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I♡ 台湾 イベント 2022 月老 また会う日まで 上映イベント

いくら、日本で一般公開される可能性が低い作品とはいえ、単なる映画の上映だけで2800円もの入場料金を取るのはぼったくりもいいところだ。
正確にいえば、ローソンチケットでしかチケットを購入できないから、発券手数料330円も取られる。

キャストやスタッフの舞台挨拶がある。もしくは、ビデオメッセージが上映される。そうでなければ、キャストやスタッフではないが本作の“製作国”である台湾にちなんだゲストが登場するというのであれば、入場料金が高額なのも納得する。でも、クリアファイルがもらえるだけで2800円というのは高すぎる!

自分は3日間の上映期間のうち、1日目に鑑賞したが、何でも2日目はローソントラベルDAYとして、グッズは追加されるものの、入場料は3800円とさらに高額になるらしい。
その名称からも分かるように、明らかにチケットを取り扱っているローソンの販促イベントなのに、逆に客から金を取るって何を考えているんだ?
しかも、来場者が入場時の検温で引っかかっても払い戻ししないとかほざいているし、マジでぼったくりもいいところだ!
ちなみに入場のアナウンスも不親切だった。受付と書いてあるのはどうやら関係者向けのもののようで、一般の入口は別だった。
結局、関係者向けのイベントを一般人にも開放してやっているという感じなのかな?

上映中にスマホを点灯させているアホがいたのは、そんなに興味がないけれど招待されたので付き合いで見に来た人だろうし、上映開始直前になって座席を移動した人間がいたのは、場内をガラガラに見せないためにとりあえず適当な席に座っていた関係者なのかな?

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まぁ、こういうアコギな商売になってしまうのは、本作のメガホンをとったギデンズ・コー監督の日本での知名度が低すぎるせいなんだけれどね。

2011年の「あの頃、君を追いかけた」は台湾で記録的な大ヒットとなったし、香港などでもヒットした。しかし、日本ではその年の東京国際映画祭で上映されたのにもかかわらず、一般公開は2013年までされなかった。
おそらく、日本の映画ファンが求めている台湾映画というのは、その作品の背景となっている時代が現在だろうと過去だろうと、コメディだろうとシリアスドラマだろうとラブストーリーだろうと、日本もひと昔前はこんな感じだったよねとノスタルジーに浸れるものか、政治的なメッセージの強いものなんだと思う。

「あの頃、君を追いかけた」は確かに90年代というひと昔前を描いた作品でありノスタルジックな要素は強かったものの、下ネタも多かったので、日本の台湾映画ファンの好みではなかったというのが、一般公開がなかなか決まらなかった理由ではないかという気がする。

2017年度作品「怪怪怪怪物!」は、これまた、その年の東京国際映画祭で上映されたが、それ以降は「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2018」で上映されたものの、いわゆる一般公開という形での上映はなかった。
おそらく、単にいじめ問題を描いた作品だったらシネフィル系の台湾映画ファンの受けはいいから、すんなり公開されていたのだろうが、基本はホラーであり、しかも、ブラックユーモア系ということで一般公開は見送られてしまったのではないだろうか。

本作「月老」はファンタジー要素の強いラブストーリーだ。「あの頃、君を追いかけた」や「怪怪怪怪物!」に比べれば、台湾を含むアジア映画ファン、特に女性ファンに受けそうな題材なのに、こうした限定的な上映となってしまっているのは、ギデンズ・コー監督作品は日本では受けないというレッテルが貼られまくってしまっているということなのだろうか?

そんなわけで、色々と不安を抱えながら本作を鑑賞した。

そして、3日間限定上映になるのも納得といった感じの内容だったという感想を持つに至った。

確かに、ファンタジー要素の強いラブストーリーだし、ウルウルする場面も結構ある。でも、下ネタも多いし、ホラーの要素もあるし、アクションシーンもある。

日本ではどうプロモートしていいか困るタイプの作品だよね。

決して、ミニシアター系アジア映画が好きなシネフィルとか、アジアのイケメン俳優好きな女性が好むような内容ではない。

どちらといえば、映画秘宝信者が好きそうな作品だ。映画秘宝という言葉はイメージが良くないので言い換えれば、ヒューマントラストシネマ渋谷で毎年やっている「未体験ゾーンの映画たち」で上映されるような作品が好きな人たち向けの作品だ。

そりゃ、こういう上映の仕方になるよねって思った。

それにしても前から思っていたが、台湾って日本と文化的に近いよねというのを本作を見て改めて感じた。

作中で描写されている死生観なんて日本人ならおなじみのものだしね。死ぬ間際の走馬灯という概念って台湾人も持っていたのか…。

映し出される風景も電車が走る街並みとか日本の郊外みたいだったしね。

それから、セミの死生観の描写も東洋的だった。欧米人には理解できないだろうね。セミの鳴き声を使った演出なんてね。

あと、やたらと佐藤健の名前が出てきたのはなんだったんだろうか?
それから、ベビメタが流れて驚いた!

やっぱり、台湾って、アジアの国・地域の中で一番、日本と親和性が高いなというのを実感した。

とりあえず、2人のヒロインはどちらも可愛いかった。主人公もイケメンだと思う。

本作の内容がそのまま、アニメだったら、オタクが喜びそうな話なんだけれど、アジア映画好きにアピールするのは難しいかも…。まぁ、イケメン俳優や可愛い女優を見ていれば満足という人もいるだろうけれど。

それにしても、絵面はほとんど日本映画と変わらないスケールなのに、エンドロールの長さがハリウッド映画なみだったことに驚いた。

それだけ、人件費がかかっているということだよね。逆に言うと、日本映画は人件費がかけられていないということ。
日本映画界もきちんと人道的な労働環境でスタッフを雇用すれば、現在、数億円で作られているレベルの作品でも、予算は何倍にもなり、エンドロールも長くなるってことなのかな。

《追記》
字幕がいかにも特別上映用って感じだった。
文字数が多いんだよね。
日本で一般公開される外国映画の字幕って日本人が読みやすい文字数に絞って出しているけれど、これはおそらく、ほぼ全訳状態だった。
欧米で字幕鑑賞が嫌われるのって、この全訳状態で文字を追いきれないからなんだと思う。

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