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ビートルジュース ビートルジュース

かつてはオタクとか弱男とかチー牛とか呼ばれるようなタイプの男が好きそうな作品を作っていたクリエイターが彼女ができたとか、結婚したとか、子どもができたといった理由で作風や思想が変わることがよくある。

ここ四半世紀くらいのコミック・アニメ・ゲーム・ラノベなどのいわゆるハーレムものの雛形を作ったと言っても過言ではない「ラブひな」の作者・赤松健は結婚して以降、すっかり、権力というか自民党の犬になってしまった。



本作の監督でもあるティム・バートンも2003年に子どもが生まれて以降は作品からオタク臭が薄れていった。

しかし、この作品は久々にティム・バートン節全開だった。ポリコレへの配慮は抑え気味で平気で外国人差別をする人間も出てくるし、グロいシーンも多い。

本作は1988年度作品の36年ぶりとなる続編だが、80年代作品の続編というよりは80年代の映画そのものを見ているようだった。思想だけでなく画の作りもそんな感じだったし、SNSやスマホといった現在のアイテムは出てくるけれど、テイストは80年代そのものだった。

36年ぶりの続編となった「トップガン マーヴェリック」は80年代の価値観のまま生きる不器用なオッサンが今の価値観に悩みながらも現代流が通じない緊急事態の時にベテランの経験値を見せつけるという内容だったが、本作にはそんなものはない。80年代の価値観のまま年を重ねた中高年が若い頃の感覚のまま、今の悩みに直面するが、今の価値観などたいして気にせずに解決していくといったところだろうか。

まぁ、今の価値観を直視するか否かはさておき、最終的には古いやり方を通すのだから、いずれにせよ、オッサン・オバサンホイホイの映画であることには違いないが。

BGMも完全に中高年向きだしね。

リチャード・マークスの純愛ラブソング“ライト・ヒア・ウェイティング”をストーカーソングとして使っているのには笑ってしまった!

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