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大嫌いな人とのコミュニケーション

こんにちは、産婦人科医の高尾美穂です。

今日もいただいたレターをご紹介させていただきます。

毎日、先生のお声を聞くのを楽しみにしています。
大嫌いな人とのコミュニケーションの取り方について相談させてください。私は49歳、パート勤務です。
30代前半の職場の後輩の行動や態度にイライラします。
年が離れているから考え方が違うのかもと初めの頃は寄り添う努力をしていました。
しかしあり得ないと思い、思えることが何度もあったので心を乱されるようになってきました。
先生は他人のことを変えるより、自分が変わった方が楽とか、他人を気にしてイライラしてしまうなんてそんな時間の使い方はもったいないというようなことをおっしゃっていたので、その通りだと思い気にしないように努力してみました。
でも同じ職場で働いていれば、目や耳に入ってきます。
以前は、できないなら何度でも教えてあげようなどと思っていましたが、今は関わりたくありません。視界に入れたくないのです。
でも、それでは全くコミュニケーションは取れません。
正直取りたくありませんが、社会人としてそれではいけませんよね。
いつも心穏やかに過ごすには、どうしたらよいのでしょうか。

ということで、年齢が一まわり以上違う部下ではないでしょうね、

同僚の後輩、この方に対してどうしても、もう大嫌いになってしまったという方からコミュニケーションどうしたらいいんだろうか、というご相談のように思います。

そして私は今までも、他人のことを変えるのは難しいから自分が受け取り方とかを変えてみたらみたいな話を繰り返してきた訳ですが、今回はこの大嫌いな人に対してどうしたらいいだろうかというようなご相談かと思います。

まず、この大嫌いっていう状態と、何となく嫌とか生理的に受け付けないとかという状態って別だと思うんですね。

どういうことかというと、大嫌いになるには理由があるということです。


大嫌いになるには理由がある


今回レターくださった方の場合は、お仕事でご一緒していて、あり得ないと思うことが繰り返された、だから大嫌いということですね。

よくある、何となくまあ気が合わないとか、いまいちとかっていうような状態というのは、そんなにもコミュニケションが多くないのに、何となく見た目が気に入らないとか、フィーリングが合わないとか、多分こういうような割と、曖昧な理由でいまいちって思うような関係性の人っていると思います。

でも、はっきりと大嫌いって言えるところまで行っている場合っていうのは、正直ここから先、コミュニケショーンを持って、関係性を回復させていく努力は必要ないのではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。

私の場合は、仕事上で大嫌いになる人っていうのがいるかいないかって言ったら、大嫌いになるっていう感情の変化が起こるよりも前に関係性が終わるので、仕事面で大嫌いになる人って、まずいません。

大抵フェードアウトして、関係性が途切れて、なんとなく記憶が薄れていくという感じですかね。

なので大嫌いになるよりも、前に存在そのものがなくなっていくというようなイメージかと思います。

ですから、仕事上の付き合いの方っていうのは、大嫌いって思わなければいけないような人はいませんというのが私の周りの状態かと思います。

一方で、趣味ですよね。

特に私だったらジム、このジムの付き合いっていうのは結構色々あって、大体同じ曜日の大体同じような時間に、大体同じスポーツクラブに行っていて、そして大体同じような場所のロッカーを使うんですよ。

これで行く人だと分かると思うんですけれども、このロッカールームっていうのも、まあまあ広さがあったり、いくつもあるんですね。

でも、なんとなく自分が好きな場所っていうのは決まっています。

奥の角とか、それこそ上の段と下の段があったら下の段が好きな人と上の段が好きな人がいる。

長い形のロッカーと正方形に近いロッカーだったら私は長いロッカーが好きとか。

こういうような好き嫌い、もしくは混んでないところを選ぶとか色々あるとは思うんですけども、毎回全然違うところを使う人ってあんまりいなくて、大体同じようなエリアから選ぶのが一般的なんですよね。

おそらく何回か行ってみたというような方であれば違うと感じるかもしれませんが、私みたいにもうジム歴20年みたいな人だと、どこのジムに行った時には、この辺のロッカーを使うみたいなのが、決まっちゃってるんですね。

空いてなかったら諦めますが、他の候補の一か所二か所が空いてたら大抵そこに行くみたいな。

同じ曜日、同じ時間、だいたい同じ場所にそこにいる人とかがやっぱりいたりするんですよね。

でも、もちろんお互いに、どういう社会的な背景を持っている人なのかが全然わからない中で、凄く感じの良いコミュニケショーンを取れる人ばっかりかって言われたら、決してそうではありません。

特にコロナの間だと、マスクをするとか、手を洗うとか、それからどれぐらい衛生な状態を保つか。

これはアルコールを使う頻度など皆んな色々ある訳ですね。

そういった状態に対して舌打ちする人とか、やっぱりいらっしゃいます。

そうなると、何となくこの人ちょっと避けたいなと思うようになります。

一回も会話したことないのに、あの人何となく嫌だなとかなるわけです。

しかもそれが、何となく嫌だなではなく、はっきりと理由がある”あの人なんとなく嫌だ”なんですね。

となると、できるだけ避けるっていうのが正解で、自分がロッカーの場所を変えて、その人と近くいいなければ済むということになりますから、そういう選択をするということになってきます。

そうなれば、大嫌いな人にまで行かずに、手前で自分なりの対処ができる。

これもレターに書いてくださった方が、仰っている通り、相手を変えるのは難しいから自分が変わる、自分の行動を変えるということです。

同じ場所のロッカーではなく、違うところを使いましょという話になる訳ですよね。

なので、嫌なことがあった時には、どうしたらいいかなって思うわけなんですけれども、今回の場合はひと回り以上年下で、仕事ができる・できないっていうのを考えると、おそらく、できなそうだなと思うような感じの後輩なんだろうと思います。

仕事ができる・できないより、おそらく人としてとか、こういったところで嫌いになってしまったのだろうと感じます。

嫌いになった場合には、とにかくコミュニケショーンを持たないのが一番です。


なるべく離れることも必要


なんとなく近い距離感にいるから嫌な思いをするのであれば、なるべくその人とは遠く離れる。

初対面の人だった場合は、今日は厄日みたいに思うのかもしれませんが…

しかし、何回も会うようなら、避けるに限る、まさに”君子危うきに近寄らず”という感じかもしれません。

自分のことを君子というわけでは全くありませんが、とにかく危うい状態に、わざわざ近寄らなくてもいいということです。

ですから、大嫌いって思っている人と上手くコミュニケーションが取れてないなと思うのであれば、コミュニケーションの頻度を最小限に減らす、まずこれが一つ。

なので、同じ職場の中でも自分がなるべくコミュニケーションを持たなくていいように、どなたかに間に入ってもらったりする。

このような努力をすることで、自分自身もその人と直接コミュニケーション取らなくてよくなりますので、何となく嫌な気持ちにならずに済むのではないだろうかと思います。

つまり、コミュニケーションを持たなきゃいけないですよね、社会人として駄目ですよねと書かれていらっしゃいますけれども、そんなこと気にしなくていいです。

なるべくコミュニケーションを持たないで済むような努力をするということも選択肢としてありなのではないでしょうか。

しかも、社会人として駄目ですよねというのは、仕事が回っていけばいいわけですよね。

仕事が回っていかなければ、もちろん駄目です。だからそう考えた時に、他の人に介入していただくことによって、仕事がチームでうまく回っていけばそれで良し、直接大嫌いな人と自分がコミュニケーションと取らなくても仕事がきちんと回っていくのならそれでいいのではないかという考え方が、まずは一番いいと思います。

そして次に、直接コミュニケショーンを持たなければいけないっていう場合、これが二つに分かれると思います。

一つ目が、相手も私のことを嫌っていると分かっている場合です。

自分は相手のことが大嫌い、相手も自分のこと大嫌いとなった場合には、この直接コミュニケショーンを持たなければいけないという状態が相手にとっても苦痛なわけなので、これまた誰かに間に入っていただくことが本当は望ましいと思います。

なぜなら、相手とったってストレス、自分にとってもストレス、いいことが何もない訳ですから、とにかくそういう機会を減らすことがいいと思います。

もう一つは、自分が大嫌いなんだけれども、相手はそこに気づいてない。

今回の場合はもしかすると、ここかもしれないですよね。

私は大嫌い、もうあり得ないと思ってるけど、向こうにしてみたら普通に先輩かもしれない。

そういう場合には例えばですが、コミュニケーションを持つと、こちら側のツンツンした態度がどうしても伝わり、それが伝わって相手にも何だかツンツンした態度をされてしまい、相手もあの人結構嫌いとなればお互い嫌いになるわけですが、相手が大して嫌いと思っていないのにこちらの嫌いという態度を突きつけるというのは、本当は社会人としてはま望ましくないだろうと私は思っています。

これは、例えば相手が一枚上手であれば大嫌いと思ってたとしても、おそらく、へらへらと対応できる人って世の中にはいると思うんですね。

そういう人の方が一枚上手なわけです。

自分の気持ちを奥に秘めて、それでも上手く立ち回るっていうことができる人ってことですからね。

そんな人ばかりだと世の中なんとなく怖いなと思うわけですけども、その方が社会の中では一枚上手です。

こうやって自分の気持ちに正直で、あの人嫌い、どうにかならないかしら、接するの無理みたいな感じの態度を表わす人の方がある意味素直で正直ですよね。

しかし社会においては、周りの全然関係ない人には申し訳ない影響を及ぼしたりすることだってあるという考え方をすると、相手があまり気づいていない場合に私だったらどうするかと考えると、これは、無の境地ですね。

相手が無機質なもの、つまり人とか生き物ではないようなものとしてコミュニケーションをしてみます。

難しいかもしれませんが、コピー機とかに話しかけるみたいなイメージはいかがでしょうか。

あとは、お水を汲むディスペンサーとか。

こういったものに対して、今日は調子が悪いのねみたいな話しかけるようなイメージで。

このコピーをお願いします、仕事はもうないですかね、あの処理をお願いしますというようなことを、何かしら、ものに対して話しかけているというようなイメージで接すると、周りに対しても自分に対しても一番害が少ないんじゃないかなと思います。

嫌いだと思いながら、その人のことを本当に大嫌いな人だと思いながら接しに行くと、これはコミュニケーションを持たなければいけない場合、自分にとっても、どうしてもこんな人に接しなければいけなくてと怒りが湧くというようなことになりますし、更には言葉尻とかも結構きつくなると思います。

そしてそれが自分にとっては、そんな態度をしてしまったというような感じで結局ネガティブフィードバックが来たりするわけなので、良いことは一つも無いわけです。

そう考えると、相手にも怒りのプンプンしている感情は伝わってしまうと思います。

そう考えると、人ではない何かに向かって話しかけているというような、そんなイメージでコミュニケーションを取るのがいいのではないかと感じます。

相手からどんなことが返ってきたとしても、コピー機がそんなこと言ってるというような、そんな受け取り方をすると、しょうがないというような、流すぐらいの感じができるのかもしれません。

相手にしないのが一番なのかもしれません。結局、おそらく分かり合えない人という意味だと思います。

大嫌いになってしまった人なので、なるべくと自分の感情を動かさない、感情を動かすことの方がもったいないという思いに近いかもしれません。

レターにも書いてくださったように、そこでま時間を費やすのはもったいないとそこで以前私が言っている、もったいないという言葉が出てきてしまいますが、自分の大事な感情をアップダウンさせる方がもったいないと思います。

怒ったりする事は、私たち結構エネルギーを使います。

そう考えると、そこで自分のエネルギーを無駄遣いするのがもったいないという気持ちになるといいのではないかと思います。

もし、嫌なことを言われたら、また言ってるみたいな感じで流してしまう、相手にしなければいけないこと、相手にしなくていいことを分けた方がいいと思います。


相手にしなければいけないこと、しなくていいこと


相手にしなければいけない事っていうのは、この場合仕事上、きちんと対応しなきゃいけないということだけです。

それ以外のことであれば、流す、私に言われても困る・その話は興味ないなど、本当にすげない対応ではありますが、一応返事を返すという程度の返事のお戻しでもいいのではないでしょうか。

私は本当に本当に嫌な時だったら、自分の顔が能面だなと思えてしまうような表情で、「私はその話、興味ないんで」とサクッと言い切ることができると自分では思っています。

そういうシーンになることがまずないので、使うことはありませんが、是非一回、なんかごちゃごちゃ言われたとしたら、「今、お話聞いてる時間がないので…」とか「私に言われても困ります…」など冷静に言ってみるのもありかもしれません。

なるべく自分の感情をアップダウンさせない、怒る、落ち込んでしまうというのは本当にもったいない。

それぐらいの思いを持ってみるのも、時にはいいんじゃないかなと思います。

と言えど、それを実際にやったことないので、実際にやると怖いでしょうか…

可能であれば、愛情ある接し方でちゃんと叱るみたいなそんな感じでも良いのではないかと思ったりもしております。

今の時代だと、叱るということも難しくなってきてるのではないかなと思います。

今回いただいたレターへの回答は、本当に悩むところだと思いますが、自分の人生、その人にかまけていてはもったいないっていう思いでいいのではないかと思います。

更には、大嫌いな人を含めてのその職場環境です。

よほど条件が良くなければ、次に行く、とっとと辞めちゃったっていいかもしれません。

今は長く勤めてすごくいいことがある時代でもありません。

勿論いろんなケースがありますから、とっとと辞めても次は無いのではとなるかもしれませんが、その人も含めて環境だってことかなと思います。

なぜかって言ったら、そんなに困る人って多分ほかの人にも困ることを起こしている、みんなが困っているけれどその人の状況が変わらない、もしくは例えばクビになったり異動になったりしないということであれば、その組織自体があんまりよくないのではないかという判断になったっておかしくないということがいえるのかもしれません。

皆さん色々あるとは思いますけれども、何を優先するか、今の職場自体が良いのであれば、今の職場にいてその人がいたとしても、例えば大嫌いになる直前でどうにかできることなかったかっていうのを考えてみると、大嫌いになってしまったというところまでいった自分にも責任があるって考えて、大嫌いな人とコミュニケーションをなるべく少なくする努力をする。

もしも相手がしつこくやってくるのであれば、その人に対して、なるべく自分の感情を動かさずに済むような練習、この辺は本当にトレーニングだと思います。

これは、お子様に対してもういう練習って大事かなと思います。

喜ぶとかはいいと思いますが、いちいち起こったり、悲しんだり、悔しがったりというようなことって必要な時もありますけれども、それってプライベートだけでいいと思います。

仕事上で必要ないんじゃないのではないかなと思ったりもしております。

ということでね、このことについてはたくさんのコメントがあって、皆さんも悩んでおられるのか、もしくはま私のアドバイスだけでは全然ダメなんですっていうことなのかは難しいなとは思いますけども。


大嫌いな人・大好きな人を思い浮かべる時間


大嫌いな人って、皆さんいる方が多いのではないかと思います。

みんなそれぞれですが、一つよく考えてみてほしいのは、大嫌いな人って大抵、自分の鏡なんですよね。

自分が同じようなことをしてしまう可能性もあるということは、ちょっとだけ頭に置いておいて、そしてその鏡からどんなことを学べるかということも一度考えてみるといいのではないかなと思います。

大嫌い大嫌いって思ってるけれども、その人って大好きぐらい頭のどっかにあったりするものなんですよね。

ほとんどの人たちは、どうでもいい人な訳なんです。

どうでもいい人たちのことって気になってない人たちっということです。

でも大好きな人ってほんの少しではないですか?

そして、大嫌いな人もそういないわけで、大好きな人と大嫌いな人って大抵いつも頭にあるわけですよ。

私達はそれぐらい自分でその人のことを意識しちゃってるんです。

大嫌いって思えないようにする練習がもしできるのであれば是非そうしてください。

そうすれば他の人と同じような扱いが自分の頭と心でできるようになるんじゃないかなと思います。難しいとは思いますけどね。

なるべく人のことを、自分なりの評価、ランク付をしないっていうのも大事だと思います。

そうしてしまうと、自分の中で割と面倒なことがよく起こります。

なので、大体みんな同じくらい好きみたいなそれぐらいの扱いが本当はいいですよね。

もちろん特別な人、パートナーだったり、距離の近い家族や大切な方いらっしゃると思います。

しかし、仕事場となってくると、仕事の関係性がなくなってその先の人生に繋がっていく人って本当に少ないですよね。

そう考えると、何か何となくいまいちだなと思う人っていうのはなるべくアウトオブサイトです。

見ないようにする、自分の視界から外に出す。

でも目や耳に入ってくるんですよね、しかし、入ってきたとしても流す。

もうこの辺は決意なのかもしれませんが…

皆さんの生活自体が、少しでも快適に、そしてお仕事場も特にそんなに悩むことなく続けていけるといいななんて願っております。

今回のケース、皆さんの生活の中にも似たようなことがもしかするとあったのかもしれません。

是非ちょっと頭にあの人のことかななどと思い浮かべながら考えてみていただければなと思っております。

頑張れとは言いませんけれども、ちょっとだけ続けてみる。

なるべく心の波をちっちゃくして、とにかく粛々とというのをお勧めしてみようと思うようなタイミングかなと思っております。 


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