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ゼンブ・オブ・トーキョー

アイドル映画、青春映画、コメディ映画としては上出来だと思う。日向坂46の4期生という世間的には知名度の低いメンバーに興味を持ってもらうきっかけとしては十分だ。“この娘可愛いな”とか“声が好き”とか思うメンバーはドルオタなら必ず見つけられるはずだから、この映画を見ただけでは顔と名前を一致できなくても、今後、テレビ番組やライブイベントなどで、そのメンバーを見た時は多分、“あっ!あの娘か!”ってなると思う。

ただ、修学旅行、もっと平たく言えば旅行や観光をテーマにした作品としては失格と言わざるを得ない。

おそらく予算が少ないと思われるというのもあるし、出演しているのが日向坂とは言え知名度の低いメンバーというのもあるのだろうが、エキストラを用意せず、本物の観光客などがいる街中で(許可は取っているとは思うが)、人員整理などせずにゲリラ撮影に近い形で撮られたと思われるシーンが多いように感じた。
また、観光客がいるシーンでは引きの画が多いのもそうした予算的な理由なのだろう。外国人観光客はおそらく、この映画を見ることはないとは思うが、万が一、そういう人たちが何かのきっかけでこれを見てしまったら肖像権とかで訴えられる可能性もあると思う。ドキュメンタリーじゃないんだからね。

街中のシーンでアップが少ないのは許可を取っていない店を大映しにすると文句を言われそうと分かっているからだしね。だったら、背景に映っている外国人観光客にも配慮しようよ。外国人なんてどうせ見ないからいいやって思っているのでは?

本作は東京に修学旅行にやってきた地方の高校生たちの話だが、自分のような東京生まれ東京育ちで東京23区以外に住んだことがない人間には東京に修学旅行に来る意味が全く理解できないんだよね。

何しに来てんだよって思う。実際、この映画の中の高校生にしろ、現実世界の修学旅行生にしろ、東京に来てやっていることって買い物と飲食がメインだしね。本作の高校生たちもそうだったけれど、班ごとの自由行動だったら、寺社とか名跡に行くことはまずないしね。

というか、地方の中学・高校生が修学旅行で東京に行き、そこで遊ぶことを覚えるから進学とか就職を機に上京しようとなってしまうんだよ。地方の過疎化の原因は修学旅行で東京に行き、楽しいことを覚えてしまうから、地元がつまらなく感じてしまい、上京しようってなることにあると思う。

修学旅行先は考え直した方がいいと思う。



そう言えば、本作の高校生たちは自由行動中に迷子になったけれど、自分たちも高校の修学旅行の時に迷子になったな…。

自分たちはその日の最終訪問地を出てホテルに徒歩で向かっていた。そして、教師たちは歩くのが面倒だからタクシーに乗って、自分たちを追い抜いて去っていった。自分たちはその後をただ追いかけていっただけなのに、何故かホテルにはなかなか到達できなかった。アレはなんだったんだろうか?

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