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ゴジラ-1.0/C
本作を見ようと思った理由は2つある。
まずはオリジナル版を見た際に、ネットで指摘されていたオチに気付かなかったからだ。大打撃を受けたヒロインが生きていたのは単にハッピーエンディングにするための安易な展開だと思ってしまい、ヒロインの体に異常な点があったことを見逃してしまっていたのでそれを見直したいと思った。
また、米国で公開された実写の日本映画として最大のヒット作となったことや、アカデミー視覚効果賞のノミネート作品を決めるためのショートリスト入りしたことなど、海外で評価されている点を確認したいという考えもあった。
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とはいえ、個人的にはそこまで傑作とは思っていないものをわざわざ、もう1回金を払って見るのもなんだしなという気持ちもあった。
そんなことを模索しているところ、別バージョンである本作が公開されることになったので改めて見てみようと思った次第である。
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まず第一の再鑑賞理由について。
確かにヒロインの首にゴジラの放出した放射能の影響と思われるアザがあるのは確認できた。ただ、はっきりとアップで映し出されてはいなかったし、モノクロ版の本作だとオリジナルのカラー版以上に気付かない人が多いのではないかと思う。
とりあえず、本作のモノクロは疑似モノクロという感じだった。単純に色調整でモノクロにしただけだから、1954年の最初の「ゴジラ」などのクラシック作品や、1993年の「シンドラーのリスト」のような最初からモノクロ作品として作られたものとは趣は異なっていた。ただ、ゴジラが放射能を撒き散らした後の黒い雨のシーンは効果的だったと思う。
第二の理由について。
各所で指摘されているように、国のために尽くしたはずの退役軍人が庶民からお前らのせいで生活は苦しくなった、お前らがだらしないから負けたんだと責められる姿がおそらく欧米で共感を持って受け止められたのは間違いないと思う。
そうした光景はベトナム戦争後の米国でもよく見かけられ、映画では「ランボー」や「7月4日に生まれて」でも描かれている。
そういう点で洋画っぽいテイストがあるということなのだろう。
オリジナル版を見た際にも、戦中・戦後の話だけれど、何もかもが自転車操業で、国民を酷使し、搾取することしか考えていない旧日本軍や戦後間もない頃の日本政府のやり方は現在の自民党的な政治そのものにしか見えないという印象を持ったが、このモノクロ版ではさらなるイメージがプラスされた。
それは、2024年1月の視点で見ると、能登半島地震で無策に近い自転車操業のことしかやっていない岸田政権の批判にしか見えないということだ。これはたまたま、作品と時代が合致しただけだとは思うが。特攻隊なんて自転車操業の極みだよね。
それにしても、「ゴジラ-1.0」、「あの花の咲く丘で、君とまた出会えたら。」、朝ドラ「ブギウギ」といずれも特攻隊が描かれている最近の作品がいずれも、現在の岸田政権とか自民党政治に対する批判につながるようなメッセージを放っていることは興味深いと思う。
確かに、増税に次ぐ増税で生活がどんどん苦しくなっているのに、自民党を支持している連中というのは自殺行為でしかない。それは特攻隊と同じだ。そんな特攻隊を美化するような作品を作るのはおかしいという流れになったのだから、非常に興味深いと思う。安倍・菅政権時代ならあからさまな特攻隊批判の映画やドラマをメジャー作品が作るのは難しかったと思うしね。それこそ、ネトウヨ百田の原作作品みたいなものがもてはやされていたしね。こうした時代の流れはとりあえず歓迎してもいいのではないかと思う。
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