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信頼される人とはどんな人か?
こんにちは、産婦人科医の高尾美穂です。
みなさんの周りに信頼できる方がいるとしたら、その方はどのような方でしょうか?
今回は、どんな人が信頼できるのかということについて考えてみたいと思います。
私自身は、人から信頼されたいという思いが非常に強い人間です。
これはいつぐらいから始まったのかと言うと、私の中ではこの理由がはっきりしていて、10歳、小学4年生の時です。
子供の頃、夏休みには毎年YMCAのサマーキャンプに出かけていました。
6日〜7日で帰ってくるスケジュールでキャンプに行くのが一般的ですが、小学4年生の時だけはロングキャンプという45日間ほどある、夏休み中ずっと行ったきりになるようなキャンプに参加をしました。
このキャンプは、小学1年〜中学3年までが集まり、色々な人と過ごす事で社会性が身につく非常に良い体験になった記憶があります。
しかし、実はその間に私の母は入院をし、手術をして既に退院していたということが後に分かったのです。
サマーキャンプに行く時には、当然のようにお母さんは見送ってくれて、帰ってきた時にも当然のように迎えに来てくれたわけですが、実は家族の中で私だけが知らない状態で、母の手術が終わっていました。
これを後に知った時は、何でだろうと考えてみました。
もちろん家族の中で、祖父、祖母、父、そして私の7つ上の兄、ここまではみんな知っていることでした。
小学4年生の私の下には、妹弟もいないため、一番下の子には心配をかけたくないという思いで私をロングキャンプに出し、その間にすべて終わらせていたというのが実際のところです。
しかし、後に一緒にお風呂に入ったりする機会を持った際、母の体の変化に気がつくわけです。
そんな時に私にだけ知らされていなかったという事実を知り、自分が信頼される大人になりたいと思ったのです。
もちろん、医者になるという選択肢も出てきたわけですが、信頼される人にはどうやったらなれるか。
これは非常に難しい問いだと思います。
なぜかと言うと、信頼される人というのは、自らが信頼される人になるというよりも、周りの人が勝手に信頼を寄せるからこそ生まれる状況だと思うからです。
一生懸命信頼される人になろうという努力をしたとしても、周りの人が信頼するかどうかは別だということです。
そう考えた時に、この信頼される人であるためには、どんな人であればいいかという問いは愚問だということに気づきました。
それでも、敢えてどんなことだったら信頼できるかを考えてみた時に、おそらく一貫性のある人は信頼されるだろうと思います。
例えば、相手によってコロコロ手のひらを返すように態度が変わるような方。
この人には挨拶するけど、この人には挨拶しない。
この人には非常に丁寧な態度や言葉遣いなのに、他の人にはすごく冷たいあしらいをする。
あとは、言っていることとやっている事が一致しない。
このような相手によって態度が変わる人、言っていることがよく変わってしまう人というのは、なかなか信頼されない人なのだろうと思うわけです。
一貫性がある状態というのは、残念ながら1日、1ヶ月、1年という単位で信頼は得られるものではないので、ある程度の長い間、何かを続けていることも必要なのだろうと思います。
例えば、私は10年twitter続けていたり、それ以外にはこのstandFMだったり、後はfacebookも毎日とは言いませんが、何か出来事があった時には、写真と文章をあげるようにしています。
インスタに関しても1週間に1回ぐらいなるべく自分が写っているような写真を載せたりするようにしています。
こういったSNSが続いているということ以外にも、例えば日記が続く、手帳を書くことが続くなど何かしらがちゃんと続けていけるような方。
もしくは姿勢や態度、やっていることに一貫性があるような方は、おそらく信頼される可能性が高いと周りを見ていて感じます。
信頼される人になりたいという気持ちはすごく分かります。
しかし、何かをしたら必ず信頼されるということは、残念ながらありません。
自分が信頼される人であるためには、逆に信頼を失わないということがきっと大切だと思います。
例えば、待ち合わせの約束をして、それに遅刻をしないとか、口にしたことは実行するなどが挙げられると思います。
つまり、人との約束を守れるかどうかも大きな信頼につながります。
一般的に社会では、約束が守れない、たった1回の、それだけのことで信頼というものは大きく揺らぎます。
そう考えると信頼というものは、積み重ねていくものです。
つまり、時間をかけて会う機会、触れ合う機会を増やすことによって得ていくもの。
しかしそれは、残念ながら何もなくて当たり前。
何もなくて積み上げていくことができるものだけれども、何か問題が起こった時には、簡単に失い、ガラガラと崩れていくもの。
ある意味、少しの緊張感を持ちながらキープし続けるものなのだろうと思っています。
今回は、信頼される人はどんな人なのかというテーマで、私なりに信頼される人はこういう事ではないか考えてみました。
・一貫性がある人
・何かを続けていける人
・誰に対しても態度が変わらない人
・積み重ねていったものを失わない努力している人
このようなことが大切なのではないかというお話をさせていただきました。
私たちの信頼関係というのは、私たちのコミュニケーションの機会、
そして一緒に共有する空間で成り立っていると思っています。
皆さんも、周りにいる人たちとの信頼関係や、この人は今自分にどれぐらい信頼を置いてくれているのか。
そして、自分のどんな部分が信頼を損ね、逆にどんな部分が信頼を積み上げていけるような理由になり得るのか。
一度振り返る機会にしていただければと思っています。
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