私が記者なら小泉進次郎さんに何を聴くか #333
皆さんこんにちは。双子パTakaoです。
今日は良い質問とはなんだろうか?ということを考えたいと思います。
先週、小泉進次郎さんの自民党総裁選出馬会見を全て視聴しました。
リスペクトを欠いた非難に対しても冷静に受け止めて誠実に対応する姿勢は小泉進次郎さんの余裕や歴戦の揉まれてきたしなやかさを象徴する場面になりました。
それにしても、最後のメディアの方との質疑応答がとても気になり、日本のジャーナリストの質問スキルの低さを感じました。
視聴していて、質問として成立していたのは日経新聞の記者の質問だけだったと思います。
就職活動の面接や研究におけるインタビューでも良い質問が良いコミュニケーションには不可欠です。
そこで、良い質問の要素を整理して、小泉進次郎さんの記者会見の際に私なら何を聴くかを考えたいと思います。
良い質問の要素① リスペクト
まず質問というのは、相手との対話であり、対等な関係であることを前提にしたリスペクトが不可欠です。
質問機会をいただいたことへの感謝や、相手が考えを伝えてくれたことへの敬意を伝えてから質問していくことがマナーです。
記者の場合は時間制限や慣例もあるのでしょうが、いきなり御礼やリスペクトを示すことなく、「あなたの知性が低いことを皆が心配している」とか言い出したりするのは、質問ではなく、ただの差別発言です。
良い質問の要素② 質問の意図
加えて、質問の意図を明確にしていないコミュニケーションも多く、とても気になりました。
なんのためにそのことを聞きたいのか、それを聴くことにどんな価値があるのかを明確にすることをポインティングと言いますが、ポインティングが明確になっていない質問が多かったのも気になりました。
良い質問の要素③ 自分なりの意見(仮説)
さらにもっと深刻なのは、質問は対話型のコミュニケーションですが、自分なりの意見をぶつけて議論を深める質問は1つもありませんでした。
よく記者の方は、「◯◯さんのお受け止めを伺いたい」という言い方をしていました。
これは質問ではなく、情報をリサーチするためだけの投げかけのため、質問ではなく、検索ワードを入れただけの状態です。
そうではなく、私はこうした方がいいと思うが小泉さんはどう考えますか?というのが対等な関係に基づいた質問です。
例え表に出さなくても、あなたはどう考えますか?と切り返されても私はこう考えるのですがいかがでしょうか、と対話ができてはじめて深い議論になっていきます。
メディアに必要な質問の要素 引き出す力
総裁選記者会見という文脈で考えると、記者会見では語られていないテーマを以下に引き出していくかというのも記者の腕の見せ所です。
政策発表で意図的に語られていないテーマであっても、日本の国益を考えると新総裁候補の意見を聞いておきたいテーマはいくつもあります。
今回の記者会見では、経済紙のポジションから日経新聞記者が以下の2点を聞いていました。
まず、「岸田政権の経済政策をどう評価しているか」という質問です。
これは小泉さんの経済政策の方針や、貯蓄から投資への流れを加速させようと進めてきた岸田政権の取り組みを市場関係者はポジティブに評価しており、小泉さんはどのようなスタンスなのかを知るうえで大切な質問でした。
基本的に引き継いでいく考えが示され、規制改革のなかでは、スタートアップの譲渡益に対して非課税にしていくという方針も打ち出されました。
また、エネルギー政策に関する質問も、原発再稼働に反対していた小泉さんの姿勢を聞くうえでは大切な質問でした。
私が記者なら何を聴くか
では私が記者として会見に参加させていただけたら、何を聞くか質問を考えたいと思います。
まず双子パパですので、子育て政策についての質問をします。ポジショントークです(笑)
「会見の冒頭で、2児の父親になり物事の見え方が大きく変わったとのお話しがございました。まだまだ女性に家事育児の負担が大きい社会です。新政権では、少子化対策・子育て支援に対してどのような考え方で取り組まれるか。具体的な政策案もあれば教えてください。」
私の意見としては少子化対策は結婚を希望する方が結婚しやすい経済・雇用政策を打つこと、子育て支援では男性の育児休業をより取得しやすい政策を総動員し、ハウジング政策の強化など、経済支援、子育ての手を借りやすい制度をより強化していくべきであると考えます。また、医療的ケア児や多胎児など、困難を抱える育児に対する国の支援を抜本改革していくべきだと思いますが、小泉さんの考えを伺いたい。
続いて、社会保障改革について質問します。
「規制改革に決着をつけるとの話がありましたが、我が国の最大の支出は年金・医療・介護分野です。年金・医療・介護分野の規制改革の決着について取り組むことを教えてください。」
私の意見としては、一定の資産のある高齢者への年金給付の抑制や所得や資産に基づいた適切な医療・介護費用の負担など、現役世代の社会保険料を引き下げ、将来にわたる制度設計を行うべきだと思いますが、小泉さんのお考えを伺いたい。
社会保障改革については会見の政策で触れていませんでしたし、記者も誰も質問をしないのがとても不思議でした。
強い選挙基盤を持つからこそ、社会保障改革などのしがらみの塊の分野にも手を付けられます。
こうした点に斬り込んで議論できるとさらに小泉さんの考え方を引き出すことができたと思います。
仕事の場面においても、質問スキルはありとあらゆる場面で必要になります。意識的にアタマの体操をして考えていくことで、コミュニケーション能力を鍛えていきたいと思います。