バブル(劇場版)
ディズニーが去年、新作映画を劇場公開と同時にDisney+で配信開始した際には、東宝・東映・松竹の邦画大手3社系の映画館はこぞって、ディズニー映画の上映ボイコットを実施した。
また、Netflixが賞レースに絡みそうな作品を劇場で先行上映するのは秋から年末にかけての毎年恒例行事となっているが、これらの作品は配信開始よりも先に劇場での上映がスタートしているのにもかかわらず、大手3社系の映画館では上映されず、イオンシネマやミニシアターなどでしか見ることはできない。
しかし、本作はネトフリ作品なのに、大手3社の映画館で普通に上映されている。
新宿地区なんて、TOHOシネマズ新宿、新宿バルト9、新宿ピカデリーと、東宝・東映・松竹3社全てのシネコンで上映されている。
どういうことだ?
しかも、本作は劇場公開と同時に配信でも、配信に先駆けての先行上映でもなく、配信開始済みの作品の劇場公開なのに…。
ネトフリ作品ではあるものの、劇場公開時の配給はワーナーとなっていて、ワーナーはハリウッドのメジャースタジオではあるものの、数多くの日本映画作品を世に送り出していることから、日本の映画会社の作品とみなして許容しているということか?
それとも、ネット情報によるとオープニングにちょっと手を加えられているだけらしいが、映画館で上映されているのは劇場版と銘打たれているから、あくまでも配信されているNetflix版とは別作品扱いしているということなのか?
結局、東宝・東映・松竹はコロナ前に圧倒的なシェアを誇っていた(東宝に次ぐ2位)ディズニーを市場から追い出したかっただけというのが、これでバレてしまったよね。
ハリウッド系でも、ユニバーサルやパラマウント作品は東宝の子会社が配給しているし、ソニーは大元は日本企業だし、ワーナーは事実上、日本映画の配給会社にもなっている。だから、配信が本業のネトフリと、日本要素がないディズニーを追い出したかっただけでしょ。
何が映画館の利益を守るだよ。ふざけんな!
というか、本作は東宝の川村元気が企画・プロデュース を担当しているし、川村らが設立したプロダクションが関与しているから、大手3社のシネコンで上映ボイコットできないだけだよね。
本当は東宝か東宝映像事業部の配給で世に出すつもりだったけれど、ヒットしそうにないから、ネトフリに買ってもらったのでは?そう考えると、ネトフリ作品なのに止め画が多いのも納得する。
内容自体に関しては、既にネトフリ配信版で鑑賞済みの人が言っているように微妙な作品だった。
先述したよぷに、ネトフリ、ワーナーと外資の潤沢な資金が入っているはずなのに、やたらと止め画が多いのは気になった。
まぁ、作中で何度も登場するパルクールと呼ばれる競技のシーンはよく動いていたとは思うけれどね。
あと、細かいことだけれど、作中のニュースだかワイドショーだかの画面が映し出されるシーンで、その番組のサイドスーパーの文言が“するべき”となっていたのは気になったかな。“すべき”でしょ!100%間違いとは言わないけれどさ…。
とりあえず、本作がつまらないと思われてしまった最大の要因は、謎のヒロインの正体が比較的早い時間帯に簡単に推測できてしまったということだと思う。
タイトルが「バブル」で、ヒロインの指に疱疹のようなものがあるのが確認され、このヒロインが「人魚姫」の絵本を読むシーンが出てくれば、もう、余程の無知の人でもない限り、“あっ!王子様を助けて泡になった人魚姫。というか、その泡が正体なのね”って分かるしね。
だから、もうひと工夫が必要だったんだよね。
「進撃の巨人」や「甲鉄城のカバネリ」の荒木哲郎、「魔法少女まどか☆マギカ」や「PSYCHO-PASS サイコパス」の虚淵玄、「君の名は。」や「未来のミライ」の川村元気が手を組んだ作品となれば期待は高まるわけだから、そりゃ、この程度の内容だったら酷評になるのは当然だよね。
そもそも、オリジナル作品なのに、テレビアニメの総集編映画みたいな出来なのはどうかと思う。シリーズでやった方が良かったのでは?
ところで、本作にしろ、「日本沈没2020」にしろそうだが、ネトフリ配信のアニメって義足アスリートが好きだね…。
そうそう…。コカ・コーラ社の商品は実名で出てくるのに、東京タワーはただのタワーと呼ばれているのも不自然。タイアップしているか否かの差ってことかな?その辺の中途半端さもワーナーやネトフリ作品には思えない理由なんだよね。やっぱり、東宝が配給を断念した作品をワーナーやネトフリが買い叩いたのでは?
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