの視点から考えを述べます。

(1)孤立化する妊産婦を支援する視点

一般自動車のライドシェア参入を促すことで、ベビーカーなどを乗せやすいミニバン車両による移動の利用が促進できます。

また、出産・育児経験のある女性ドライバーを選択して、産婦人科や小児科への通院を行うことで、送迎中にママ同士の会話が弾み、その時間も孤立化しがちな産後ママたちにとって価値あるコミュニケーションの時間にすることができます。

また、女性ドライバーであれば、移動中の授乳なども気兼ねなくできる点も女性の安心につながります。

政府として、産前産後の伴走型支援を行っていく流れがありますので、ライドシェア解禁により、

例えば、助産師が運転する車両によるママのお出かけ支援サービスなどが生まれてくると、赤ちゃんとともに外出しつつ、ママも太陽の光を浴びてリフレッシュすることができ、産後うつの予防などにも効果的であると考えます。

(2)子育て世帯の旅の支援 ニッチなニーズをとらえたサービスが生まれる

子ども3人を連れて旅にでたいと思っていますが、新幹線で移動した先で、レンタカーを借りて、
さらに、3人分のチャイルドシートをレンタルして細かく移動しながら旅を楽しむのは難しいと感じています。

ライドシェアサービスにより、子ども3人が乗れて、お菓子をこぼしても大丈夫で、iPadでYouTubeが観れて、後部座席でオムツ替えもできる車両があれば、新幹線や飛行機で移動し、現地ではライドシェアサービスを活用して移動することができるため、現役の子育て世帯の移動が活性化すると考えます。

また、義母が半身麻痺のため、車椅子での移動を行うのも困難ですが、福祉車両が市場に供給されることで、
ハンディキャップを持った方の移動もより活性化すると考えます。

こうしたサービスは市場が自由に競争するからこそ、ニッチだが切実なニーズをとらえた形で発展していくと考えます。
ペットとともに移動できるサービスなども、既存のタクシー業界では限界がありますので、市場開放して新たなアイデアを競わせることで活性すると考えます。

(3)多様なマネタイズ機会の創出

上記のサービスは受益者型の視点で書きましたが、いつでも提供者になることができる点も魅力的です。

保育園の送迎と通勤で毎日市役所の前を通るルートを運転しています。また、高尾山など、観光名所になるエリアも近隣にあり、子連れで旅をしたい方、市役所に行きたい方を送迎できる機会があるのに活用できていないと感じます。

8人乗りのセレナに1人で乗って運転している時間があり、生産性が低くてもったいないなと感じています。

パートタイムでインバウンド観光客を送迎したい方、自身もハンディキャップを抱えており、そうした方のニーズを組んでサポートしたい方も、市場経済のなかでマネタイズできる機会をもつことで、所得向上につながると考えます。

私自身も、双子家族の移動支援や、アウトドアを楽しみたい家族向けの移動支援など、自身が課題に感じた領域があるからこそ、この領域で付加価値の高い顧客目線のサービスを創れると考えます。

(4)参入を促すための政策支援が重要

その際には、通勤途中でもライドシェアサービスの副業を認める法令、保険加入の補助、雇用主への政府としての要請など、サイド事業として実行するためのハードルを下げていき、参入障壁を下げるための政策こそ重要となります。

また、産後の女性が参入する際にはより優遇する政策を展開するなど、傾斜をつけて多様性を生み出すための支援が必要であると考えます。

個々の事業者がITシステム投資の負荷を少なくできるように、ライドシェアの共有プラットフォームを提供して、デジタル決済と利用者の相互評価を促進するなど、提供側、利用者側の利便性向上支援も不可欠だと考えます。

間違っても、Goアプリだけを優遇するような政策は廃止すべきだと考えます。

さらに、子育て世帯の保育園や習い事の送迎などで利用を活発にするには、安心して利用できるように、性犯罪履歴のある方のドライバー登録を禁ずるなど、市場が失敗してしまう要因を法制度によって守ることも重要だと考えます。

(5)議員、公務員研修にライドシェア体験を義務化

最後に、政策立案側がライドシェアサービスの利便性と課題を体感的に理解していくことが重要になります。

そこで、国家公務員試験に海外でライドシェアサービスを利用した体験を踏まえた問題を出し、議員にもライドシェアサービスの体験を義務付けていただければと思います。

以上の5つの視点から意見を述べました。

素案の「たたき台」に対しては、反対しております。

タクシー業界への過剰な優遇は、マクロでの成長機会を奪うものであると考えます。

「今後、タクシーが不足する地域・時期・時間帯におけるタクシー不足状態を、道路運送法第78条第3号の「公共の福祉のためやむを得ない場合」である」と記載がありますが、

多様なプレイヤーの市場への参入を促しつつ、犯罪抑止などの政策を講じるのが重要ですので、タクシー業界の管理下のみで展開するのは、公共の福祉のためにならないと考えます。

子育て世帯の移動をより活発にしていき、さらに、日本の次世代の大きな成長機会である、インバウンド消費をより活性化していく、国土交通政策の大局的な見地から、政策の再考を強く要請する次第です。

何卒よろしくお願い申し上げます。

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