見出し画像

「大丈夫」と言える自分でいたい

こんにちは、産婦人科医の高尾美穂です。

今日もいただいたレターを一つご紹介させていただこうと思っていますが、今回私がこのstand FM というアプリを使って高尾美穂からのリアルボイスという配信を続けてきて、この配信が本になりました。

このまま音声の配信というものはデジタルで、形のないもの。
これが本という、アナログで形あるものに姿を変えていく。これが嬉しく、とても面白いと感じます。
形があるものにも、形がないもの価値がある時代。

私達の年代は形があるものに価値を見いだすことはわりと簡単だったわけですが、今のように形のないもの、手に取れないものに価値がある時代。

これが相互に行き来するという面白さがこのstand FM というアプリを含めて音声の配信音声の SNS には、この先も未来があるのだろうな、なんてことを感じてもおります。

とてもありがたいなと思い皆さんにもご紹介させていただきました。

それではいただいたレターを読ませていただきます。


いつも優しくてありがたい雨を降らせ続けてくださり、ありがとうございます。

日々先生にご相談したいことはあれこれありますが、今日は是非とも心揺さぶられたお礼を申し上げたく、レターをさせていただきました。

以前メカちゃんさんとのライブ放送でおっしゃっていた日めくりカレンダー。
楽しみにしておりましたら、LINE でお知らせいただき、そして大丈夫タオルも作成されるとの事。

大丈夫という言葉は、魔法の言葉ですね。
シンプルな言葉ですが、発してくださる方によって、何倍も何十倍も、何百倍ものパワーと安心感をいただく気がします 。

先日偶然見ていたテレビで、元宮崎県知事の東国原さんが、瀬戸内寂聴さんの訃報について、寂聴さんとの対談の様子を話しておられました。

東国原さんが、当時世の中を騒がせた不祥事で落ち込んでいると話をしたところ、寂聴さんは一言、「大丈夫」とおっしゃったそうなのです。

その一言で、東国原さんは、どれだけ心救われたかという話をされていました。

このエピソードと、先生が発売予定のタオルに、「大丈夫」と書いてくださったことで、この言葉のもつ力を考える機会となりました。

私も、「大丈夫」という一言で、誰かの力になれる生き方ができたらと思いました。

今回頂いたレターというのは、ご相談ではなく、私がこれから先取り組んで行こうと思っている、ちょっとしたオリジナルアイテムの中の今治タオルの事です。

そのタオルに、私のイラストと、「大丈夫」という言葉を刺繍していただきました。

その事について、この「大丈夫」という言葉は良いですねというレターをくださったのだと思います。

「大丈夫」と言う言葉にこめた意味

この「大丈夫」という言葉は、実は2020年の年初めに、一年の目標としてあげた言葉だったりするんです。

この三文字の熟語。
3文字の熟語縛りで、一年の目標を立てましょうということを、2020年の頭にしました。

私は毎年1月3日に、ヨガのイベントを開催しています。

これまでというのは、もちろんみんなで集まって、同じ場でヨガを一緒にして、それぞれが目標を自分で話す場を設けてきました。
そして、その目標というものが、文章という形で準備することも多いかもしれません。

その時に、例えば二文字の熟語で、三文字の熟語でのような形で縛りを作り、そして皆さんに目標を言っていただくみたいなことを続けてきています。

私が、3文字の熟語で目標を話しして欲しいということを決めて、そして皆さんに色々な三文字熟語を言っていただきました。

そんな中で、私がご紹介したのが自分の目標としての「大丈夫」という言葉です。

この2020年1月1日。この頃は、まだコロナというものは全く日本にはその気配も感じさせることがありませんでしたので、特段変わったお正月ではなかったわけです。

でも私自身が、大丈夫という言葉を選んだ理由というのは、自分自身がまずは大丈夫と思えるような状態をキープしたい。そして人にも大丈夫だよと言えるような自分でいたい。

そういう思いを持って、自分で「大丈夫」という三文字熟語を目標と決めました。

この大丈夫という声をかけたくなるような、そして非常に必要とするような2020年だったような記憶があります 。

そんな中で2021年も、3文字で目標を立て、今までのリアルボイスでもご紹介したりしていますよね。

大丈夫という言葉は本当に私たちに心強さをくれるなと、以前から思っていました。

どんな意味があるのだろうということを以前調べてみたことがあります。皆さんもイメージされてるつもりこれは大という頭がついた、頭の言葉がついた丈夫という言葉で、元気な男の人という意味なのです。

体の強い男の人、そこに大きいという言葉がついて、さらに非常に体の状態が良い人、体が壊れそうにないような人のことを指していました。

今では、危なげがない、間違いがない、問題ないといったような言葉として使われています。

そもそもこの、「丈夫」という言葉の語源というのは、やはりは仏教からきております。

大丈夫っていう言葉はそもそも御出家された方が使われるお言葉で、いわば間違いないということです。

何か相談をされた時に、大丈夫。
一言お答えなさるということは、心配することは必要ないということを言ってくださったという意味なのだろうと思います。

私が2020年のお正月に、そこまで知って大丈夫という言葉を選んだわけではありません。

しかし、私自身がすごくこの3文字。
たった3文字で、どれだけ私たちの心を勇気づけてくれる言葉か。

そう考えた時に、この大丈夫という言葉をみんなに届けたいなという気持ちを持ったので、自分自身のモヒちゃんの可愛いイラストと一緒に、大丈夫という言葉を添えて、オリジナルのタオルを準備していました。

そんな中で、瀬戸内寂聴さんがお亡くなりになったというニュース。

そして彼女が、色んな方から相談を受けられていた際に、大丈夫という言葉をお届けになっていた事を、あちらこちらから聞いて、すごくつながりというものを、勝手に私自身も感じた次第です。

大丈夫と言うことを言える状態

この大丈夫だよと言える自分でいる。
これは、やはり私たち自身が、自分の身体、心というものを、ある程度自分なりに OKが出せる状態でないと、他人に大丈夫と言えないと思います。

自分自身が、大丈夫だよという思いで、朝を迎えられるということ自体は、非常に私たちにとって望ましい1日のスタートでしょう。

そして、何かがあった時に人に向かって。大丈夫と言えるような自分自身を保つということも目標の1つにできる事じゃないかなと思っております。

自分が大丈夫である状態。
もちろんこれは、体が問題ない状態、間違いがない状態。

そして、そこに大がつくということは、より良い感じということになるので、この大丈夫という言葉の投げかけを、人にできる自分をキープする。

そのイメージというのは、マイナスからゼロではなく、0からプラスに持っていくイメージに他ならないわけです。

この瀬戸内寂聴さんは、おそらくとても多くの方に、きっと大丈夫という言葉を届けてくださってると思います。

彼女の著作の中に大丈夫っていう言葉が使われている本も、もちろんありましたし、彼女のイメージの「笑顔」という言葉だったり、笑うという言葉だったりを、ちゃんと言葉として選ばれている。

その事が、彼女の生き様そのものを示してくれてるんだろうなということを、改めて感じていた次第です。

そんな中でいただいたレターだったので、皆さんにもぜひご紹介してみたいなと思ってお話しさせていただきました 。

日本語の中には結構をこの仏教から来ている言葉が自然に存在していて、しかも私たちはそこに意識を向けることなく、普通に使ってたりしますよね。

でもたまにこの言葉が、どんな意味を持ってるのだろうと思う言葉があったら、もう今は簡単に調べる事ができるので、そこで一度調べてみるとその語源というものが面白い所にあったりすることも多いです。


まとめ


今回はこの大丈夫という言葉が、私たちのね体がしっかりした状態というところから来ていること。
そこにさらに間投詞として大きいという字が付いたら大丈夫。

そもそもは大丈夫という言葉は、明治ぐらいまでには2つの意味で分けて考えられていたそうです。

私が今普通に使ってる大丈夫っていう意味合いとは違って、大丈夫というのは強い男の人という意味の言葉としても使用されていた様です。

それぐらい、やはりまずは体が元気で、そして心も元気で、前向きでいたいと言う状態を意味する言葉だなということを改めて知りました。

大丈夫と声をかける際の、最後のイントネーションを変えるだけで、随分相手に対する思いというものも違った思いを伝えられるものだということも皆さんも感じておられる通りでしょう。

自分自身が大丈夫と言える状態でいると、本当に日々のメンテナンスも必要です。日々の生活習慣を意識したりしないと、なかなか自分自身にまずは大丈夫を出せない。

そして、人に対して大丈夫と言えるような自分というのは、それこそ本当に自分が心細い時ですら、人に向かってきっと大丈夫ということを、私たちに言ったりすることもあると思います。

そんな時、その言葉を聞いただけで少し自分の芯というものが、少しだけ太くなるような心持ちだったことも皆さんあるのではないかなと思うと、やはり言葉がくれる私たちへのメッセージは、本当に有難いということを改めて感じた次第です。 

皆さんが、毎日大丈夫と言える状態でいることを、心から願っております。



皆さんからの温かいサポートはすべて「保護ねこ活動の支援」に使わせて頂きます。 いつもご声援有難うございます。